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◆ マイケル・ジャクソン おれが選ぶ群舞作品ベスト9! [映像・ショート・フィルム]

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 マイケル・ジャクソンが世紀のスーパースターとなったのは、最高のボーカルとそして誰にも真似できない最高のDanceとその世界観を見事に表現したショートフィルムがあったからだと思います。
 まだMusic Video全盛前の80年代以前のファンはマイケルのボーカルの素晴らしさをかみしめていると思います。
 MTV時代以降、映像からのインパクトは大きく、そのDANCEとショートフィルムからマイケルに魅了された人が多いと思うのですが、マイケル・ジャクソンはボーカルあってのマイケルだと思います。
 特に80年代は絶品です。男性でありながら女性的な繊細さもあり、ソウルであり、エモーショナルでもある。そしてボーカルにリズムが宿る。
 ボーカリストとしても唯一無二の存在ですが、神はさらにダンスというものをマイケルに授けた。才能ある人がさらにとてつもない努力をするのだからInvincible(無敵)です!
 さらにマイケル・ジャクソンのすごいところは、見逃しがちな部分ですが、そのエンターテイメント性というか企画力です。
 最高のダンサーは、普通にすばらしく踊る。
 マイケルはさらにそのダンスと歌と音楽をミックスさせ一つのエンターテイメント作品を作り出した。
 一番有名であろう「スリラー」にしても、ゾンビと踊るという発想をする人間がいるだろうか?いたとしても自身でそのダンスさえも表現できる人はいないだろう。
 マイケルのすごさはそのエンターテイメント性にもあるように思う。
 マイケルが生み出した数々のミュージックビデオ、あるいはショートフィルムと呼ばれるものは妥協することなくお金もかけすばらしい世界観のものを生み出している。
 そして多くの人が虜になるのがマイケルを中心にする集団ダンスだと思う。
 もちろんマイケルのソロパフォーマンスもすばらしい。モータウン25周年記念での「ビリージーン」のソロパフォーマンスは伝説。
 マイケルのダンス作品は、多くのバックダンサーと一緒に踊ることにより映像的なインパクトはさらにます。この集団ダンススタイルもマイケルが先駆者だと思う。マイケルとバックダンサーたちの一糸乱れぬシンクロダンス。このスタイルは本当に多くの人に影響を与えたと思う。
 
 今回あらためてマイケルの集団ダンス作品を振り返ってみたら9作品ありました(ステージパフォーマンスも含む)。曲の途中の挿入的な集団ダンスというかパフォーマンスは含んでいません。そして私自身のリピード度や作品の完成度、インパクト等個人的な好みで順位付けしてみました。それでは以下!

9位 Remember The Time  From 『DANGEROUS』(92)

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  90年もマイケルのDECADEになる事を感じさせた『DANGEROUS』からの第2弾作品。
 尋常性白斑により白い肌になってしまったマイケル。「Black or White」では「白人だろうと黒人だろうと関係ない」と歌った。当初、そのリリックに違和感を感じる人が多くいたのは事実だけど、自分の意志とは無関係に肌が白くなってしまったマイケルの言葉と取ればストレートに入ってくる。
 そしてこの「Remember The Time」のショートフィルム(SF)では、さらにマイケルのルーツでもあるアフロアメリカンの誇りを随所に感じます。そしていろいろ意味深な作品でもある。
 まず舞台がエジプト王国。アフロアメリカンのルーツであるアフリカ大陸にあったこのロマンあふれる王国が舞台となります。
 マイケルならハリウッドで名の売れた著名な監督の起用も可能だったと思いますが、あえて若手の才能ある黒人監督であるジョン・シングルトンを起用したように思います。
 そしてキャスティング。王国の王様役に、黒人俳優のスター、エディー・マーフィー。
 女王役に、スーパーモデルのイマン(ソマリア出身)(後にデヴィッド・ボウイと結婚)。ブラックビューティーの代表格のような女性です。
 NBAのスーパースターだった、マジック・ジョンソンも起用。
 この作品では、俳優業、モデル業、スポーツ選手のブラックスーパースターが起用され、アフロアメリカンの優秀性を主張しているのも感じずにいられません。
 MVのダンサーも、これまで白人、黒人まざっていたと思いますが、今回エジプトという事で、真っ白な肌のダンサーはいないように思います。MJだけが白い。やはり自分の意志に反して病気で肌が白くなってしまったマイケルの主張をここにも感じてしまうのです。
 ここまでの主張が、一部の白人層に拒絶された面もあるかもしれません。これまでは映像作品が相乗効果を生みさらなるヒットに結びつきましたが、この黒すぎるSFがかえってHot100で1位を獲得できなかった事に影響したかもしれません。
 さらに深く掘り下げると、この「Rememer The Time」は公式クレジットにもあるようにダイアナ・ロスに捧げられた曲でした。
 ダイアナは、シュープリームスのメンバーとしてソロとしても70年代モータウンでヒットを連発した。まさにモータウンレコードの女王でした。
 そして、一時期モータウンレコードの社長であるベリィー・ゴーディーの愛人でもあった。女王がダイアナ、エディー・マーフィー演じる王がベリー・ゴーディーと見ると、ベリーからダイアナを奪う(奪いたかった)というマイケルの秘めた思い感じることもできるのです。
 さて、肝心のダンスパフォーマンス。振り付けはファティマロビンソンという女性。手の動きに重点を置かれた今までにないダンスパフォーマンス。相当難易度高い。
 最優秀男性R&Bソウルシンガー賞 (「リメンバー・ザ・タイム」)と最優秀男性R&B・ソウルアルバム賞(『デンジャラス』)を受賞したソウル・トレイン・ ミュージック・アワードでこのパフォーマンスがされますが、前日に足を負傷したマイケルは座ってパフォーマンスを行う。作品と同じように凝った演出もされますが、座ったままというのもあってあっていまいちパッションが薄い。
 Dangerous World Tour時でも入念にリハーサルもされます。しかしブートでその映像を見るに、いまいちステージ上での迫力がうすい。すごくいい楽曲なのに、なんでだろ?結局ツアーでは使われず。
 『Dangerous』からはこの後、「In The Closet」のSFも発表されます。集団ではなくナオミ・キャンベルとのDUOダンスですが、これまでにないセクシーでタイトなマイケルがそこにいてすばらしい作品です。

8位 Dangerous  From MTV MUSIC AWARDS LIVE Perfomance (95)

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 95年のMTVミュージックアワードでの「DANGEROUS』のダンスを含むステージパフォーマンス。新旧のヒット曲もメドレー形式で披露し15分に及ぶマイケルワールドがステージ上で展開されます。
 このパフォーマンスは録画ではりません。生の観客を目の前にしたLIVEステージでこれだけの世界観の表現とパフォーマンスをするのがすごすぎます。
 93年の少年の父親によってしくまれた虚偽の告発で、マイケルをとりまく環境は一気に変わりました。当時、まだマイケルはその負のイメージをひきずっていた。このステージはマイケルにとってけっして楽な状況でのものではなかったと思うのですが、このパフォーマンスに誰もがひれ伏した感じです。
 このライブパフォーマンスは、『History On Film Vol2』に収録されています。
 最終的に「Dangerous」はシングルにはなりませんでしたが、ツアーでもセットリストに加わりこのダンスがステージでなされた。80年代後半に、ビル・ボトレルとマイケルで作った曲ですが、『Dangerous』製作時期にテディー・ライリーによって90年代仕様に生まれ変わり、ダンスパフォーマンスにもフィットした。

7位 Smooth Criminal  from 『MOONWALKER』 (88)

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 映画「ムーンウォーカー」で披露された作品。マイケルが好むイタリアンマフィアのTasteも全開の作品。予算と契約的な部分がうまくいかず全米での劇場公開がされない作品となったのは残念。それまで一連のマイケルのプロモーションを成功に導いていた敏腕マネージャー、フランク・ディレオがその責任を負いマイケル陣営から離れる事にもなります。汚れ役もかうディレオがマイケル陣営から去った事はその後に影響したように思う。
 映画『ムーンウォーカー』は興業的には成功しませんでした。
 その要素にコンセプトが曖昧になった部分があったかもしれません。「スムクリ」のような大人テイストのDANCEビデオもあれば、マイケルが巨大化してロボットになってしまうという子供チックな部分もありと。
 結局それらを含めてマイケル・ジャクソンの美学がつまった作品。
 前に倒れるけど途中で止まる「ゼログラヴィティー」は話題になったけど個人的にはそんなにはまらなかった。
 スピード感あるダンスの振り付けは、ヴィンセント・パターソン(「ビートイット」でMJのとなりで踊る白人のボス役)。
 「スムクリ」の撮影されたセットは、MJの最後のミュージックビデオとなった「One More Chance」の撮影場所と同じだそうで、「One More」の撮影時、マイケル的にはレコード会社の支援と熱意が「スムクリ」の時と差がありすぎて失望しまくったそう。
 劇場公開は、欧州とこの日本でもされました。私も88年の年末に親友と見に行きました。映画館の大きいスクリーンでMJの作品を見れた感動は今でも忘れれない。

6位 BAD from 『BAD』 (87)

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 社会的なメッセージももりこんだ作品となる。監督は巨匠・マーティン・スコセッシ。私服警官に強盗と間違えられて射殺されてしまったアフリカ系アメリカ人の青年の実話を基に制作された。
 個人的には、曲の内容、作品も含め解釈が難しく感じている。
 マイケルのダンスシーンはそういった所は抜きに魅了される。タフなマイケル象が全面に出た作品。実際この作品は、17分の映像をすべて見て意味があるのでしょうが、いざ見るとなるとダンス部分からになってしまうという。
 しかし前半のモノクロ部分のマイケルの演技も見逃せない。
 マイケルはハリウッドを制することはできなかったけど、マイケルの演技力と表現力も相当なもの。
 それはグラミーで最優秀児童用レコードを受賞した、『E.T. Story Book』のナレーションの素晴らしさにも感じた。
 「スリラー」の後、全世界が注目したショートフィルムでした。プリンスやRUN D.M.Cも参加していたらもっとBADな作品になっていたに違いない。
 効果音の演出が緊張感を高めかっこいい。この流れは『キャプテンEO』から引き継がれる。
 振り付けはジェフリー・ダニエルとグレッグ・バージ。ブレイクダンスや、ウエストサイド物語の感じも含まれ、相当かっこいいDance。
 ビデオバージョンのSMOOTHなオルガンPLAY好き。
 マイケルってダンスシーンもイメージしながら曲を作るのかな。
 BADはステージ上でのダンスパフォーマンスは知らない。日本公演でもされたけど、ダンスはなかった。その後のツアーでもBADはセットリストに加わらなかった。このパフォーマンスをステージ上でするのは難しいように思う。
 『MOONWALKER』でのチビッコマイケルのパフォーマンスも好き。
 『スリラー』の後、全世界がまっていたダンスパフォーマンスでしたからね。マイケルは期待を裏切らなかった。圧倒的なかっこよさでシーンに戻ってきたことを今でも思い出す。

5位 Beat It  from 『Thriller』 (83)

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 全米1位、グラミー最優秀レコード。マイケルのロックスプリッツも感じる楽曲。「ビートイット」がマイケルをR&Bのカテゴリーから開放したといってもいいと思う。
 モータウン25周年記念の「ビリージーン」の伝説のステージパフォーマンスとこの「ビートイット」のミュージックビデオが『スリラー』を爆発的にヒットさせた。
 この曲のダンスパフォーマンスもすばらしい。
 このロック曲とダンスを融合させるのはすごく難しいと思うのだけど、マイケル・ピーターズによる振り付けが素晴らしい。
 マイケルの両隣にいる黒人ギャング団のボス役が彼。普段はすごく優しそうな方だけど、このクリップでの彼は超いかつい。後に彼が振付師と知りますが、当時はそんな風に思わなかった。
 そして白人側のボスがヴィンセント・パターソン。彼は当時まだ駆け出しダンサーだったようですが、マイケル作品の出演をきっかけにこの後、マイケル作品に数多く起用されることになる。
 MJはこのクリップを通じて「暴力は避けるべきだ」という事を訴えている。
 「真の勇気とは、暴力をふるわずに、難しい問題を解決できたり、実現可能な解決法を見つけ出す知恵だ」と。ストリート感もすばらしい。曲と映像によるメッセージもダイレクトに伝わってくる。
 この「ビートイット」がマイケルの集団ダンス作品としては初のもの。
 「ビートイット」という楽曲もマイケルの殻を見事に打ち破ったけど、このCOOLなダンス映像もマイケルをネクストレベルに導いた。
 このクリップのダンスは、手と足をダイナミックに動かす所がポイントだと思うけど、サラッと切れ味鋭いダンスをするマイケル。手足の長いマイケルのダンスがしなやかなこと。
 曲も最高にかっこいいし、踊りもめちゃくちゃいけてる。ボーカルもかっこいい。その全てがマイケル・ジャクソンによるものですからね~。
 「ビートイット」も当時何度も見た。マイケルのかっこよさが全開だった。
 男のおれがマイケルにしびれたきっかけはこのかっこよさだった。

4位 Will You Be There  from MTV 10th Anniversary Perfomance (91)

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 これまでのMJのダンス映像は、かっこよさとスピード感が魅力だったと思いますが、感動を与えられた初めての作品。
 楽曲の素晴らしさとMJのメッセージがストレートに心に響いた。 
 この曲は、『Dangerous』からのシングルとしては7枚目となりますが、曲のお披露目はアルバム発売直後でした。
 それは、MTV10周年記念番組の中でのパフォーマンス。
 この番組はMTVの10周年を記念し製作されたもので、その申し子ともいえるアーティストが登場します。そのメンツは、ジョージ・マイケル、エアロスミス、マドンナ、REM、そしてマイケル・ジャクソンです。
 『DANGEROUS』は、USAで91年11月26日に発売されますが、この番組はその直後に放映されています。(この日本では世界に先駆けてその3日前に発売されました。MJの日本のファンに対する愛を感じます。)
  マイケルは、節目節目に伝説的なパフォーマンスをしますが、このステージもそのひとつだと思います。
 当時、「マイケルがまたもどってきた」と興奮したのを覚えています。
 まずスラッシュを引き連れて先行シングルの「Black or White」をパフォーマンス。曲もロックですが、白い肌のMJとちょい悪風の天才ギターリストのスラッシュが登場します。白人ロックアーティストのようなパフォーマンスでした。
 しかし今回のステージのメインは、この曲ではなく次に披露されたこの「Will You Be There」でした。ステージ上にはセットが組まれ、様々な人種の老若男女がステージに集い、その中心にマイケルが立ちます。ある種世界を象徴しているステージです。
 そして感動的でスピリチュアルなパフォーマンスが、静かだけど力強く進行します。
 MJのダンスも、これまでのものとはちがいバレエの要素も感じます。はじめてみる動きです。後ろのパフォーマーの動きも素晴らしい。この曲の振り付けもヴィンセント・パターソン
 88年のグラミーでの「マン・イン・ザ・ミラー」のステージも感動しましたが、この「Will You Be There」はそれ以上の感動を覚えました。不覚にも涙がこぼれた。これを生で見た人は鳥肌ものだったのではないかと思います。MJのパフォーマンスを見て涙が出たのは初めてでした。
 最後は、MJの語りで締めくくられます。MJの神への絶対的な愛を感じるリリックです。そしてそれは、ファンと自分とのつながりをも示しているようにも思います。その語りの声は涙声です。最後には、MJの左目から涙がこぼれています。
 このライブの模様は正式には作品化されていませんが、MVがこのときのパフォーマンスを基に編集されています。がやはりこの時のライブ映像を是非見ていただきたいです。

3位 We Are Here To Change The World from『キャプテンEO』 (86)

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 ディズニーでのアトラクションの3D作品として86年9月に公開される。マイケルのDanceが立体で迫ってきます。
 ディズニーは親と行くのではなく好きな娘といくものという信念を貫いていたら月日は流れ、96年9月、9年6ヶ月の歳月を経てこの3Dアトラクションは終了してしまいます。しかし、マイケルの死後、マイケルフィーバーがおこり2010年に再演、当初1年限定だったEOも常設化される事になります。今度こそ行かねばと思いつつまたまた妻の妊娠、出産等もありなかなか行けず。
 2014年、EOの終了が発表され、ついに最終日の6月30日に27年越しにEOを、マイケルファンになった当時2歳の娘と見ることができたのです。
 長年ブートで2Dでこの作品を見続けましたが、3DのEOはこれまでみたEOと別モンでした。
 ディズニー関係者によると、EOの施設でも若干のハードの差があるようですが、日本は最高レベルの音響と映像だそうです。
 EOはディズニーのアトラクションなので、MJの映像集にも入ることはなかった。ディズニーランドに行かないと見れない作品なのです。
 これまでどれだけの人がこのEOを体感したのでしょうか。
 製作したのが、ジョージ・ルーカス。監督がフランシス・フォード・コッポラです。すごいメンツ。さらに17分という作品に、20億円ちかい制作費もつぎ込まれます。
 そして『スリラー』同様、1回だけでは飽きない、何回も見たくなるという中毒性がある。
 そして物語のテーマ性。正義が悪を倒すというものではなく、封印されている閉ざされた心を、マイケルのダンスと歌で開放させるというテーマ性がマイケル・ジャクソンらしい。
 EOの意味は、ギリシャ語で“夜明け”という意味だそう。
 ダンスパフォーマンスと効果音がかっこいい。振り付けはジェフリー・ホーナディ。マイケルのダンスが3Dで迫ってきます。当時、最高峰の超高額であろう3Dカメラで撮影しただけある。
 楽曲とProduceもマイケルの手によるもの。クインシーは絡んでいません。単体の曲としてはちょっとクオリティーは落ちる気がしますが、ダンスとのフィット感は抜群です。
 エンディングは『BAD』にも収録される「Another Part Of Me」です。
 『スターウォーズ』シリーズを見てもわかるように旧3部作と新3部作の映像技術の進歩はすさまじいものがあり、旧SW的な映像の『キャプテンEO』は時代を感じさせる部分はある。
 しかしマイケル・ジャクソンのダンスとボーカルは、27年たっても色褪せないという凄さ。そこがすごい。
 USAとパリでは現在でも続いているらしい(現在の詳細は不明)。
 
2位 2Bad   From『Ghosts』 (97)

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 93年の少年の父親にしくまれた虚偽の告発で、マイケルをとりまく環境は一気に変わりました。マスコミも、それまでのおもしろおかしいゴシップレベルではなく、個人の人格や精神をもさえも破綻しかねない誹謗中傷をマイケルに対して行います。
 必要以上に、繰り返しこういうニュースが流れると、洗脳というかそういう見方で見てしまうとこはある。おれでさえ、もしかしたら何か変な事があったのかと思ったことはありました。そこはほんとマスコミ、マスメディアの恐ろしさ。
 こうした逆境の中で、マイケルが対抗できるのはやはり歌とダンスしかなかったわけです。
 それがアルバム『History』(95)であり、この『Ghosts』というカンヌ映画祭にも出品された作品だったのではと思います。
 スティーブン・キングとマイケルによる脚本。ユーモアと皮肉さもちりばめつつ、マイケルの思いがしっかりと込められている。
 作品の中で、「本当に醜い心をしているのは誰だ!」というシーンは多くの人の心に突き刺さったのではないでしょうか。そして、「そんなに出て行け!というのなら消え去ろう」とマイケルは自分の体を粉々に砕くシーンまで我々に見せるのです。そういう悲痛なメッセージもひしひしと感じる作品ですが、やはりエンターテイメント作品としても最高級です。ゴシック調のファンタジー感もマイケルの好む世界観なんだと思う。
 マイケルの集団ダンス作品としては最後のものとなりました。
 これまた今まで見たことのないTasteのダンスが、ダイナミックでスピーディーなダンスが圧倒的な迫力で次々迫ってくる。これまた相当難易度高い。
 楽曲は「2 Bad」。95年発売の『History』に収録されていた曲ですが、2年後こうしてダンスとともに登場するとは思わなかった。アルバムではあまり聞いていなかったけど、『ゴースト』を見てから一気にリピート度が増したという単純なオレ。
 振り付けはラヴェル・スミス、トラヴィス・ペイン。トラヴィス・ペインは「This Is It」に統括振付師としても参加。
 当時、もっと話題になってもよかった作品なのですが、この映像作品(ビデオテープ)を含むBOXセットもけっこう急な発売(97年12月)だった。今でもこのBOXセットはかなりのレアアイテムになっている。当時、世の中のマイケル熱は冷え切っていたので、あまり話題にならなかったのかもしれません。それでもマイケルファンであった人はしっかりこの貴重なBOXセットの発売情報をつかみ、定価の5,300円で購入したに違いない。
 近年、WOWOWでも放送されたのもあり(おれのBlogもけっこうアクセスされた)だいぶ認知された作品ではあるけど、『スリラー』ほどは知られていない。
 マイケルのすばらしいダンス作品は80年代だけではありません。さらに進化した作品が97年に登場しているのです。
 
1位 Thriller  from 『Thriller』 (84) 

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 やはり1位はスリラーになってしまいました。老弱男女、そして世代を超えて多くの人を虜にした作品。BEST HIT USAのマイケル特集でも、親が子にみせたいマイケル作品の1位だった。
 「スリラー」には中毒性がある。
 この作品のオカルト的な要素が、当時マイケルが信仰していた宗教団体から非難をうけます。子供にも悪影響を与えるのではないかという事で、専門家による調査もされるのですが、その結果が興味深い。子供は怖がるのだけど、また見たいと思うようになるのです。病み付きにさせるのです。これは確かに私も感じます。何度この作品を見た事でしょう。まーたいていのダンスビデオは数回見たら飽きてしまう。ここまで中毒的な症状をさせる映像もそうないと思います。そこも「スリラー」の凄さ。
  「スリラー」はアルバムが発売された82年当初、シングルカットもビデオも考えられていなかった。発売当時、このアルバムのもつ未知の可能性をマイケル自身も想定してなかった感じ。
 やっぱ今見ても古臭くない。31年間見続けてきた。今でもマイケル・ジャクソンに最高に憧れたあの頃を思い出す。
 09年には歴史的財産としてアメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に記載された。エンターテイメント作品が芸術作品、人類の遺産作品にもなった。
 そして2017年11月、3D作品としてまた世に登場した。
 見た方の感想は、全然古臭ささは感じず圧倒的な迫力でマイケルとゾンビ軍団のDanceが展開されると。今回は限定公開となっていますが、今後の動きに期待です。

 以上がマイケルの9つの集団ダンス作品でした。
 『HISTORY』以降、集団ダンスはなくなりました。『Invincble』収録の「Unbreakable」のショートフィルムが制作されていたらどんな感じだったんだろうって、すごいインパクトだったろうなって今でも思う。
 そして『This Is It』もマイケルとバックダンサーとのダンスが満載。リハーサルなのにこのクオリティーです。
 マイケルは世紀のスーパースターと言われますが、このような作品を生み出せるアーティストはもう出てこないでしょう。
 最高の曲を書き、最高のボーカルで歌い、最高の企画を生み出し、最高のダンスをする。それらがパーフェクトに調和するのです。
 生み出すまでの苦労はいかほどのものだったでしょう。我々は知る由もありません。
 今回は、群舞系Danceのみセレクトしましたが、「スクリーム」「In The Closet」「ビリージーン」「Who Is It」「Leave Me Alone」(グラミー受賞)「Black Or White」「You Rock My World」etc・・・他にも傑作ショートフィルムがまだまだあるわけですから。
 マイケルはまさに人類の宝でした。音楽とダンスを見事に融合させ、我々に視覚的な楽しさも教えてくれた。そしてこうしてこれらのすばらしい作品群とともに多くの人々の心の中で生き続けていると思います。


★マイケルの映像作品の決定盤!ただし「キャプテンEO」と「Ghosts」は入っていません。

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◆ Find Me A Girl / The Jacksons (77)  マイケルのDEEPなボーカルに酔いしれる [楽曲エピソード]

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 与えられた音楽だけでなく、自分たちで音楽を作りたいという欲求が抑えれないジャクソン兄弟は、モータウンからエピックソニーへ移籍します。しかし、エピックもいきなりすべてをジャクソン兄弟に委ねるリスクを侵せず、前回紹介したように、当時の売れっ子プロデューサー、フィリーソウルのギャンブル&ハフにプロデュースを任せます。

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 前作、ジャクソンズ(ジャクソンファイブという名称はモータウンに帰属していたので使えなくなります)としての1st『The Jacksons』は、シングルヒットはでたものの、モータウンでデビューした時のようなビルボード1位を獲得するような勢いではありませんでした。
 Top ProducerのJam&LewisやBabyfaceも述べていましたが、ビックアーティストを手がけるのは魅力的だがセールスが振るわないと失敗といわれ、プロデューサーとしての評価もおとしてしまうリスクもあると。
 ジャクソンズの「Enjoy Yourself」もオージェイズや、ジェリー・バトラー、ビリー・ポール等とならんでギャンブル&ハフのヒットコレクションに加わりましたが、ギャンブル&ハフもトッププロデューサーとしてのプライドもかけ、さらなるヒットをねらい引き続き2nd『Goin Places』を製作します。

ゴーイン・プレイシズ~青春のハイウェイ

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 路線は、ほぼ1stの延長。アップ曲が増えた印象ですが、全体的な感触は1stと似てる。ストリングスとホーンを基調としたフィリーサウンドというものが、もともとそんなに幅が広くない気はします。
 このアルバムからは、タイトル曲、ギャンブル&ハフにしては高速ピッチの「Goin’ Places」がカットされますが、R&Bで8位。Hot100では52位止まり。
 続く2nd「Find Me A Girl」(僕のガールフレンド)がR&Bで38位にチャートインしたのみ。
 
 「Find Me A Girl」はヒットはしませんでしたが、個人的にはすごく好きなバラードです。リリックがすごく好き。恋する人なら誰もが抱くすてきな娘を求めるSweetで切ないリリック。ジャクソンズとしてのボーカルワークも素晴らしい。ティーンエイジャーのマイケルのボーカルも『スリラー』での「Lady In My Life」を思わせるDeepでちょっとJazzyな大人びた感じもする。

 このジャクソンズとしての2ndはセールスも振るいませんでした。トッププロデューサーのギャンブル&ハフが手がけ、楽曲もいいし、平和を訴えるメッセージソングも折り込んだ。リードボーカルはマイケル・ジャクソンなわけですから、アルバムの完成度が悪いわけはないのですが、ヒットには結びつきません。
 ファンは、もっとファンキーでエネルギッシュなジャクソンズを求めていたように思います。
 フィリーサウンドは、黒さはうすくエレガントでPOP感が強い。エピックとしては、ジャクソン兄弟をR&Bのフィールドだけでなく白人層でも受けるスタイルをねらった。
 その辺りのズレも生じたのかもしれません。

 マイケルも、「フィリーサウンドとジャクソン兄弟の相性が悪かった」と。偉大なプロデューサーの評価を自分たちが落としてしまったかもしれないとまで述べています。
 ギャンブル&ハフも、トッププロデューサーの維持もかけて今作に臨みますが、彼らが力を入れれば入れるほどフィリー色が強まりジャクソンズのカラーが失われていく感じです。まだジャクソン兄弟は、フィリースタイルに染まるには若すぎたのかもしれません。
 ここでふと思うのが、ジャーメインがジャクソンズに残っていたらというIF(仮定)です。ジャーメイン自身もモータウンでのソロアルバムで、スティーヴィー・ワンダー制作の「Where Are You Now」の他フィリーソウル風の曲も数多く歌っていていい感じに仕上がってる。もともと、ちょっと大人よりのこのサウンド、ジャーメインがアルバムでマイケルとリードを分け合っていたら相乗効果を生んだかも知れない等と思いました。
 ギャンブル&ハフはプロデューサーとしてだけでなくライターとしても素晴らしい。これらの曲をクインシー・ジョーンズなんかがProduceしたらすごくいい感じじゃないいかな。

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 フィラデルフィアソウルは、世界の音楽シーンに影響を与えた。フィリーソウルというカテゴリーを確立したといってもいいと思う。なじみやすいこのスタイルは日本の音楽シーンでもいまだに垣間見れる。
 ジミー・ジャムもフィリーサウンドにはかなり影響受けたと述べています。
 その功績において、ギャンブル&ハフはグラミー賞において、音楽での経歴の中で重大な貢献をした者に授与される「特別功労賞理事会賞」(受賞者にあのエジソンや、スティーブ ジョブズ、ジョージ・マーティン、ベリー・ゴーディー、クライブ・デイヴィス等、いずれジャム&ルイスも授与されると思う)も受賞。 

 そうは言ってもレコード会社的には、“相性が悪かった”ではすまない状況でした。モータウンからドル箱アーティストを獲得したと思ったら、実は落ち目のグループだったのでは、という評価に変わりつつありました。
 この作品の後、意志の人マイケル・ジャクソンは父親とともに行動をおこします。このときマイケルは19歳。
 マイケルは、ギャンブル&ハフとの限界を感じていました。そして、エピックの幹部とセルフ・プロデュースを勝ち取る為の交渉をします。このとき、エピック側はトッププロデューサーをつけているのに結果をださないジャクソン兄弟との契約を打ち切ることも考えていたといいます。
 しかし、前作でマイケルが単独で書き、ジャクソン兄弟が中心になって制作した「Blues Away」の完成度の高さや、ティトのリズムギターもナイスでFloorでうけた今作の「Diffrent Kind Of Lady」。そうしたジャクソン兄弟の確かな音楽性とマイケルの熱い思いが通じ、ついに次作でジャクソン兄弟に全面製作を任すという決断にいたります。
  
 セールス的には結果の出なかったギャンブル&ハフとの付き合いはこの後、途切れていたわけではないようで、近年もマイケルのから連絡が入り相談を受けていたと聞いて少し驚きました。
 レコーディングの際も、興味津々のマイケルをいつもスタジオに招いていたといいます。マイケル・ジャクソンのソロでの成功は、クインシー・ジョーンズの名前が一番に出ますし、その通りなのでしょうが、このギャンブル&ハフからも相当なものを吸収した感じです。
 マイケルとジャクソン兄弟は、念願のセルフプロデュースの権利を得ます。
 しかしそれはジャクソン兄弟にとってもはじめて与えられたチャンスであると同時に、失敗は許されないラスト・チャンスでもありました。
 そして、78年、ジャクソンズにとって、そして何よりもマイケル・ジャクソンにとっても転機となる運命の作品が発表されます。そのタイトルは、『Destiny』(運命)。

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◆ Blues Away / The Jacksons (written by マイケル・ジャクソン) from『The Jacksons』(76) [楽曲エピソード]

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 76年11月、ジャクソン兄弟はモータウンからエピックソニーへ移籍し、ジャクソンファイブからジャクソンズと改名しアルバムを発表します。5人編成に変わりはありませんが、三男・ジャーメインはモータウンに残り、末弟ランディー(15歳)が加入しています。
 ジャクソンファイブ時代は、マイケルの天才的なボーカルと兄・ジャーメインのソウルなボーカルと、兄弟との抜群のコンビネーション&パフォーマンスで大ブレイクします。
 アイドルグループ的な存在でもあり、ティーンエイジャーの女の娘に追いかけられていたのは、三男・ジャーメインや長男・ジャッキーでした。マイケルは、まだセックスシンボル的な役割を担うには幼すぎましたから。
 その中で、少年から大人へ、アイドルからアーティストへ変貌できずに消えていくグループがいかに多いか。ジャクソンファイブも、その岐路にたってました。この時、長男のジャッキーは25歳、マイケルは18歳。
 アーティストへと進化すべく模索するも、ジャクソン兄弟の創作活動に許可を与えなかったモータウンから離れエピックソニーへ移籍しての作品です。
 しかし、エピックも最初からすべてを若いジャクソン兄弟に委ねるリスクはできず、当時シーンを席巻していたフィラデルフィア・サウンドの創始者ギャンブル&ハフに指揮を任せます。モータウンで培ったR&BとPOPで都会的なフィリーサウンドを融合させ、白人層も含めた幅広いターゲットの獲得をねらいます。
 フィリーサウンドは、ストリングスと甘いメロディーが印象的。個人的には青空をイメージさせるサウンドとキャッチーなメロディー。 

ザ・ジャクソンズ・ファースト~僕はゴキゲン

ザ・ジャクソンズ・ファースト~僕はゴキゲン

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 1stシングルのダンサンブルでキャッチーな「Enjoy Yourself」はHot100-6位/R&B-2位。さらにミリオンセールスを記録。チャート上は6位でもミリオンという所に、新生ジャクソンズに多くの人が注目していたのがわかる。リードのマイケルのボーカルも躍動感に満ち溢れています。
 MTV前の時代ですが、この曲のビデオクリップが制作されています。Music Videoが珍しい時代にレコード会社もジャクソンズの売り出しに力を入れているのがわかります。そもそもこの制作の提案は、マイケルからも出されていたのかも。(下部のAMAZON広告『VISION』にも収録)
 2ndの「Show You The Way To Go」は、大人Tasteも感じる曲ですが、Hot100-28位/R&B-6位と思ったより伸びず。しかし、マイケル自身はこの曲でのボーカルスタイルに自信をもっており、自分たちのカラーも出せたと思っていました。思ったよりヒットしなかったのは意外だったそう。
 英国では1位を獲得します。
 いい曲で、私も好きな曲です。マイケルも好きなのがわかる世界観だしマイケルの何とも言えないエモーショナルなボーカルにも魅了される。後にTeddy RileyがボーカルグループMen Of Vizion(96)でいい感じでカバーしたし、Teddyのグループ→BLACKSTREETでマイケルと共作したR&B的佳曲「JOY」も「「Show You The Way To Go」の世界観にインスピレーションを受けていると思う。  

Joy

Joy

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Atlantic / Wea
  • 発売日: 1995/03/21
  • メディア: CD

 最終的にこのアルバムからは、シングルは2曲しかカットされませんでした。しかし、アルバムにはシングル化されていない素晴らしい曲もあります。
 マイケルがすごく気に入っているのが「Dreamer」(夢おい人)。これも切ないメロディーとボーカルが印象的です。マイケルも、自分の思いをギャンブル&ハフが歌にしたようだといいます。マイケルもギャンブル&ハフの曲作りの手法(旋律の美しさ)がすごく勉強になったと述べています。
 
 ジャクソン兄弟はアルバムに2曲だけ自分たちの曲を収録する権利をえます。
 その2曲とも素晴らしい仕上がりだと思います。その1曲がマイケル自身が単独でペンをとった「Blues Away」。この曲こそ、『スリラー』や『BAD』の原点の原点。(原点は「Shake Your Body」と「Heartbreak Hotel」だと思っています)
 マイケル・ジャクソンが一人でリリックとメロディーを仕上げ歌った曲。
 すでにイントロのピアノのリフにマイケル色を感じますし、所々でみせる息使いにその後のボーカススタイルも垣間見れる。明るさの中にも切なさを感じる素晴らしい曲だと思います。
 マイケルのリリックは普通のティーンエイジャーと変わりないLove Songです。マイケルには少年時代どころか恋する切なさを感じる青春時代もなかったのではないかとふれたことがありますが、この曲のリリックを見てそんな事はなかったんだなと感じました。
 マイケル的、フィリーサウンドという感じで素晴らしい仕上がりだと思います。
 あと、ジャクソン兄弟がもう1曲てがけた「Stlye Of Life」もいい曲です。
 この曲は次男のギターリストとしても参加している二男・ティトが中心になって作り上げたジャクソン兄弟のエネルギーを感じる曲です。
 ギャンブル&ハフは間違いなくいい仕事をしています。
 しかし、ジャクソンズはジャクソンズのカラーが、マイケル・ジャクソンのカラーがありました。フィリーサウンドの甘く切ない流麗なサウンドに染まれば染まるほど、自分たちのカラーがうすれてしまういうジレンマも感じるのです。
 ジャクソンズとして、シングルヒットも出て、アルバムもゴールド(50万枚)を獲得。(アルバムチャート最高位はR&B-6位、POP-36位)。最低限ラインはクリアしていると思いますが、モータウンでデビューした頃のNo1ソングを連発するという勢いはない。マイケルやジャクソン兄弟、多額の契約金を払ったレコード会社も満足はしなかったと思います。
 そしてヒットメイカーであり当時のTOPプロデューサー(今で言うジャム&ルイス的なポジションか)としてのギャンブル&ハフも納得のいかない結果だったようです。彼らも意地をかけて2ndアルバムも手がけます。 (つづく)

☆「Enjoy Yourself」(「僕はゴキゲン」の貴重なMVも収録したMJの究極の映像集!
マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(D)
  • 発売日: 2011/10/17
  • メディア: DVD
 

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◆ First You Laugh、Then You Cry ~微笑みと涙~ 第10回東京音楽祭 金賞受賞曲 シンガー・ソング・ライター ジャーメイン ❸ [ジャーメイン・ジャクソン]

                     オリジナル2009.12,11Upに大幅加筆firstl.jpg

 『Let’s Get Serious』のヒットで、兄弟と離れモータウンに一人残ったジャーメインも意地をみせたと思います。多くの人も、ジャクソンのもう一人のリードボーカリストの存在も強く認識したに違いない。
 ジャーメインも、このヒットである意味失いかけていた自信も取り戻したかもしれない。その勢いに乗りジャーメインは次のアルバムの制作にすぐにとりかかり、『シリアス』から1年も空かず、80年1月にニューアルバムを発表します。タイトルは、『Jermaine』(邦題・愛の瞬間)。

 「Let's Get Serious」は大ヒットしましたが、曲を書き、プロデュース、さらにバックボーカルにも参加したスティーヴィー・ワンダーの力が大きい作品でした(でも間違いなくジャーメイン色に塗り替えているけど)。メディアも、スティーヴィーの力で男になったジャーメインと評するものもあった。
 そういった声を払拭すべく、すぐに次作に取り掛かった感もあります。そしてタイトルも自身の名前を冠してる。ジャーメインの思いを感じまくります。
 このアルバム『Jermaine』は、ジャーメインのマルチな才能が注ぎ込まれています。ボーカルはもちろん、作曲、アレンジ、プロデュースもジャーメイン自身でしている。
 そしてジャーメインが楽器も演奏する。ジャクソンファイブ時代は、ティト(二男)がギターでジャーメインはボーカルとベースも担当していました。キーボードも弾ける。実はかなりマルチな才能の人なのです。
 今作の楽器のクレジットも、ベース、ピアノ&エレクピアノ、パーカッション、ギターとある。
 スティーヴィーの力を借りずとも、他のタレントの助力を得なくとも、自分ですべてを仕切れるという所をみせたいというジャーメインの熱い思いを感じます。

 アルバム収録は9曲。ジャーメインは7曲で単独、共作を含め曲を書いています。残りの2曲は義父でもあり、モータウン社長のベリー・ゴーディーがプロデュース。この後、ドンドン売れっ子になっていくポール・ジャクソンJrも参加。この後もジャーメインのブレイン(特にアレンジャーとして)として活躍します。ハービー・ハンコックもシンセで参加している。
 このアルバムからの1stシングルはジャーメインと前述のポール・ジャクソンとの共作。「Little Girl Don’t You Worry」。R&Bで17位となります。シャッフルリズムで、ジャーメインのファルセットとファンキーなボーカルが魅力的。ただちょっと曲にキャッチーさが足りないかも。つかみはうすい。でも聞いていくとドンドン味が出るという感じ。
 2ndは「You Like Me Don’t You」。ジャーメイン単独のライティング。チャート的にはR&Bで13位(Hot100-50位)。こういうソフトなミディアムはジャーメインに一番あう気がする。ファンの間でも、チャート以上に人気のある曲。ジャーメインもお気に入り曲なのか、84年のVictory ツアーでも歌われた曲。このツアーのメインは、やはりマイケルですが、その中でジャーメインは3曲任されますがその1曲。他の2曲は「Let’s Get Serious」とマイケルとのデュオ「Tell Me I’m Not Dreamin」。
 90年の来日公演でも「You Like Me Don't You」は歌われました。当時、ジャーメインのモータウン時代のアルバムも聞き込んでいたおれは、周囲の大多数のにわか(爆)と思われる人たちとは違い、「おれはあなたの曲をほとんど知ってるよ~」と目の前のジャーメインに口ずさんでいる姿を見せ必死にアピールしてたのを思い出します。
 「All Because Of You」も後の「プレシャス・モーメンツ」(86)にも通じるジャーメイン作らしい曲だと思います(なぜ邦題が「愛の瞬間」かは不明ですがっ。フリオ・イグレシアスの同じタイトルのヒットアルバムのパクリか)。

 私がこのアルバムで一番好きな曲は、「First You Laugh、Then You Cry」(邦題「微笑みと涙」)、すごくドラマッチックでひきこまれる感動的なバラードです。シンガーソングライターのノリです。
 曲を書いて(後、楽器も自演するイメージも強い)歌う人をシンガーソングライターというと思いますが、まさにジャーメインは、実はシンガーソングライターだと思います。
 そういう意味では、マイケルも自分で曲を作り歌うのでシンガーソングライターだと思いますが、おれの中では自分で楽器も弾く人をシンガーソングライターって思ってしまう。
 さらにそういう意味では次男、ティトともバリバリのシンガー・ソング・ライター。去年出たアルバム『Tito Time』は、まさに曲も書き、演奏して歌うティトの才能が凝縮されたアルバム。
 ジャネットも曲も書ける。こうしてみるとジャクソンファミリーの音楽的才能のDNAはとてつもないなとあらためて思ってしまうわけですが。
 
 脱線しましたが、この「First You Laugh、Then You Cry」は、シンガーソングライター、ジャーメインの魅力を十二分に感じる曲です。アコースティックなサウンドに美しいメロディーがのる。そして、ジャーメインのボーカルが素晴らしい。出だしは抑え気味なソウルな感じですが、中盤から徐々にエモーショナルになり、後半に感動的な盛り上がりをみせる。繊細なリリックも引き込まれる。
 この曲は、チャートデータを見るとシングルカットはされていないのですが、日本でシングル化されているようなのです。そのきっかけが東京音楽祭(TBS主催で72年から92年まで開催された音楽祭)という華やかな音楽祭の第10回大会(81年3月に開催)にジャーメインは招待され、この音楽祭用に「First You Laugh、Then You Cry」(微笑みと涙)を歌うのです。
 この東京音楽祭なるもの、92年まで開催とあるけどあまり記憶にない。当時は、日本でもレコード大賞と並ぶ権威ある音楽祭だったようです。
 あらためて調べてみると、この時もゲストとしてスティーヴィー・ワンダーが招かれているし、審査員も日本の業界関係者だけでなく、MCAレコード等、アメリカの音楽会社の社長や、イギリスやフランスの著名な業界関係者も加わっているという。この年日本から参加した、もんた&ブラザースが、スティーヴィー・ワンダー賞を受賞してるし、中途半端な実力なアーティストには声はかからない感じ。
 いろいろ調べていたら80年代の東京音楽祭見たくなった。でも参加基準や、評価基準がまったくわからない(爆)。でも国内アーティストではなく著名な海外アーティストも招いたすばらしいものにしたいというコンセプトと熱意は感じる。
 この時のジャーメインの熱唱もみてみたい。きっとマイケル・ジャクソンのお兄さんという紹介をされたのでしょうがっ。ジャーメインも参加したこの時の音楽祭は、20組のアーティストが集い、グランプリを競います。
 ジャーメインは本国ではシングル化されていない「First You Laugh、Then You Cry」(微笑みと涙)で参加し、グランプリに次ぐ金賞に輝きます。(グランプリは英国の人気姉妹グループ、日本でも人気のあったノーランズ)。この受賞にどれだけの価値があるかは不明です(爆)。
 きっとジャーメインの受賞コメントもあるんだと思いますが、映像がYOUTUBEにもないんだよな~。

 『Let's Get Serious』の後のジャーメインのアルバム『Jermaine』。
 前作のようなビックヒットにはなりませんでした。アルバムもR&B-17位(POP-27位)となります。
 アルバムには、シングル以外にも、「Let's Get Serious」を意識した「The Pieces Fit(恋はパズル)」や「You’ve Changed」、「Beautiful Morning」という透明感あるインストのような曲も魅力的。シンガーソングライターともいえるジャーメインらしさがつまったアルバムだと思います。(残念ながらアルバムはCD化されていません。いくつかの楽曲は下記BEST盤で聞けます)

 マイケルと兄弟たちは80年10月に『トライアンフ』を発表し、マイケルのソロ作『オフ・ザ・ウォール』からの曲で構成された“トライアンフ・ツアー”に全米は熱狂します。

トライアンフ

トライアンフ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 ジャーメインはどんな思いで兄弟たちを見ていたのでしょうか。その思いがジャーメインの次作のテーマとなります。(つづく) 


Spectrum Collection

Spectrum Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD
Greatest Hits & Rare Classics

Greatest Hits & Rare Classics

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Motown
  • 発売日: 1991/02/26
  • メディア: CD



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◆ Let’s Get Serious / ジャーメイン・ジャクソン ❷ (80)   [ジャーメイン・ジャクソン]

                                                                       オリジナル2009.11.13Up

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 ジャーメイン・ジャクソンにスポットを当てた2回目です。5人の兄弟で結成したジャクソン・ファイブでマイケルとともにリードボーカルを担当し、人気も二分してたジャーメイン。その甘いルックスとソウルなボーカルで兄弟の中でも一歩抜きでた存在でした。当初、女の娘に一番キャーキャー言われていたのはジャーメイン。マイケルはまだ幼かったですから。
 モータウンレコードからデビューしたジャクソン・ファイブ。69年11月から75年11月の約6年間で、R&BでのNo1は6曲。Hot100では4曲。その4曲もデビューシングルから連続のNo1ヒットという伝説を作ります。
 そんな順風満帆だったモータウンとの関係もセルフ・プロデュース権と(ストレートに言えば)ギャラのUp要求でもめてきます。
 何よりもジャクソン兄弟は自分たちの音楽を作りたかった。しかし、モータウンはまだジャクソン兄弟にすべてを任せるのは時期尚早という見解でした。そして、75年夏、父・ジョーの主導のもと、ついにジャクソン兄弟はモータウンを離れる決断をします。
 
 その時、非常に難しい立場にいたのが三男のジャーメインでした。
 彼は、73年12月に、モータウンの社長、ベリー・ゴーディーJrの娘ヘイゼルと盛大な結婚式を挙げます。そこにはモータウンのビックスターも出席していました。

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 周囲は、ジャクソン家とモータウンの絆はますます深まると思っていましたが、すでにこの頃から父親のジョーはモータウンを離れる決意を固めていたようです。
 ジャーメインは、他の兄弟全員が新たなレーベル、エピックと契約を済ませた後に、父から契約書にサインするように言われます。突然の提示にジャーメインも困惑したようです。
 ジャーメインとヘイゼルは政略的な意味合いで結婚したわけではありません。ジャーメインが15歳の時レコードセッションで出会い、お互い愛し合い4年の歳月を経て結婚したのです。ジャーメインは、自分たちを育て上げスターにしてくれたモータウンに強い恩義を感じていました。その事をジョーに言うと激怒されたみたいですが。
 ただマイケルたちも、モータウンの恩に報いるほどのヒットを産み、貸しはないという思いもありました。このまま断固としてセルフプロデュースを認めないモータウンにいても未来が切り開ける状況ではありませんでした。
 
 ジャーメインは、最終的に自分で「モータウンに残る」決断をします。モータウンへの恩義もあったと思いますが、彼の心を大きく揺るがしたのが、社長であり義父でもあるベリー・ゴーディーJrの、「ジャーメインを全力でモータウンのスターにする」という言葉ではなかったのではないかと思います。
 ジャクソン・ファイブのリードボーカルは、マイケル・ジャクソン。ジャーメインはセカンドボーカリストでした。
 2人のリードボーカリストの存在がジャクソンファイブを魅力あるグループにしたと思います。ただあくまではリードは天才マイケル。ジャーメインが、マイケルをおさえてジャクソンファイブのメインボーカリストになる事は難しかったと思います。セカンドボーカルのポジションに居続ける事も彼の中で納得いかなかったのではないでしょうか。
 
 76年、ジャクソン兄弟とジャーメインは別々の道を歩みはじめます。
 ジャクソンズから離れてはじめてのジャーメインのソロ『My Name Is Jermaine』が発売。そこからの「Let's Be Young Tonight」がカットされます。チャートとしてはHot100‐55位、R&B-19位。
 その後1月遅れて、ジャクソンズはエピックからの最初のシングル、当時のTop プロデューサーギャンブル&ハフと組んだ「Enjoy Your Self」を発表。


ザ・ジャクソンズ・ファースト~僕はゴキゲン

ザ・ジャクソンズ・ファースト~僕はゴキゲン

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 どちらも再スタートを祝うかのような明るいダンサブルな曲ですが、結果は、Hot100‐6位、R&B2位となったジャクソンズの圧勝となります。ジャクソンズのファーストアルバムはゴールドを獲得します。
 77年、ジャーメインは4枚目のソロアルバム「Feel The Fire」を発表。
 ジャクソンズもエピックでの2枚目の「Goin' Places」を発表(引き続きギャンブル&ハフの製作)。
 
ゴーイン・プレイシズ~青春のハイウェイ

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 ジャクソンズはタイトル曲がヒットしますが、全体的には両サイドともビックヒットにはめぐまれず。
 78年、ジャーメインは5枚目のアルバム『Frontiers』を発表。ここからは自身でプロデュースもしファルセットで挑戦して見事な七変化ボーカルをみせる「Castles Of Sand」がR&B‐38位。
 一方、ジャクソン兄弟は奮起、3作目にして全面製作を任された『Destiny』がミリオンセラーを記録する大ヒット。

デスティニー~今夜はブギー・ナイト

デスティニー~今夜はブギー・ナイト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 マイケルとランディーによって書かれた「Shake Your Body」(HOT100-7位/R&B-3位)はミリオンセールスを記録します。この曲のアプローチ方にマイケルは確かな手応えをもち、ソロとしての自信も深めた。ソロとしてジャーメインは、大きく兄弟にひきはなされます。
 そしてさらに79年、マイケル・ジャクソンは兄弟から離れクインシー・ジョーンズと組んだ『Off The Wall』を発表。
 
オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)

オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: CD
 
 先行シングルの「Don't Stop 'Til You Get Enough」が7月にチャートの1位に登りつめます。 
 そんな中、ジャーメインはスタジオに入りアルバムの製作を始めます。『Off The Wall』からシングルがヒットが次々生まれる中、ジャーメインはひたすらレコーディングに集中します。
 そして翌80年、ジャーメインはレーベルメイトの天才スティービー・ワンダーの力も借り『Let's Get Serious』を完成させます。このときジャーメイン26歳。
 
レッツ・ゲット・シーリアス

レッツ・ゲット・シーリアス

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2013/10/16
  • メディア: CD
 
 ここから「レッツ・ゲット・シーリアス」がカットされ、ついにビックヒットを記録します。
 マイケルの『オフ・ザ・ウォール』からの第4弾シングル「She Is Out Of My Life」がヒットしてる中、「Let's Get Serious」はR&Bで1位になり、6週Keepします。Hot-100でも7位を記録します。
 アルバムもヒット。R&Bではもちろん1位。POPチャートでも6位となります。グラミーの最優秀男性R&B歌手にもノミネートされます。
 さらに最終的に「Let's Get Serious」は80年ビルボード年間R&B-No1シングルにもなります。そして2位となったのが弟マイケルの「Rock With You」でした。
 このチャート結果はなかなかドラマティックなものを感じます。R&Bでのジャーメインの人気の高さをあらためて感じます。年間No1、R&Bシングルですからね。
 
 当時の状況を知らないので推測にしかすぎませんが、このアルバムは、まさにジャーメインにとっての背水の陣ではなかったのではないかと思います。
 ジャクソンズの『Destiny』がビックヒット。そして勢いに乗る弟・マイケル・ジャクソンが、『オフ・ザ・ウォール』から「Don't Stop 'Til You Get Enough」と「Rock With You」というメガヒットNo1シングルもだし、ジャーメインにかかるプレッシャーは生半可なもんではなかったと思います。
 そのような重圧の中、彼はスティービー・ワンダーの力も借り、ひたすらレコーディングに集中します。スティービーにもジャーメインの熱い思いが伝わったのでしょう。彼が他のアーティストにこんなにも力を貸すというのも異例な事だと思います。
 もともとこの曲は、スティーヴィー自身の曲だったみたいなのですが、ベリー・ゴーディーがジャーメインに歌わせろという事になり、彼の歌となります。ラブソングですが、このタイトルはジャーメインなりの意地とプライドが垣間見えるような気がします。「そろそろ本気(まじ)にならないとな」という。
 この曲はスティービーの独特の黒さとファンキーさとジャーメインの洗練された都会的なそしてソウルなボーカルが見事に融合してる気がします。キャッチーなメロディーと押し寄せる骨太のGrooveにもぐいぐいひきこまれます。スティービーはバックボーカルにも参加。さらに、アルバムの2曲をProduce。
 この後、クインシーと組んだマイケルに対抗して、ジャーメインはスティーヴィーと組んだ構図がよくライバル的なニュアンスで言われます。
 
 私はジャーメインのソロアルバムは、この作品から聞いています。アルバムチャートで6位まで上がったこのアルバムも素晴らしいと思います。収録曲は7曲。当時はLPですから、A面に4曲、B面が3曲。以前は数万のプレミア価格がついていましたが、再販され適正な価格で購入できると思います。
 マイケルの作品と比べてジャーメインの作品はソウル色が強い。そこがポップフィールドで苦戦する理由かもしれませんが、このアルバムは、ジャクソン抜きにしてシンプルに80年代R&Bの名盤としてソウルファンの評価が高い。マイケルやジャクソンズにないジャーメインだけの魅力を感じる歌心があり、踊れるアルバムでもあります。
 シングルヒットは、タイトル曲のみでしたが一般的にはジャーメインを語る上で一番に出てくるアルバムだと思います。ただジャーメインにも歴史があります。「レッツ・ゲット・シリアス」だけで片付けられるアーティストではないのです。(つづく)
 
Ultimate Collection

Ultimate Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hip-O Records
  • 発売日: 2001/06/26
  • メディア: CD
Spectrum Collection

Spectrum Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD

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