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◆ Triumph (トライアンフ) / The Jacksons (80) マイケルのソロ作のようなジャクソンズの4thアルバム [アルバムレビュー]

                                                                       original 2009.11.4Upに修正・加筆

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 これまでジャクソンズの作品は曲をPick Upして紹介していましたが、この80年10月に発売された『TRIUMPH』はアルバム全体を語りたいと思います。ジャクソンズのアルバムタイトルってちょっと大袈裟な感じがする。ただこういうタイトルをつけた心境はわかります。特に今作の「トライアンフ」の意味は強く感じます。
 ギリギリの所まで追い込まれたジャクソン兄弟が見事に勝利し、喜び勇む感じです。
 凱旋という意味合いが強いかもしれません。そこには前年に発表されたマイケルのソロ作『オフ・ザ・ウォール』の成功ももちろんあると思います。
 
 モータウンからエピックへの移籍、ギャンブル&ハフの元で制作した2作品はその実力に見あったビックヒットまでには至りませんでした。そんな中、念願のセルフプロデュースで臨んだまさに運命の作品、『Destiny』(78)を発表します。この作品が認められなければジャクソンズとしての活動は終わっていたかもしれません。あるいはマイケルのその後の活動にも大きな影響を及ぼしたかもしれません。しかし、『ディスティニー』は「Shake Your Body」という大ヒットをうみアルバムも売れ、作品の評価も得ます。
 さらに翌79年、マイケル・ジャクソンのソロ作『Off The Wall』のメガヒット。まさにこの作品はKing Of R&B。その勢いに乗ったまま80年10月にジャクソンズのエピックでの4枚目のこの作品が発表されるわけです。いろいろな意味で勝利したジャクソン兄弟の成功の喜びがタイトルになります。
 
 さらにもう一つの勝利として六男ランディの車の事故による大怪我からの復帰があります。
 『トライアンフ』製作中に、ランディは自損事故をおこし車は大破。左足に大怪我をし脚の切断もありえる事故に直面します。幸い切断をせずにすんだようですが、下半身付随の可能性、歩く事、ましてやステージで踊る事など無理と宣告されたそうです。しかしPositiveで不屈の精神をもつランディは、リハビリを続け、奇跡的な回復をみせ1年4ヵ月後ツアーに復帰することになるのです。
 
 この作品は82年末に発売される『スリラー』の前の作品でもあるわけで、ある意味とても興味深く意義ある作品でもあります。この『トライアンフ』の中心は、マイケル・ジャクソンです。
 マイケルのソロ作品に近いものがあります。9曲中6曲の曲を書き、リードボーカルは8曲。
 マイケルが単独で書いた「This Place Hotel」(Heartbreak Hotel)もあります。
 クインシー・ジョーンズの総指揮の元制作した『Off The Wall』で得たものをこの作品で試している感じもします。『オフ・ザ・ウォール』に収録しなかった曲をもってきたのもあるかもしれません。
 『スリラー』の後のジャクソンズのアルバム『Victory』(84年)では、ジャクソンズとしての活動がトーンダウンしているマイケルですが、この作品では意欲的です。
 当時のインタビューでも『オフ・ザ・ウォール』と『トライアンフ』からの曲を軸にして最高のライブをしたいと述べています。その素晴らしさは『The Best Live』(81)で堪能できます。(このライブ盤はほんとライブ感が伝わってくる名盤だと思います) 

Live

Live

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1988/05/19
  • メディア: CD

 『トライアンフ』の製作陣ですが、プロデュースはジャクソン兄弟自身です。前述のように、マイケルを中心に曲も自分たちで書いています。長兄・ジャッキー、末弟ランディーの書く曲の良さも見逃せません。四男・マーロンもアルバムで初めてリードをとります。次男、ティトもギターリストとしても作品に安定感をもたらす。
 そして、前作でマイケルも発言していましたが、自分たちの弱さであるアレンジと現代風のグルーブを得るためにサポートしたのが、キーボーディストでもあるグレッグ・フィリンゲインズ。彼はこの後もマイケルをサポートし続けます。
 それでは各曲のコメントです。
 
1 Can You Feel It  
 
 まずオープニングをかざる「Can You Feel It」。ツアーでのオープニングを意識した曲だと思います。期待感と躍動感を感じます。テンションあがります。
 前述のグレッグのアレンジとキーボードPlayも光りまくる。
 マイケル唯一の弟、ランディーのボーカルから始まります。ランディーのボーカルはぶっちゃけ普通、それによりその後もマイケルのボーカルが際立ちます。マイケルのボーカルでさらにハイテンションに。ただランディーのボーカルは、この後すごい成長を感じます。次作の『Victory』ではバラードをいい感じで歌ってるし、89年『2300 Jackson street』ではTeddyのNJSをStreet感出して歌ってる。
 この曲は、テディ・ライリーのグループBLACKSTREETの3rd『Finally』(99)のオープニング「Can You Feel Me」としてサンプリング(ほぼカバー)されておりTeddy流のスタイルも楽しめます。
 さらに当時としてはめずらしいMusic Videoもマイケルのイメージで制作されています。(MJの超BEST映像集『VISION』に収録)MTV時代の前ですから、この頃からマイケルのビジュアル戦略の先見性を感じます。世界はひとつ、みんなブラザー的なメッセージソングです。

2 Loverl One

 アルバムからの1st「Lovely One」は、ランディとマイケルの共作。シングル向きのキャッチーなパーティーチェーン。R&Bで2位、Hot100で12位のヒットです。
 かなりいい曲。でもちょっと音が軽い。
 マイケルのボーカルが、女性的。80年代のマイケルのボーカルはそれも魅力なんだけど。
 思うのですが、これがジャクソンズ名義でなくマイケルのソロ名義ならチャートアクションも変わるのでしょうか。この曲はしばらくジャクソンズやマイケルのライブでも欠かせない曲となります。マイケルとランディのコンビもいい!

3 Your Ways

 ジャッキー単独の曲ですが、ボーカルはマイケルです。マイケルのファルセットボイスはほとんどなくて「今夜はドントストップ」くらいなので、この曲のパフォーマンスは貴重です。
 ジャッキーのコンポーザーとしての能力の高さもうかがえます。

4 Everybody

  ちょっとフィリーの匂いもする曲。マイケルとティトの共作。ティトは、このアルバムもギターリストとしても全開です。ジュリー・ヘイのホーンアレンジも光る。

5 This Place Hotel

  最近はこのタイトルですが、やはり「ハートブレイクホテル」のタイトルでしみこんでいます。アルバムの中でも最大の魅力的な曲。「スリラー」と「ビリージーン」にも通じる曲の中に感じるドラマ性とビジュアル感(「スリラー」はロッド・テンパートンの曲ですが)。
 この曲は、実はマイケル自身のソロ用にとっておきたかったのではないかという気もするのですが、ジャクソンズのために提供したのでしょうか。ジャクソンズ名義ですが、どうみてもマイケル・ジャクソン全開の曲。R&Bで2位、(今回も1位をとれず。ジャクソンズ名義で1位はありません。)Hot100で22位。この曲も、曲はいいのに、音が負けてるというか陳腐な感じがする。クインシーが手がけたらどうだったろう。(2017年発売の『SCREAM』でのオープニング曲で、リマスターされかなり音が良くなっていた)
 マイケルのソロ名義だと1位をとれる曲のように思うのですが。マイケルの美学も感じれる1曲。

6 Time Waits For No one

 「時は誰も待たない」すごく好きなバラードです。マイケル以外のブラザーは、ダンス系の曲が好みのようで、この曲はバラードを歌いたいマイケルの希望で入った曲のようです。ランディとジャッキーの作品です。切ないメロディーにリリック。すごく愛聴しているバラードです。
 マイケルのソロバラードとしても堪能できる。ボーカルもsensitive。
 マイケル逝去後の、ジャクソン4のツアーでも歌われ涙を誘った。

7 Walk Right Now

 マイケル、ランディ、ジャッキーの3人による曲。こういうDanceの曲にマイケルのボーカルははえる。超気持ちいい!

8 Give It Up

 マイケルとランディの作品です。上の兄4人が結婚し、家を出てマイケルとランディは一緒にいる時間が増え、2人で曲もたくさん書いたみたいです。この曲は、マーロンもボーカルをとっています。ブラザーの中でも、ちょっと目立たないポジションの彼。しかし胸の内は秘めた思いがあったようです。この頃から、ジャクソンズ離れ、自分の力を試したいという思いがあったかもしれません。
 ジャクソンズのボーカルグループとしての魅力も感じる1曲。

9 Wondering Who

 ジャッキーとランディの曲。ジャッキーのソロのような曲です。やっぱり正直なとこ、ジャッキーのボーカルはパンチ力がない。コンポーザーとしては魅力的。

 このアルバムの楽曲は完成度が高いと思います。一流のミュージシャンが演奏もしています。
 ただ全体的に不満なのが録音のバランスの悪さ。ミキシングがいまいちなのか、ボーカルと曲(楽器)のバランスがなんかいまいちなんです。おれ素人だから具体的にはわからないのですがしっくりきません。Producerもジャクソンズ自身ですから、仕方ないですが。これをクインシーがてがけてたら、あるいはエンジニアのブルース・スウェディンがミキシングをしていたら、バランスのいい録音になってさらに聞き応えのあるアルバムになったと思います。
 80年代に入りテクノロジーの進歩はすごい。だから1年でも録音技術は格段に進歩していると思う。しかし、このアルバムより古い『Off The Wall』の方がめちゃ音がいいしバランスがいい。それは82年の『スリラー』にもいえる。とくにかくクインシーの手がけるアルバムは音がいい。この辺がプロデューサーとエンジニアの手腕なのでしょうね。
 
 あと「This Place Hotel」のように実質マイケルのソロ曲でも、ジャクソンズ名義になるとシーンの見方がかわるのが不思議です。80年代になってマイケルのソロ曲は、Hot100ではほとんどTop10内のヒット。しかし、ひとたびジャクソンズ名義になるとTop10内に入らない。
 シーンの偏見を思いっきり感じます。
 前作の「Shake Your Body」のようなシングルでのメガヒット曲はありませんが、R&Bチャートでは念願の1位、POPでも10位。ミリオンセールスを記録した前作よりも売れます。
 グラミーでも最優秀R&Bグループでノミネートされます(受賞はマンハッタンズ)。
 そしてツアーにでたジャクソンズは全米を熱狂させます。マイケルの『オフ・ザ・ウォール』と今作『トライアンフ』を中心にした曲がならぶライブ構成はすばらしいです。
  そしてツアーも終わり一段落すると、マイケルは自身の作品にとりかかります。
 そう『スリラー』です。この作品は82年の年末に発売されます。2年にわたるロングセラーアルバムでしたから、82年の作品という印象がうすいのですが、実は82年なのです。いかに時代の先をいきまくってたかがわかります。
 マイケルのソロが出た後ジャクソンズのアルバムがでるという流れは次回も続きます。しかし『スリラー』の歴史的なヒットは、ソロ活動とジャクソンズとしての活動を気持ち的にも、現実的にも困難にします。
 『トライアンフ』は今となっては兄弟と一緒に全編製作した最後のジャクソンズのアルバムとなりました。そして『オフ・ザ・ウォール』と『スリラー』の間の作品としても見逃せない1枚です。


トライアンフ

トライアンフ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2010/06/23
  • メディア: CD
☆貴重な「Can You Feel It」のMVをフル収録。他、マイケルのSF、MV、レアなものももれなく収録。
マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]

マイケル・ジャクソン VISION【完全生産限定盤】 [DVD]

  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(D)
  • 発売日: 2011/10/17
  • メディア: DVD

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◆ I'm My Brother's Keeper 兄弟との絆を切々と歌う ジャーメイン ❹ [ジャーメイン・ジャクソン]

                              オリジナル2009.12,11Upに大幅加筆

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 79年8月、マイケルの『オフ・ザ・ウォール』発表。マイケルは黒人のスーパースターとなります。『OFTW』が売れ続ける中、ジャクソンズとしても80年9月『トライアンフ』を発表。
 前作『DESTINY』同様、いやそれ以上に兄弟たちが全力で作り上げた作品となります。
 そしてやはり中心は、ほぼ全曲でリードもとり曲も書いたマイケルでした。
 そして、ジャクソンズはこの強力な二つのアルバムを軸とした“トライアンフ・ツアー″を81年7月より開始します。

 そんなトライアンフツアーで全米が熱狂する中、81年9月にジャーメインはモータウンよりアルバム『I Like Your Style』(前作から1年9ヶ月ぶり)を発表します。
 前回、"シンガーソングライター"ジャーメインという所を力説しましたが、このアルバムは、なんていうのでしょう、“プロデューサー″ジャーメインという印象をもちます。

 クインシー・ジョーンズは、チーム・クインシーと言われるように、才能あるミュージシャンやライターを結集しアルバムを作り上げる。その中には、まだ売り出し中のような才能もあるわけですが、ほぼクインシーが発掘したミュージシャンたちはその後、一流アーティストまたはグラミー賞でも評価されるようなアルバムに参加する一流ミュージシャンとなる。
 ジャーメインも負けじと、自身で選び抜いたミュージシャン、アレンジャーを集結させています。
 それらが、ポール・ジャクソンJr(リズム・ギター)、クインシー人脈からは、ジャクソンズの方でも力を発揮したグレッグ・フィリゲインズ(シンセサイザー)、ジュリー・ヘイ(ホーンアレンジのスペシャリスト、グラミー受賞者)が。オウリー・E・ブラウン(ドラムス:後にレイパーカーJrのゴーストバスターズにも参加)。ジョー・サンプル(キーボード)等、素晴らしいミュージシャンで固められている。
 ジャーメインも、ベース、ドラム、ピアノを演奏。そして全曲Produceです。
 
 後にジャーメインは、85年、アリスタでデビューするスーパーディーヴァ、ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムでも3曲プロデュースし、ホイットニーの大ブレイクに大いにも貢献します。

 アルバムも、10曲中9曲は(共作も含め)ジャーメインが書いた曲。1曲は、親愛なるスティーヴィー・ワンダーのカバー曲(「Signed,Sealed,Delivered I'm Yours 涙を届けて)。

 このアルバムからの1stシングルは、②「I’m Just Too Shy」、R&Bで19位。海岸線のドライブをイメージさせるフィーリー風の爽やかな曲。途中ハーモニカ演奏があるのですが、ジャーメイン自身によるものでいい感じ。
 2ndが⑤「Paradise In Your Eyes」、R&Bで60位。イントロが波の音や鳥の鳴き声から始まります。癒し系の1曲。ただシングルとしてはインパクトは弱いかな。
 アルバムから、マイケルや兄弟たちのようなビックヒットは産まれませんでした。しかし他にもシングル候補曲があったと思います。
 アリスタに移籍してホイットニー・ヒューストンとの大人のデュオが注目されましたが、この作品でもリタ・クーリッジとの⑤「Is It Always Gonna Be Like This」アダルトなデュオが収録されています。ソフトな二人の掛け合いに魅了されます。
 ダンス系は、まだ駆け出しの頃ですが、セッションギターリストとして引っ張りだことなる、ポール・ジャクソンJrのリズムギターも光る①「I Gotta Have Ya」などもかなりのシングル向き。(なんでシングルにしないのか不思議)
 そしてスティーヴィーのカヴァー、⑥「涙をとどけて」。前述のジェリー・ヘイのホーンアレンジも冴え渡ります。⑧「I Can't Take No More」もジェリー・ヘイのホーン・アレンジとポール・ジャクソンのリズムギターがうまく絡み気持ちいい。これもシングル向きなんだけどな~。
 ジャーメイン単独で書いたバラード⑦「Maybe Next Time」のメロディーとボーカルも素晴らしい。
 ⑨It's Still Undoneはアルバムの中でも異色のプログレR&Bでもいうような斬新なリズムアレンジ。このアレンジもジャーメイン単独でしてるというのがその才能の深さを感じます。
 このようにモータウン時代で、一番、ジャーメインのマルチな才能を感じることのできるアルバムのように思います(CD化されていないのが残念)。

 そして、注目すべき曲が、エンディングの「My Brother’s Keeper」。
 映画のエンディングのような美しいストリングスとホーンをバックに感動的なバラードを歌い上げています。
 クレジットにもあるように、このアルバムは、兄弟たちに捧げられたアルバムでもありました。
 アルバムタイトルが「I Like Your Style」、そしてエンディングをかざるフィルムチックなバラードが「マイ・ブラザーズ・キーパー」です。

 ちょっと「オヤっ」て思うことがあります。
 このアルバムのタイトルは『I Like Your Style』ですが、アルバムの中にこのタイトル曲はありません。で、モータウン時代のジャーメインのアルバムを持っている人はわかると思いますが、次のアルバム『ファンシー』のエンディング曲がこの「アイ・ライク・ユア・スタイル」なのです。
 さらに「マイ・ブラザーズ・キーパー」と「アイ・ライク・ユア・スタイル」はともにジャーメインが書いた曲ですが、共作者も同じエリオット・ウィレンスキー。
 この時に、兄弟たちへの思いを綴った2曲をエリオットと書き上げたと思われます。
 当初は、この2曲を収録するプランもあったように思うのですが、全体のバランスも考え、最終的にアルバムに収録に選ばれたのが、マイ・ブラザーズ・キーパー(僕は兄弟たちの守護神)となったように思います。「I Like Your Style」は今作の収録は見送られますが、出来がよかったため次作に収録されたのではないかと思います。それが今作のアルバムタイトルとなった理由だと思います。
 
 ジャーメインは、二つのメッセージをこのアルバムに込めているのです。
 「I Like Your Style」は、リリック的には愛する女性を賛美するラブソングですが、裏の意味は、ジャクソン兄弟がついに自分たちで作り上げた『Destiny』、『Triumph』へのジャーメインからの賛辞だったと思います。モータウンでのソロ活動の道を選んだジャーメインですが、彼らの活躍を見てマイケルや兄弟たちとまた一緒のステージに上がりたいという思いは日ごとに強くなっていったのではと思います。
 「My Brother’s Keeper」のリリックはさらにダイレクトです。

 僕は兄弟たちの守護神
 そして兄弟たちは僕の守護神

 と涙ぐんで歌っています。

 共作者のエリオットは、この後、ジャーメインがアリスタレーベル移籍第1弾アルバム『ダイナマイト』の感動的なエンディング、母親への愛を切々と歌った「Oh マザー」(←ジャーメイン、ここでも泣いてる)や、2弾アルバム『プレシャス・モーメンツ』で、ホイットニー・ヒューストンとのDUO曲、「If You Say My Eyes Are Beautiful」も書いています。シングル化されていたらNo1シングル必須だったと思われるような楽曲です。(マイケルのモータウンでのソロデビュー曲「Got To Be there」も彼の曲だそう。)
 エリオットとジャーメインによるSlowなバラードは素晴らしいです。

 81年、ジャーメインもこのような感動的なメッセージソングを兄弟たちに送りますが、75年、ジャーメインと兄弟たちが決別した時、しばらく溝があったのは事実のようです。
 ニューヨークでファミリーショーを予定していたそうですが、ジャクソンファミリーとモータウンサイドの決裂が決定的となり、モータウン残留を選んだジャーメイン、ショーの直前になってステージに上がることを拒んだというのです。これには他の兄弟たちも大激怒で決定的な亀裂となったようです。そして、その後初めてジャーメイン抜きのステージにあがったマイケルは、「生まれて初めて真っ裸でステージに立ったような気持ちだった」と述べています。
 そこからジャーメインの穴を、ランディと兄弟全員が全力のパフォーマンスでカバーして、新生ジャクソンズとしてのスタイルを完成させていくのです。
 しばらくジャーメインも、兄弟たちとは一切話をせず、胸の内は母親だけに話していたようです。
 しかし血を分けた兄弟、ずっとデビューから努力してきた仲間たち。
 時間が、お互いのわだかまりをほぐしていき、ジャーメインも、ここにきてその思いを素直に曲にできたのだと思います。そして、マイケルの「She Is Out Of Life」の泣きに対抗したわけでもないでしょうが、涙を流して歌ったボーカルを収録するのです。 

 兄弟たちと別れ、ソロ活動を選択したジャーメイン。ステージで躍動するマイケルとブラザー達を見て、自分もそのステージに立ちたいと強く願ったに違いない(飛び入り参加はあったみたいですが)。
 しかしジャーメインがジャクソンズに帰還するには、後3年の月日を要します。 (つづく)

My Brother's Keeperはこのベスト盤に収録されています!
Spectrum Collection

Spectrum Collection

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD




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◆ Shake Your Body / The Jacksons (78)  マイケルとジャクソン兄弟の未来を切り開いた曲! [楽曲エピソード]

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 自分たちで自分たちの音楽を作りたい。その願いを叶えるべくモータウンレコードからエピックソニーへ移籍したジャクソン兄弟。しかし、エピックも最初から彼らにすべてを委ねるリスクは冒せず、当時のトッププロデューサー、ギャンブル&ハフに制作をまかせます。(2曲のセルフProはできた)
 ギャンブル&ハフのフィラデルフィアサウンドはすばらしいですが、ヒットという点では、ジャクソンズとしての最初のシングル「Enjoy Yourself」(僕はゴキゲン)がR&B2位、Hot100-6位(でもミリオン)のヒットはするも、その後のシングルヒットは続かず。
 アルバムにいたっては、エピック2枚目の『Goin Places』は50万枚にも達しないセールスとなります。
 マイケル・ジャクソンも、「ギャンブル&ハフは僕らにとってあまりふさわしくない騎手だったかもしれないし、彼らにとって僕らは相性の悪い馬だったかもしれない」と述べています。
 たしかに、移籍後の2枚のアルバムの出来はけっして悪くない。
 しかし、ジャクソン兄弟の溢れんばかりのエネルギーが、フィリーサウンドの流麗なストリングスで消されている印象はあります。フィリーサウンドは、ちょっと大人向けのPOPサウンドのイメージもある。
 しかし、レコード会社にとっては大変な問題でした。ドル箱アーティストを獲得したと思ったら、見合った結果をださないのですから。
 当時、エピックサイドはジャクソンズとの契約も打ち切る事も考えていたといいます。
 それを覆したのが、他ならぬマイケル・ジャクソンです。彼は父のジョーと共にエピックの幹部とあい、自分達でアルバムを作らせてもらうよう要求します。マイケルの熱いメッセージとその自信に、エピックサイドもついにジャクソン兄弟にプロデュースを任せる決断をします。
 しかし、これはジャクソンズにとってもラスト・チャンスでした。これでヒットという結果を出さなければ、ジャクソンズとしての契約更新はないのですから。
 
 ジャクソン兄弟は、全力でレコーディングに臨みます。マイケルが述べていますが、この時エピックからあまり制作の時間を与えられませんでした。限られた時間の中で、エピックサイドを納得させるジャクソンズらしい作品を作らなければなりませんでした。が、彼らは念願の自分たちの音楽を表現する場を与えられたのです。プレッシャーはありますが燃えないわけはありません。
 マイケル・ジャクソン的には、77年辺りから超多忙を極めている感じ。77年末に、ダイアナ・ロス主演のミュージカル映画『ウィズ』の撮影に参加。そして、そこでクインシー・ジョーンズとの運命の出会いもはたすわけですが。
 78年に入ってワールドツアーにも出る。その中でレコーディングも進めていくわけです。
 そして、ついに78年11月にアルバムがリリースされます。タイトルは『Destiny』(運命)。このアルバムの結果で今後が決まるのですからまさに運命のアルバムです。

デスティニー~今夜はブギー・ナイト

デスティニー~今夜はブギー・ナイト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 8曲収録されていますが、1曲はエピックが保険のような感じでシングルとして❶「Blame It On The Boogie」(今夜はブギーナイト)を用意します。アルバム発表前の先行シングルとして、このダンサンブルでキャッチーな1曲はHOT100-54位。R&Bでは3位にチャートインしています。
 残りの7曲はジャクソン兄弟作品。アルバムクレジットは、悲願のProduced and Written by The Jacksons(Except “Blame It On The Boogie”)が記されます。
 このアルバムは、明らかにギャンブル&ハフの制作した前2作品とはちがいます。
 ジャクソン兄弟は、ジャクソンファイブとして、モータウンでヒットを連発していました。モータウンはR&B/ソウルミュージックの宝庫です。このアルバムは、モータウンの音を感じます。これまでになかったファンキーさがあります。その代表格が❸「Things I Do For You」。
 この曲は、この後のライブパフォーマンスでも欠かせない曲となります。マイケルのボーカルもめちゃファンキー。
 そして、Slowの❷「Push Me Away」ミディアムの❻「Bless His Soul」❽「That's What You Get」、前2作でのフィリーサウンドを継承した作りで、ギャンブル&ハフからも大きなものを吸収しているのを感じます。
 ❺ジャクソンズの曲の中でも異色のアコースティックでブギーなアルバムタイトル曲「ディステニー」。
 そして、このアルバムからマイケル・ジャクソンのサウンドも感じれます。録音技術の進歩もあってかマイケルのボーカルもクリアでグルーヴィーで魅了されます。アルバムの成功はマイケルのボーカル力にもあると思う。
 
 時代は、ディスコサウンドに突入しはじめていました。ダンスという要素もKeyになっていました。その時代を読んだ曲を書いたのが、マイケルと末弟ランディーによるこの「Shake Your Body」です。
 この曲は、モータウンでも、フィリーでもないジャクソン兄弟のオリジナリティーを感じます。
 この曲に、マイケル伝説の始まりも予感します。
 ただ、正直な所、ジャクソン兄弟だけでは作り得なかった曲でした。
 マイケル自身も、『ムーンウォーカー』の中で、サウンドを作りにあたって、自分たちにはキーボードとアレンジに難点があったと述べています。当時、マイケルたちのスタジオには最新機材が揃っていたといいますが、それを十二分に使えていなかった感じ。
 そんな中、出会ったのが当時24歳の新鋭キーボーディストのグレッグ・フィリンゲインズ。
 
パルス(期間生産限定盤)

パルス(期間生産限定盤)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/07/27
  • メディア: CD
 
 後に、マイケルのソロアルバムやクインシー・ジョーンズのサウンドブレインにもなる彼ですが、その最初の大仕事がこの『Destiny』でのアレンジとキーボードPlay。
 ベース音と重低音のうねりが心地いい。マイケルもグレッグのシンプルだけど斬新なリズムアレンジとキーボードPlayにしびれたようで、「これだ!」と感じる。
 ランディーも絡んでいるというのが彼の才能の片鱗がみえます。
 ちょっと要望をいえば、この曲ってリフ系なのでやや単調な感もある。以前はもう少し曲にドラマ性があれば最高なのにと思っていた事もありましたが、このシンプルさが、この曲の魅力だとも思います。ひたすら踊るという感覚でも、まさにFloor向きな1曲。8分におよびます。
 この曲の良さはマイケル死後の『This Is It』で取り上げられた際に再認識しました。
 この曲は、LIVEでも定番になりますが、LIVE CDやビクトリーツアーの時もテンポがかなり速い。『This is It』時のようにオリジナルのピッチでの再演がこの曲の良さを引き出せると思う。

 モータウンから移籍して、はじめてジャクソンズらしい、彼らだけのオリジナリティーを感じる曲が大ヒットします。Hot100で7位。R&Bで3位。何よりダブルミリオンというセールスがすごい。ジャクソンズとして最大のヒットとなります。
 チャート的には不思議なのが、250万枚も売れてR&Bで1位になっていない事。HOT-100でもNo1シングルになってもよさそうなのに、エアーPlayが足りなかったのでしょうか。
 アルバムもR&Bで3位、POPで11位となり、ミリオンセールスも記録。
 エピックも、ジャクソン兄弟がここまでのサウンドを作ったのは驚きだったかもしれません。エピックの幹部の一部には、ジャクソンズは“終わっているグループ"と評するものもいたのですから。
 でも後に世界を獲るマイケル・ジャクソンがいたのですよ。それを感じていないなんて、そいつアホだなって思うわ(爆)。
 マイケルも、この曲がシーンで結果をだしたのは自信になったにちがいない。まさにジャクソンズとマイケル・ジャクソンのターニングポイントなった曲。
 ティトも、ミュージシャンとしても、一流のスタジオミュージシャンと肩を並べて全曲でギターを演奏しています。❼「All Night Dancin’」もジャクソン兄弟のエネルギーが溢れている。
 
 さらにこの「Shake Your Body」のヒットがマイケルのソロプロジェクトを早めたかもしれません。
 このアルバムからは、まだカットできる曲もあったと思うのですが、マイケルのエピックでの最初のシングル、クインシー・ジョーンズと制作した「Don't Stop Till You Get Enough」(今夜はドントストップ)がシングルカットされており、ジャクソンズよりマイケルのソロプロジェクトに重点を置いてるレコード会社の方針が見えるようです。  
 
 後、余談ですが、この「シェイク・ユア・ボディ」、おれのFav Producer、ジャム&ルイスも絡みます。それはレゲエアーティスト、シャギーの00年メガヒットアルバム『Hot Shot』の収録曲「Dance & Shout」。
 
ダンス&シャウト

ダンス&シャウト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2000/07/19
  • メディア: CD




     この曲をJam&LewisがProduceしています。シャギーは、単なるレゲエの枠に収まるアーティストではないですが、ジャム&ルイスがシャギーと絡んだのはかなり意外。さらに、ジャクソンズの「Shake Your Body」をサンプリングするなんて!
     サンプリングといっても、ほぼ「シェイク・ユア・ボディー」のカバー。
     サビのボーカルは、マイケルの少年時代のボーカルのよう。「シェイク・ユア・ボディー」のグルーブ感が楽しめます。

  •  ジャクソンズの「運命」はこの作品で自ら切り開く事になります。そして、マイケル・ジャクソンのソロ・プロジェクトも始まり、翌79年、クインシー・ジョーンズが手がけた『Off The Wall』が発表されます。

    オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)

    オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)

    • アーティスト:
    • 出版社/メーカー: SMJ
    • 発売日: 2016/03/09
    • メディア: CD
     
     ここから2曲の全米1位。アルバムもメガヒット。80年代に入り、ついにマイケル・ジャクソンの時代が始まります。
     このソロ作の成功で、マイケルとジャクソンズとの距離感も微妙に変化してきます。
     「オフ・ザ・ウォール」の世界的なヒットの中、その勢いに乗ってジャクソンズとしても81年に『Triumph』(トライアンフ)という作品が発表されます。

  • トライアンフ

    トライアンフ

    • アーティスト:
    • 出版社/メーカー: SMJ
    • 発売日: 2016/08/03
    • メディア: CD
     
     トライアンフの意味は、勝利、大成功。このアルバムは、よりCreativeです。ジャクソンズというより、ほぼリードをとるマイケルのソロっぽい作品でもあります。それはまた次の機会で。

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◆ マイケル・ジャクソン おれが選ぶ群舞作品ベスト9! [映像・ショート・フィルム]

                                                                                                    オリジナル2015.8.31Up

mj_dance333005001.jpg 
 マイケル・ジャクソンが世紀のスーパースターとなったのは、最高のボーカルとそして誰にも真似できない最高のDanceとその世界観を見事に表現したショートフィルムがあったからだと思います。
 まだMusic Video全盛前の80年代以前のファンはマイケルのボーカルの素晴らしさをかみしめていると思います。
 MTV時代以降、映像からのインパクトは大きく、そのDANCEとショートフィルムからマイケルに魅了された人が多いと思うのですが、マイケル・ジャクソンはボーカルあってのマイケルだと思います。
 特に80年代は絶品です。男性でありながら女性的な繊細さもあり、ソウルであり、エモーショナルでもある。そしてボーカルにリズムが宿る。
 ボーカリストとしても唯一無二の存在ですが、神はさらにダンスというものをマイケルに授けた。才能ある人がさらにとてつもない努力をするのだからInvincible(無敵)です!
 さらにマイケル・ジャクソンのすごいところは、見逃しがちな部分ですが、そのエンターテイメント性というか企画力です。
 最高のダンサーは、普通にすばらしく踊る。
 マイケルはさらにそのダンスと歌と音楽をミックスさせ一つのエンターテイメント作品を作り出した。
 一番有名であろう「スリラー」にしても、ゾンビと踊るという発想をする人間がいるだろうか?いたとしても自身でそのダンスさえも表現できる人はいないだろう。
 マイケルのすごさはそのエンターテイメント性にもあるように思う。
 マイケルが生み出した数々のミュージックビデオ、あるいはショートフィルムと呼ばれるものは妥協することなくお金もかけすばらしい世界観のものを生み出している。
 そして多くの人が虜になるのがマイケルを中心にする集団ダンスだと思う。
 もちろんマイケルのソロパフォーマンスもすばらしい。モータウン25周年記念での「ビリージーン」のソロパフォーマンスは伝説。
 マイケルのダンス作品は、多くのバックダンサーと一緒に踊ることにより映像的なインパクトはさらにます。この集団ダンススタイルもマイケルが先駆者だと思う。マイケルとバックダンサーたちの一糸乱れぬシンクロダンス。このスタイルは本当に多くの人に影響を与えたと思う。
 
 今回あらためてマイケルの集団ダンス作品を振り返ってみたら9作品ありました(ステージパフォーマンスも含む)。曲の途中の挿入的な集団ダンスというかパフォーマンスは含んでいません。そして私自身のリピード度や作品の完成度、インパクト等個人的な好みで順位付けしてみました。それでは以下!

9位 Remember The Time  From 『DANGEROUS』(92)

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  90年もマイケルのDECADEになる事を感じさせた『DANGEROUS』からの第2弾作品。
 尋常性白斑により白い肌になってしまったマイケル。「Black or White」では「白人だろうと黒人だろうと関係ない」と歌った。当初、そのリリックに違和感を感じる人が多くいたのは事実だけど、自分の意志とは無関係に肌が白くなってしまったマイケルの言葉と取ればストレートに入ってくる。
 そしてこの「Remember The Time」のショートフィルム(SF)では、さらにマイケルのルーツでもあるアフロアメリカンの誇りを随所に感じます。そしていろいろ意味深な作品でもある。
 まず舞台がエジプト王国。アフロアメリカンのルーツであるアフリカ大陸にあったこのロマンあふれる王国が舞台となります。
 マイケルならハリウッドで名の売れた著名な監督の起用も可能だったと思いますが、あえて若手の才能ある黒人監督であるジョン・シングルトンを起用したように思います。
 そしてキャスティング。王国の王様役に、黒人俳優のスター、エディー・マーフィー。
 女王役に、スーパーモデルのイマン(ソマリア出身)(後にデヴィッド・ボウイと結婚)。ブラックビューティーの代表格のような女性です。
 NBAのスーパースターだった、マジック・ジョンソンも起用。
 この作品では、俳優業、モデル業、スポーツ選手のブラックスーパースターが起用され、アフロアメリカンの優秀性を主張しているのも感じずにいられません。
 MVのダンサーも、これまで白人、黒人まざっていたと思いますが、今回エジプトという事で、真っ白な肌のダンサーはいないように思います。MJだけが白い。やはり自分の意志に反して病気で肌が白くなってしまったマイケルの主張をここにも感じてしまうのです。
 ここまでの主張が、一部の白人層に拒絶された面もあるかもしれません。これまでは映像作品が相乗効果を生みさらなるヒットに結びつきましたが、この黒すぎるSFがかえってHot100で1位を獲得できなかった事に影響したかもしれません。
 さらに深く掘り下げると、この「Rememer The Time」は公式クレジットにもあるようにダイアナ・ロスに捧げられた曲でした。
 ダイアナは、シュープリームスのメンバーとしてソロとしても70年代モータウンでヒットを連発した。まさにモータウンレコードの女王でした。
 そして、一時期モータウンレコードの社長であるベリィー・ゴーディーの愛人でもあった。女王がダイアナ、エディー・マーフィー演じる王がベリー・ゴーディーと見ると、ベリーからダイアナを奪う(奪いたかった)というマイケルの秘めた思い感じることもできるのです。
 さて、肝心のダンスパフォーマンス。振り付けはファティマロビンソンという女性。手の動きに重点を置かれた今までにないダンスパフォーマンス。相当難易度高い。
 最優秀男性R&Bソウルシンガー賞 (「リメンバー・ザ・タイム」)と最優秀男性R&B・ソウルアルバム賞(『デンジャラス』)を受賞したソウル・トレイン・ ミュージック・アワードでこのパフォーマンスがされますが、前日に足を負傷したマイケルは座ってパフォーマンスを行う。作品と同じように凝った演出もされますが、座ったままというのもあってあっていまいちパッションが薄い。
 Dangerous World Tour時でも入念にリハーサルもされます。しかしブートでその映像を見るに、いまいちステージ上での迫力がうすい。すごくいい楽曲なのに、なんでだろ?結局ツアーでは使われず。
 『Dangerous』からはこの後、「In The Closet」のSFも発表されます。集団ではなくナオミ・キャンベルとのDUOダンスですが、これまでにないセクシーでタイトなマイケルがそこにいてすばらしい作品です。

8位 Dangerous  From MTV MUSIC AWARDS LIVE Perfomance (95)

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 95年のMTVミュージックアワードでの「DANGEROUS』のダンスを含むステージパフォーマンス。新旧のヒット曲もメドレー形式で披露し15分に及ぶマイケルワールドがステージ上で展開されます。
 このパフォーマンスは録画ではりません。生の観客を目の前にしたLIVEステージでこれだけの世界観の表現とパフォーマンスをするのがすごすぎます。
 93年の少年の父親によってしくまれた虚偽の告発で、マイケルをとりまく環境は一気に変わりました。当時、まだマイケルはその負のイメージをひきずっていた。このステージはマイケルにとってけっして楽な状況でのものではなかったと思うのですが、このパフォーマンスに誰もがひれ伏した感じです。
 このライブパフォーマンスは、『History On Film Vol2』に収録されています。
 最終的に「Dangerous」はシングルにはなりませんでしたが、ツアーでもセットリストに加わりこのダンスがステージでなされた。80年代後半に、ビル・ボトレルとマイケルで作った曲ですが、『Dangerous』製作時期にテディー・ライリーによって90年代仕様に生まれ変わり、ダンスパフォーマンスにもフィットした。

7位 Smooth Criminal  from 『MOONWALKER』 (88)

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 映画「ムーンウォーカー」で披露された作品。マイケルが好むイタリアンマフィアのTasteも全開の作品。予算と契約的な部分がうまくいかず全米での劇場公開がされない作品となったのは残念。それまで一連のマイケルのプロモーションを成功に導いていた敏腕マネージャー、フランク・ディレオがその責任を負いマイケル陣営から離れる事にもなります。汚れ役もかうディレオがマイケル陣営から去った事はその後に影響したように思う。
 映画『ムーンウォーカー』は興業的には成功しませんでした。
 その要素にコンセプトが曖昧になった部分があったかもしれません。「スムクリ」のような大人テイストのDANCEビデオもあれば、マイケルが巨大化してロボットになってしまうという子供チックな部分もありと。
 結局それらを含めてマイケル・ジャクソンの美学がつまった作品。
 前に倒れるけど途中で止まる「ゼログラヴィティー」は話題になったけど個人的にはそんなにはまらなかった。
 スピード感あるダンスの振り付けは、ヴィンセント・パターソン(「ビートイット」でMJのとなりで踊る白人のボス役)。
 「スムクリ」の撮影されたセットは、MJの最後のミュージックビデオとなった「One More Chance」の撮影場所と同じだそうで、「One More」の撮影時、マイケル的にはレコード会社の支援と熱意が「スムクリ」の時と差がありすぎて失望しまくったそう。
 劇場公開は、欧州とこの日本でもされました。私も88年の年末に親友と見に行きました。映画館の大きいスクリーンでMJの作品を見れた感動は今でも忘れれない。

6位 BAD from 『BAD』 (87)

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 社会的なメッセージももりこんだ作品となる。監督は巨匠・マーティン・スコセッシ。私服警官に強盗と間違えられて射殺されてしまったアフリカ系アメリカ人の青年の実話を基に制作された。
 個人的には、曲の内容、作品も含め解釈が難しく感じている。
 マイケルのダンスシーンはそういった所は抜きに魅了される。タフなマイケル象が全面に出た作品。実際この作品は、17分の映像をすべて見て意味があるのでしょうが、いざ見るとなるとダンス部分からになってしまうという。
 しかし前半のモノクロ部分のマイケルの演技も見逃せない。
 マイケルはハリウッドを制することはできなかったけど、マイケルの演技力と表現力も相当なもの。
 それはグラミーで最優秀児童用レコードを受賞した、『E.T. Story Book』のナレーションの素晴らしさにも感じた。
 「スリラー」の後、全世界が注目したショートフィルムでした。プリンスやRUN D.M.Cも参加していたらもっとBADな作品になっていたに違いない。
 効果音の演出が緊張感を高めかっこいい。この流れは『キャプテンEO』から引き継がれる。
 振り付けはジェフリー・ダニエルとグレッグ・バージ。ブレイクダンスや、ウエストサイド物語の感じも含まれ、相当かっこいいDance。
 ビデオバージョンのSMOOTHなオルガンPLAY好き。
 マイケルってダンスシーンもイメージしながら曲を作るのかな。
 BADはステージ上でのダンスパフォーマンスは知らない。日本公演でもされたけど、ダンスはなかった。その後のツアーでもBADはセットリストに加わらなかった。このパフォーマンスをステージ上でするのは難しいように思う。
 『MOONWALKER』でのチビッコマイケルのパフォーマンスも好き。
 『スリラー』の後、全世界がまっていたダンスパフォーマンスでしたからね。マイケルは期待を裏切らなかった。圧倒的なかっこよさでシーンに戻ってきたことを今でも思い出す。

5位 Beat It  from 『Thriller』 (83)

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 全米1位、グラミー最優秀レコード。マイケルのロックスプリッツも感じる楽曲。「ビートイット」がマイケルをR&Bのカテゴリーから開放したといってもいいと思う。
 モータウン25周年記念の「ビリージーン」の伝説のステージパフォーマンスとこの「ビートイット」のミュージックビデオが『スリラー』を爆発的にヒットさせた。
 この曲のダンスパフォーマンスもすばらしい。
 このロック曲とダンスを融合させるのはすごく難しいと思うのだけど、マイケル・ピーターズによる振り付けが素晴らしい。
 マイケルの両隣にいる黒人ギャング団のボス役が彼。普段はすごく優しそうな方だけど、このクリップでの彼は超いかつい。後に彼が振付師と知りますが、当時はそんな風に思わなかった。
 そして白人側のボスがヴィンセント・パターソン。彼は当時まだ駆け出しダンサーだったようですが、マイケル作品の出演をきっかけにこの後、マイケル作品に数多く起用されることになる。
 MJはこのクリップを通じて「暴力は避けるべきだ」という事を訴えている。
 「真の勇気とは、暴力をふるわずに、難しい問題を解決できたり、実現可能な解決法を見つけ出す知恵だ」と。ストリート感もすばらしい。曲と映像によるメッセージもダイレクトに伝わってくる。
 この「ビートイット」がマイケルの集団ダンス作品としては初のもの。
 「ビートイット」という楽曲もマイケルの殻を見事に打ち破ったけど、このCOOLなダンス映像もマイケルをネクストレベルに導いた。
 このクリップのダンスは、手と足をダイナミックに動かす所がポイントだと思うけど、サラッと切れ味鋭いダンスをするマイケル。手足の長いマイケルのダンスがしなやかなこと。
 曲も最高にかっこいいし、踊りもめちゃくちゃいけてる。ボーカルもかっこいい。その全てがマイケル・ジャクソンによるものですからね~。
 「ビートイット」も当時何度も見た。マイケルのかっこよさが全開だった。
 男のおれがマイケルにしびれたきっかけはこのかっこよさだった。

4位 Will You Be There  from MTV 10th Anniversary Perfomance (91)

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 これまでのMJのダンス映像は、かっこよさとスピード感が魅力だったと思いますが、感動を与えられた初めての作品。
 楽曲の素晴らしさとMJのメッセージがストレートに心に響いた。 
 この曲は、『Dangerous』からのシングルとしては7枚目となりますが、曲のお披露目はアルバム発売直後でした。
 それは、MTV10周年記念番組の中でのパフォーマンス。
 この番組はMTVの10周年を記念し製作されたもので、その申し子ともいえるアーティストが登場します。そのメンツは、ジョージ・マイケル、エアロスミス、マドンナ、REM、そしてマイケル・ジャクソンです。
 『DANGEROUS』は、USAで91年11月26日に発売されますが、この番組はその直後に放映されています。(この日本では世界に先駆けてその3日前に発売されました。MJの日本のファンに対する愛を感じます。)
  マイケルは、節目節目に伝説的なパフォーマンスをしますが、このステージもそのひとつだと思います。
 当時、「マイケルがまたもどってきた」と興奮したのを覚えています。
 まずスラッシュを引き連れて先行シングルの「Black or White」をパフォーマンス。曲もロックですが、白い肌のMJとちょい悪風の天才ギターリストのスラッシュが登場します。白人ロックアーティストのようなパフォーマンスでした。
 しかし今回のステージのメインは、この曲ではなく次に披露されたこの「Will You Be There」でした。ステージ上にはセットが組まれ、様々な人種の老若男女がステージに集い、その中心にマイケルが立ちます。ある種世界を象徴しているステージです。
 そして感動的でスピリチュアルなパフォーマンスが、静かだけど力強く進行します。
 MJのダンスも、これまでのものとはちがいバレエの要素も感じます。はじめてみる動きです。後ろのパフォーマーの動きも素晴らしい。この曲の振り付けもヴィンセント・パターソン
 88年のグラミーでの「マン・イン・ザ・ミラー」のステージも感動しましたが、この「Will You Be There」はそれ以上の感動を覚えました。不覚にも涙がこぼれた。これを生で見た人は鳥肌ものだったのではないかと思います。MJのパフォーマンスを見て涙が出たのは初めてでした。
 最後は、MJの語りで締めくくられます。MJの神への絶対的な愛を感じるリリックです。そしてそれは、ファンと自分とのつながりをも示しているようにも思います。その語りの声は涙声です。最後には、MJの左目から涙がこぼれています。
 このライブの模様は正式には作品化されていませんが、MVがこのときのパフォーマンスを基に編集されています。がやはりこの時のライブ映像を是非見ていただきたいです。

3位 We Are Here To Change The World from『キャプテンEO』 (86)

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 ディズニーでのアトラクションの3D作品として86年9月に公開される。マイケルのDanceが立体で迫ってきます。
 ディズニーは親と行くのではなく好きな娘といくものという信念を貫いていたら月日は流れ、96年9月、9年6ヶ月の歳月を経てこの3Dアトラクションは終了してしまいます。しかし、マイケルの死後、マイケルフィーバーがおこり2010年に再演、当初1年限定だったEOも常設化される事になります。今度こそ行かねばと思いつつまたまた妻の妊娠、出産等もありなかなか行けず。
 2014年、EOの終了が発表され、ついに最終日の6月30日に27年越しにEOを、マイケルファンになった当時2歳の娘と見ることができたのです。
 長年ブートで2Dでこの作品を見続けましたが、3DのEOはこれまでみたEOと別モンでした。
 ディズニー関係者によると、EOの施設でも若干のハードの差があるようですが、日本は最高レベルの音響と映像だそうです。
 EOはディズニーのアトラクションなので、MJの映像集にも入ることはなかった。ディズニーランドに行かないと見れない作品なのです。
 これまでどれだけの人がこのEOを体感したのでしょうか。
 製作したのが、ジョージ・ルーカス。監督がフランシス・フォード・コッポラです。すごいメンツ。さらに17分という作品に、20億円ちかい制作費もつぎ込まれます。
 そして『スリラー』同様、1回だけでは飽きない、何回も見たくなるという中毒性がある。
 そして物語のテーマ性。正義が悪を倒すというものではなく、封印されている閉ざされた心を、マイケルのダンスと歌で開放させるというテーマ性がマイケル・ジャクソンらしい。
 EOの意味は、ギリシャ語で“夜明け”という意味だそう。
 ダンスパフォーマンスと効果音がかっこいい。振り付けはジェフリー・ホーナディ。マイケルのダンスが3Dで迫ってきます。当時、最高峰の超高額であろう3Dカメラで撮影しただけある。
 楽曲とProduceもマイケルの手によるもの。クインシーは絡んでいません。単体の曲としてはちょっとクオリティーは落ちる気がしますが、ダンスとのフィット感は抜群です。
 エンディングは『BAD』にも収録される「Another Part Of Me」です。
 『スターウォーズ』シリーズを見てもわかるように旧3部作と新3部作の映像技術の進歩はすさまじいものがあり、旧SW的な映像の『キャプテンEO』は時代を感じさせる部分はある。
 しかしマイケル・ジャクソンのダンスとボーカルは、27年たっても色褪せないという凄さ。そこがすごい。
 USAとパリでは現在でも続いているらしい(現在の詳細は不明)。
 
2位 2Bad   From『Ghosts』 (97)

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 93年の少年の父親にしくまれた虚偽の告発で、マイケルをとりまく環境は一気に変わりました。マスコミも、それまでのおもしろおかしいゴシップレベルではなく、個人の人格や精神をもさえも破綻しかねない誹謗中傷をマイケルに対して行います。
 必要以上に、繰り返しこういうニュースが流れると、洗脳というかそういう見方で見てしまうとこはある。おれでさえ、もしかしたら何か変な事があったのかと思ったことはありました。そこはほんとマスコミ、マスメディアの恐ろしさ。
 こうした逆境の中で、マイケルが対抗できるのはやはり歌とダンスしかなかったわけです。
 それがアルバム『History』(95)であり、この『Ghosts』というカンヌ映画祭にも出品された作品だったのではと思います。
 スティーブン・キングとマイケルによる脚本。ユーモアと皮肉さもちりばめつつ、マイケルの思いがしっかりと込められている。
 作品の中で、「本当に醜い心をしているのは誰だ!」というシーンは多くの人の心に突き刺さったのではないでしょうか。そして、「そんなに出て行け!というのなら消え去ろう」とマイケルは自分の体を粉々に砕くシーンまで我々に見せるのです。そういう悲痛なメッセージもひしひしと感じる作品ですが、やはりエンターテイメント作品としても最高級です。ゴシック調のファンタジー感もマイケルの好む世界観なんだと思う。
 マイケルの集団ダンス作品としては最後のものとなりました。
 これまた今まで見たことのないTasteのダンスが、ダイナミックでスピーディーなダンスが圧倒的な迫力で次々迫ってくる。これまた相当難易度高い。
 楽曲は「2 Bad」。95年発売の『History』に収録されていた曲ですが、2年後こうしてダンスとともに登場するとは思わなかった。アルバムではあまり聞いていなかったけど、『ゴースト』を見てから一気にリピート度が増したという単純なオレ。
 振り付けはラヴェル・スミス、トラヴィス・ペイン。トラヴィス・ペインは「This Is It」に統括振付師としても参加。
 当時、もっと話題になってもよかった作品なのですが、この映像作品(ビデオテープ)を含むBOXセットもけっこう急な発売(97年12月)だった。今でもこのBOXセットはかなりのレアアイテムになっている。当時、世の中のマイケル熱は冷え切っていたので、あまり話題にならなかったのかもしれません。それでもマイケルファンであった人はしっかりこの貴重なBOXセットの発売情報をつかみ、定価の5,300円で購入したに違いない。
 近年、WOWOWでも放送されたのもあり(おれのBlogもけっこうアクセスされた)だいぶ認知された作品ではあるけど、『スリラー』ほどは知られていない。
 マイケルのすばらしいダンス作品は80年代だけではありません。さらに進化した作品が97年に登場しているのです。
 
1位 Thriller  from 『Thriller』 (84) 

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 やはり1位はスリラーになってしまいました。老弱男女、そして世代を超えて多くの人を虜にした作品。BEST HIT USAのマイケル特集でも、親が子にみせたいマイケル作品の1位だった。
 「スリラー」には中毒性がある。
 この作品のオカルト的な要素が、当時マイケルが信仰していた宗教団体から非難をうけます。子供にも悪影響を与えるのではないかという事で、専門家による調査もされるのですが、その結果が興味深い。子供は怖がるのだけど、また見たいと思うようになるのです。病み付きにさせるのです。これは確かに私も感じます。何度この作品を見た事でしょう。まーたいていのダンスビデオは数回見たら飽きてしまう。ここまで中毒的な症状をさせる映像もそうないと思います。そこも「スリラー」の凄さ。
  「スリラー」はアルバムが発売された82年当初、シングルカットもビデオも考えられていなかった。発売当時、このアルバムのもつ未知の可能性をマイケル自身も想定してなかった感じ。
 やっぱ今見ても古臭くない。31年間見続けてきた。今でもマイケル・ジャクソンに最高に憧れたあの頃を思い出す。
 09年には歴史的財産としてアメリカ議会図書館の国立フィルム登録簿に記載された。エンターテイメント作品が芸術作品、人類の遺産作品にもなった。
 そして2017年11月、3D作品としてまた世に登場した。
 見た方の感想は、全然古臭ささは感じず圧倒的な迫力でマイケルとゾンビ軍団のDanceが展開されると。今回は限定公開となっていますが、今後の動きに期待です。

 以上がマイケルの9つの集団ダンス作品でした。
 『HISTORY』以降、集団ダンスはなくなりました。『Invincble』収録の「Unbreakable」のショートフィルムが制作されていたらどんな感じだったんだろうって、すごいインパクトだったろうなって今でも思う。
 そして『This Is It』もマイケルとバックダンサーとのダンスが満載。リハーサルなのにこのクオリティーです。
 マイケルは世紀のスーパースターと言われますが、このような作品を生み出せるアーティストはもう出てこないでしょう。
 最高の曲を書き、最高のボーカルで歌い、最高の企画を生み出し、最高のダンスをする。それらがパーフェクトに調和するのです。
 生み出すまでの苦労はいかほどのものだったでしょう。我々は知る由もありません。
 今回は、群舞系Danceのみセレクトしましたが、「スクリーム」「In The Closet」「ビリージーン」「Who Is It」「Leave Me Alone」(グラミー受賞)「Black Or White」「You Rock My World」etc・・・他にも傑作ショートフィルムがまだまだあるわけですから。
 マイケルはまさに人類の宝でした。音楽とダンスを見事に融合させ、我々に視覚的な楽しさも教えてくれた。そしてこうしてこれらのすばらしい作品群とともに多くの人々の心の中で生き続けていると思います。


★マイケルの映像作品の決定盤!ただし「キャプテンEO」と「Ghosts」は入っていません。

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◆ Find Me A Girl / The Jacksons (77)  マイケルのDEEPなボーカルに酔いしれる [楽曲エピソード]

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 与えられた音楽だけでなく、自分たちで音楽を作りたいという欲求が抑えれないジャクソン兄弟は、モータウンからエピックソニーへ移籍します。しかし、エピックもいきなりすべてをジャクソン兄弟に委ねるリスクを侵せず、前回紹介したように、当時の売れっ子プロデューサー、フィリーソウルのギャンブル&ハフにプロデュースを任せます。

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 前作、ジャクソンズ(ジャクソンファイブという名称はモータウンに帰属していたので使えなくなります)としての1st『The Jacksons』は、シングルヒットはでたものの、モータウンでデビューした時のようなビルボード1位を獲得するような勢いではありませんでした。
 Top ProducerのJam&LewisやBabyfaceも述べていましたが、ビックアーティストを手がけるのは魅力的だがセールスが振るわないと失敗といわれ、プロデューサーとしての評価もおとしてしまうリスクもあると。
 ジャクソンズの「Enjoy Yourself」もオージェイズや、ジェリー・バトラー、ビリー・ポール等とならんでギャンブル&ハフのヒットコレクションに加わりましたが、ギャンブル&ハフもトッププロデューサーとしてのプライドもかけ、さらなるヒットをねらい引き続き2nd『Goin Places』を製作します。

ゴーイン・プレイシズ~青春のハイウェイ

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 路線は、ほぼ1stの延長。アップ曲が増えた印象ですが、全体的な感触は1stと似てる。ストリングスとホーンを基調としたフィリーサウンドというものが、もともとそんなに幅が広くない気はします。
 このアルバムからは、タイトル曲、ギャンブル&ハフにしては高速ピッチの「Goin’ Places」がカットされますが、R&Bで8位。Hot100では52位止まり。
 続く2nd「Find Me A Girl」(僕のガールフレンド)がR&Bで38位にチャートインしたのみ。
 
 「Find Me A Girl」はヒットはしませんでしたが、個人的にはすごく好きなバラードです。リリックがすごく好き。恋する人なら誰もが抱くすてきな娘を求めるSweetで切ないリリック。ジャクソンズとしてのボーカルワークも素晴らしい。ティーンエイジャーのマイケルのボーカルも『スリラー』での「Lady In My Life」を思わせるDeepでちょっとJazzyな大人びた感じもする。

 このジャクソンズとしての2ndはセールスも振るいませんでした。トッププロデューサーのギャンブル&ハフが手がけ、楽曲もいいし、平和を訴えるメッセージソングも折り込んだ。リードボーカルはマイケル・ジャクソンなわけですから、アルバムの完成度が悪いわけはないのですが、ヒットには結びつきません。
 ファンは、もっとファンキーでエネルギッシュなジャクソンズを求めていたように思います。
 フィリーサウンドは、黒さはうすくエレガントでPOP感が強い。エピックとしては、ジャクソン兄弟をR&Bのフィールドだけでなく白人層でも受けるスタイルをねらった。
 その辺りのズレも生じたのかもしれません。

 マイケルも、「フィリーサウンドとジャクソン兄弟の相性が悪かった」と。偉大なプロデューサーの評価を自分たちが落としてしまったかもしれないとまで述べています。
 ギャンブル&ハフも、トッププロデューサーの維持もかけて今作に臨みますが、彼らが力を入れれば入れるほどフィリー色が強まりジャクソンズのカラーが失われていく感じです。まだジャクソン兄弟は、フィリースタイルに染まるには若すぎたのかもしれません。
 ここでふと思うのが、ジャーメインがジャクソンズに残っていたらというIF(仮定)です。ジャーメイン自身もモータウンでのソロアルバムで、スティーヴィー・ワンダー制作の「Where Are You Now」の他フィリーソウル風の曲も数多く歌っていていい感じに仕上がってる。もともと、ちょっと大人よりのこのサウンド、ジャーメインがアルバムでマイケルとリードを分け合っていたら相乗効果を生んだかも知れない等と思いました。
 ギャンブル&ハフはプロデューサーとしてだけでなくライターとしても素晴らしい。これらの曲をクインシー・ジョーンズなんかがProduceしたらすごくいい感じじゃないいかな。

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 フィラデルフィアソウルは、世界の音楽シーンに影響を与えた。フィリーソウルというカテゴリーを確立したといってもいいと思う。なじみやすいこのスタイルは日本の音楽シーンでもいまだに垣間見れる。
 ジミー・ジャムもフィリーサウンドにはかなり影響受けたと述べています。
 その功績において、ギャンブル&ハフはグラミー賞において、音楽での経歴の中で重大な貢献をした者に授与される「特別功労賞理事会賞」(受賞者にあのエジソンや、スティーブ ジョブズ、ジョージ・マーティン、ベリー・ゴーディー、クライブ・デイヴィス等、いずれジャム&ルイスも授与されると思う)も受賞。 

 そうは言ってもレコード会社的には、“相性が悪かった”ではすまない状況でした。モータウンからドル箱アーティストを獲得したと思ったら、実は落ち目のグループだったのでは、という評価に変わりつつありました。
 この作品の後、意志の人マイケル・ジャクソンは父親とともに行動をおこします。このときマイケルは19歳。
 マイケルは、ギャンブル&ハフとの限界を感じていました。そして、エピックの幹部とセルフ・プロデュースを勝ち取る為の交渉をします。このとき、エピック側はトッププロデューサーをつけているのに結果をださないジャクソン兄弟との契約を打ち切ることも考えていたといいます。
 しかし、前作でマイケルが単独で書き、ジャクソン兄弟が中心になって制作した「Blues Away」の完成度の高さや、ティトのリズムギターもナイスでFloorでうけた今作の「Diffrent Kind Of Lady」。そうしたジャクソン兄弟の確かな音楽性とマイケルの熱い思いが通じ、ついに次作でジャクソン兄弟に全面製作を任すという決断にいたります。
  
 セールス的には結果の出なかったギャンブル&ハフとの付き合いはこの後、途切れていたわけではないようで、近年もマイケルのから連絡が入り相談を受けていたと聞いて少し驚きました。
 レコーディングの際も、興味津々のマイケルをいつもスタジオに招いていたといいます。マイケル・ジャクソンのソロでの成功は、クインシー・ジョーンズの名前が一番に出ますし、その通りなのでしょうが、このギャンブル&ハフからも相当なものを吸収した感じです。
 マイケルとジャクソン兄弟は、念願のセルフプロデュースの権利を得ます。
 しかしそれはジャクソン兄弟にとってもはじめて与えられたチャンスであると同時に、失敗は許されないラスト・チャンスでもありました。
 そして、78年、ジャクソンズにとって、そして何よりもマイケル・ジャクソンにとっても転機となる運命の作品が発表されます。そのタイトルは、『Destiny』(運命)。

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