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◆ 『BAD』のグラミーでの評価を考察する [アワード]

                                                                         2011.11.4Up分に加筆・修正

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 過去記事でもとりあげたように『スリラー』は83年度のグラミーにおいて7部門を受賞した怪物アルバムです。最優秀楽曲は逃しますが、主要部門、ポップ、ロック、R&B部門を制覇します。現在、セールスも1億万枚を超え世界で一番売れているアルバムに認定されています。
 セールスと芸術的な評価が合致しない事は多々ありますが、『スリラー』は、世界一売れ、グラミー賞も独占し、音楽家からの評価も得た稀有なアルバムです。
 通常、ここまでの成功を収めたら次の目標は何に置けばよいのでしょうか?
 
 そんな中、マイケル・ジャクソンは、『スリラー』を超えるアルバムをまた本気で作ろうとしました。今でこそ『スリラー』は1億枚というセールス越えですが、『BAD』製作時には、『スリラー』の世界的なセールスは3,500万枚超え位だったと思います(内半分がUSA)。既にその売上枚数でギネス記録なのですが。
 ですので、『スリラー』超えは本気だったはず。グラミーに置いても、『スリラー』で逃した最優秀楽曲賞も含めた主要3部門の完全制覇もねらったかもしれません。
 
 87年8月に『BAD』は発売されBADプロジェクトが開始されます。ただし、発売月が8月というのはグラミー的には微妙な時期です。
 グラミーの対象年度の開始月は10月。8月というのはグラミー年度的には期末。シングル候補曲の選定からいってもグラミー年度的には微妙な感じがします。ただ『BAD』は例のごとく発売が遅れに遅れてしまったアルバム。当初は、86年末の発売予定が、翌年になり、87年の春発売のアナウンスもされますがさらに延期。レコード会社のプロモート諸々のタイムスケジュール的にも限界になります。
 この頃からMJの完璧主義の片りんが見えてくるような気がします。
 現場監督のクインシー・ジョーンズや、周囲がOKを出しても、マイケルは納得しない。『BAD』は、『スリラー』の時よりはるかにマイケルはSOUNDに関わった印象を受けます。「まだよりよいものができる、まだ完璧な音ではない」という思いで、トラックの手直しをし、歌い直しも何度もしたといいます。
 どんどん発売時期が遅れ、もうレコード会社も限界、そしてなんとか夏の発売になったという感じです。
 
 グラミー的には、まず発売時期が失敗だったと思います。
 87年度のグラミーではなく、10月まで延期して88年度を狙った方が良かったと思います。ただEpic Sonyはマイケルだけのレコード会社ではありません。もう一人の超ドル箱アーティストのジョージ・マイケルも擁していました。ジョージの『Faith』も待機する中、二人のマイケルのアルバムを同時期に出す事はできないでしょう。
 
 USAにおける『BAD』のシングル発売日とチャートです。(Hot-100/R&B)
               
 87.8   I Just Can't Stop Loving You   (1位/1位)
 87.9   BAD                     (1位/1位)
 87.11  The Way You Make Me Feel   (1位/1位)
 88.2   Man in The Mirror           (1位/1位)
 88.4   Dirty Diana                  (1位/5位)          
 88.7   Another Part Of Me          (11位/1位)
 88.7   Smooth Criminal           (7位/2位)

 5曲のビルボード1位獲得は驚異的。
 このシングルヒットは『スリラー』を完全に超えます。というか1枚のアルバムから5曲のNo1シングルが出るというのはビルボートのチャート史上でも初めての快挙。この偉業をやぶるアーティストはもういないと思ったら、Katy Perryの3rdアルバム『Teenage Dream』から5枚のNo1シングルが出てMJの記録に並びます。

ティーンエイジ・ドリーム~コンプリート・コンフェクション~

ティーンエイジ・ドリーム~コンプリート・コンフェクション~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • 発売日: 2012/03/28
  • メディア: CD
  (6枚目のNo1を狙うべくシングルカットされますが、No1は達成できず)

 そういうわけで『BAD』は87年度と88年度にまたがってのノミネートとなり、合計6部門とエンジニア部門で1つのノミネートとなります。 
 まず87年度のグラミーで対象になったシングルは、「Can't Stop Loving」と「BAD」だけとなります。もちろんアルバム『BAD』は、最優秀アルバムにノミネート、クインシーとマイケルは最優秀プロデューサー部門にもノミネートはされますが、シングル対象としては、「BAD」で最優秀R&B歌手でノミネート。アルバム『BAD』で最優秀POP歌手のノミネート。
 この年度で、『BAD』関連では4部門のみのノミネートとなります。
 結果は以下の通りです。

【 最優秀POP歌手 】
★ Sting  『ブリング・オン・ザ・ナイト』
   マイケル・ジャクソン 『BAD』
   ブルース・スプリングスティーン 「ブリリアント・ディスガイズ」
   エルトン・ジョン 「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」
   アル・ジャロウ 「ムーンライティング」
 
【 最優秀R&B歌手 】
★ スモーキー・ロビンソン  Just To See Her
   マイケル・ジャクソン    BAD
   ウィルソン・ピケット    In The Midnight Hour
   ジョナサン・バトラー    ライズ
   スティーヴィー・ワンダー スケルトンズ
 
【 最優秀アルバム 】
★ ヨシュア・トゥリー       U2
   BAD              マイケル・ジャクソン
   サイン・オブ・ザ・タイムズ  プリンス
   トリオ               ドリー・パートン
   WhitneyⅡ            ホイットニー・ヒューストン
 
【 最優秀プロデューサー 】
★ ナラダ・マイケル・ウォルデン
    クインシー・ジョーンズ&マイケル・ジャクソン
   ダニエル・ラノワ&ブライアン・イーノ
   ジョン・クーガー・メレンキャンプ&ドン・ジーマン
   エミリオ&ジャークス

 マイケルの受賞はありませんでした。
 『BAD』がポップ部門でノミネートされているのも個人的には微妙。
 R&B部門で受賞してほしかったけど、モータウンの大御所スモーキーの受賞。この曲もリアルタイムに聞いたけど、スモーキーの繊細なボーカルと楽曲がマッチしてて素晴らしい出来だった。
 最優秀アルバムは、混戦。
 今回、マイケルはグラミーのステージにも立ちます。マイケルはゴスペル隊を率いて「マン・イン・ザ・ミラー」の圧巻のパフォーマンスをみせます。
 これまでダンスで度肝を抜かれた観衆は、マイケルのボーカル、その存在感に圧倒されます。
 このグラミーでの熱唱はマイケルの伝説のパフォーマンスの一つとなります。
 そしてマイケルのパフォーマンスの後、まだマンミラの余韻が残る中、最優秀アルバムが発表されます。
 プレゼンターは、、ダイアナ・ロスとハーブ・アルバート。
 マイケルの最優秀アルバム受賞のお膳立ては出来ている中、ダイアナの口から発せられたアーティスト名はU2でした。
 個人的には、『サイン』は素晴らしすぎたのでプリンスにとって欲しかったけどU2の受賞。このアルバムも名盤すぎる。
 最優秀プロデューサー、『ヨシュア・トゥリー』を手がけたダニエル&イーノがとるかと思ったら、けっこうコマーシャルなナラダが取るという意外性。ナラダが壇上に上がる際、一番前に座っていたクインシーが立ち上がりナラダをハグし祝福します。その横にはマイケルが笑顔で座っています。
 ナラダ・マイケル・ウォルデン、この年、ホイットニー・ヒューストンの2ndや、スターシップのNo1ヒット「愛はとまらない」やこれまたNo1ソング、ジョージ・マイケル&アレサ・フランクリン「愛のおとずれ」のWORKSが高く評価された(けっこう売れ線⇒実際、No1ソングを連発)。
 マイケル、特にクインシーに対してはより高いものを求められた気もします。クインシー的には、90年の『バック・オン・ザ・ブロック』で最優秀アルバムと最優秀Producerを受賞し、この時のリベンジを果たしますが。
 
バック・オン・ザ・ブロック

バック・オン・ザ・ブロック

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1995/05/25
  • メディア: CD
 
 『BAD』関連では、ブルース・スウェデンが最優秀エンジニアを受賞しています。『スリラー』に引き続きの受賞です。最新テクノロジーを駆使しつつも、SOUNDのバランスを考えた『BAD』の録音バランスの素晴らしさが高く評価されます。
 余談ですが、この時のグラミーのステージパフォーマンスといい来場者といい、華やか。
 こういう場を好みそうにないプリンスが会場に来ていたのも、あらためて驚いた。
 オープニングがWhitneyⅡを引っさげての参加のホイットニーが、ナラダが手がけたNo1ソング「すてきなサムボディー」ダンサンブルに抜群の歌唱力で歌う。
 新人部門ノミネートのテレンス・トレント・ダービーも「If You Let Me Stay」をマイケル、プリンスのスティーヴィー・ワンダーの前で熱唱(受賞はジョディー・ワトリーだったけど)。
 そんな華やかな中でも、一番印象に残ったものは、一つも受賞できなかったマイケルの「マン・イン・ザ・ミラー」のパフォーマンスだったと思います。
 
 そして翌88年度のグラミー対象として、最優秀レコードに「マン・イン・ザ・ミラー」がノミネートされます。前年のマイケルのステージでのパフォーマンスは圧巻でしたが、この曲の旬はもうすぎていた感。最優秀レコードと最優秀楽曲賞を受賞できるポテンシャルのこの曲のノミネートは、『BAD』発売の87年度ではなく。翌年の88年度なのです。
 
【 最優秀レコード 】
★ Don't Worry Be Happy  / ボビー・マクファーリン
   Fast Car  / トレイシー・チャップマン
    Giving You The Best / アニタ・ベイカー
   Rol With It / スティーヴ・ウィンウッド
     Man In The Mirror / マイケル・ジャクソン

 物事にはタイミングがあります。グラミーもプロ中のプロが選ぶ賞といっても、レコード会社の思惑もゼロではないでしょう。88年度ではマイケル・ジャクソンの『BAD』は既に旬ではなかったのです。
 ただ映画『ムーンウォーカー』の中で公開された「Leave Me Alone」のショート・フィルムは高い評価を得(監督はジム・フラッシュフィールド)、89年度のグラミーで最優秀ショート・フォームビデオを受賞しています。
 
 『BAD』のグラミーでの評価は以上の結果でした。
 
 繰り返しになりますが、個人的には、発売時期の出だしでつまずいた印象はもちます。
 『BAD』の核になるべき曲は、「BAD」「Man In The Mirror」「Liberian Girl」「Smooth Criminal」だったと思います。正直な所、この順番でカットしてもすべて1位をとれたと思います。『BAD』を87年の10月までずらすか、せめて87年の春に出すことが出来たら状況は大きく変わっていたように思います。
 グラミー効果はすごい。グラミーを制覇したという事でアルバムセールスは伸び、アルバムの評価も一気に高まります。人は権威に弱い。
 
 87年度のグラミーの最優秀レコードのノミネート曲は、例年に比べてもおちる気がする(受賞はポール・サイモンのグレイスランド)。87年度内に「Man In The Mirror」がリリースされていたら、最優秀楽曲も含めノミネートされていたかも。
 あとスティーヴィーとの「Just Good Friends」もカットされていたら最優秀POPグループ(いやR&Bか)も十分対象曲になりえた。スティーヴィーの名前はグラミーに強い。ただ当時、スティーヴィーのアルバムにMJがお返し的に参加した「Get It」をカットしていたので(あまりヒットはせず)同じDuo相手の曲のシングルカットはしにくかった気もします。
 
 イメージというか、印象というのはすごく大事で、何かをきっかけに一気に流れは変わる事がある。『BAD』の潜在能力は決して低くない。ポテンシャルは相当なのに、結果を残せなかったのが残念で仕方ない。
 86年の10月に『BAD』プロジェクトを開始し、まず「Can't Stop Loving You」を先行シングルできる。『スリラー』の後で全世界の人が待ちわびた曲ですから。正直、サイーダ・ギャレットではなく、大物POP女性歌手を起用していたら、よりインパクトはあった。曲は良いと思います。
 そして「BAD」です。このMusic Videoのインパクトは、楽曲をカバーした。
 当初、RUN DMCを起用したHip Hop的なノー・ドラッグSong、Street的なハードエッジな強烈なメッセージSongを制作していたら、さらにこのタイミングでテディー・ライリーを起用していたら相当なインパクトをもったはず。「BAD」はメッセージ的にも曖昧で、個人的には何が主張したいのかよくわからなかった。
 そして、「Man In The Mirror」がきたら、さらなるインパクトです。
 そして最先端デジタル機器を惜しみなく投入し、TOTO勢によって製作された、メロディーラインも美しい、クインシーのアレンジも素晴らしい大人のバラード「リベリアン・ガール」も世界中の人に受け入れられたに違いない。
 そして映画『Moon Walker』での「Smooth Criminal」です。これらのシングルをグラミー年度期間でめいいっぱいカットしていたら、こんなノミネーションにならなかったはず。
 そしてチャートという大衆の後押しは、グラミー選定者も無視することはできない。語っていたら、ますます残念に思えてきた。
   
 前回もちょっととりあげましたが、『BAD』をリズムアレンジで分類してみます。

  -MJ&Others-
 2  The Way You Make Me Feel
 6  Another Part Of Me
 9  Dirty Diana
 10 Smooth Criminal
 11 Leave Me Alone
 
 -Quinsy&MJ-
 1 BAD
 3 Speed Demon
 4 Liberian Girl
 
 -Quincy&Others-
 5 Just Good Friends
 7 Man In The Mirror
 8 I Just Can't Stop Loving You 
 
 こうして分類すると、クインシーが絡む楽曲はプロっぽい。
 逆にMJ主導の曲は、技術的なものは不足しているかもしれませんが、MJの嗅覚というか本能的なセンスを感じる。そして、シングルの選定もマイケルがメインで手がけたものからカットしていった。
 そういったアレンジの視点で見ると、MJのアレンジはプロからみたら未熟に見えた部分もあったのかもしれません。
 マイケル・ジャクソンは、ボーカリスト、パフォーマー、ライターとしての才能も一目置かれるけど、SOUNDアプローチまではプロを納得させれなかったのかもしれません。
  
 『BAD』はグラミーでは正当な評価を得る事は出来ませんでしたが、マイケルのそれこそ血と涙の結晶のようなアルバム、マイケルワールドが凝縮されたアルバムだと思います。一番マイケル・ジャクソンのカラーがでたアルバムはどれだ?と聞かれたら私は迷いなく『BAD』をあげます。
 グラミーでのこの結果に、マイケルはある意味『オフ・ザ・ウォール』の時よりもショックを受けたかもしれません。『スリラー』で一度頂点を極めている、マイケル・ジャクソンとクインシーに対してはかなりの高いレベルが求められた部分もあるように思います。
 次作『Dangerous』もマイケル渾身の作品ですが、グラミーでの評価は得られず。マイケル・ジャクソンの名前はグラミーから遠のいていきますが、その理由というか要因はよくわかりません。
 クインシー・ジョーンズがサポートしていないと同業の業界人は評価しないのでしょうか。
 『スリラー』であんなに受賞したからいいだろう、とか同業者のジェラシー的なものもあるのだろうか、グラミー賞は何だか先入観と偏見に満ちている部分も感じます。
 そうはいっても、作品でグラミー賞の受賞は遠のくものの、マイケルの功績は「特別功労賞伝説賞」「特別功労賞生涯業績賞」というもので讃えられますが、マイケルとしては作品での受賞を最後まで望んだように思います。
 しかし、作品がグラミーで受賞できなくとも、一般の人たちが選ぶアメリカン・ミュージック・アワード(AMA)等では高い評価を得続けます。ファンの前で、はにかみながらもとびきりの笑顔でスピーチをするマイケルの笑顔は今でも心に刻まれている。

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◆ New Jack Swingの帝王Teddy Rileyが同時期に手がけたMJ『DANGEROUS』と『Bobby』の違いとは!? [プロデューサー、ミュージシャン]

                                                                  2010.2.6Up分に大幅追記mjbobby.jpg

 クインシー・ジョーンズとの3部作を作り上げたマイケルは、クインシーから卒業し、自身が選んだcreaterたちとアルバムを制作し91年11月『Dangerous』が完成します。

Dangerous (2015)

Dangerous (2015)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 2015/09/04
  • メディア: CD
 
 87年の『BAD』から4年ぶりの全世界が待ち望んでいたマイケル・ジャクソンの新作です。そして『Dangerous』のサウンドの核を担ったのが若きニュー・ジャック・スウィングの帝王・テディー・ライリー(当時24歳)でした。
 
 翌92年8月、ボビー・ブラウンの3rd『Bobby』のメインプロデューサーもテディーです。
 
Bobby

Bobby

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 1992/08/25
  • メディア: CD
 
 これまた世界が注目するアルバムでした。ボビーの前作『Don't Be Cruel』は、全世界で1千万枚を超える売上を記録し、ビルボードでも1988年の年間No1アルバムに輝き、ボビーはMJの後を継ぐR&Bのスーパースターへの道を歩み出した。このアルバムでLA&BABYFACEとTeddy Rileyが提示したサウンドはシーンに強烈なインパクトを与える。

 この2作の大作のメインプロデューサーがテディー・ライリーだったのです。
 今回、『Dangerous』と『Bobby』という二つのビックアルバムから、マイケル・ジャクソンとテディー・ライリーを掘り下げたいと思います(今回、ボビーは脇役ね)。
 
 まず、なぜKing Of Popのマイケルは若き才能テディー・ライリーの起用を考えたのか。

 テディー・ライリー、80年代後半に、進化する機材を自由自在に操り、独自のリズムアレンジメントとスネアで新たなグルーブを生みだし、ブラックミュージックシーンに大きなインパクトを与えた。
 ヒップホップとR&Bを融合させたそのスタイルは、後にNew Jack Swing(NJS)と呼ばれます。

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 85年辺りからテディーは、プロデュース的なものを始め、クール・モーディー、へヴィーD&ザ・ボーイズなどのラップ系アーティストを手がけていた。
 テディーがR&Bアーティストを手がけ始めたのが、87年のKeath Sweat(キース・スウェット)のアルバム『Make It Last Foerver』。(87.12月発売)

Make It Last Forever

Make It Last Forever

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Rhino Flashback
  • 発売日: 2011/06/21
  • メディア: CD
 
 ここから「I Want Her」がビックヒット(R&B1位/Hot100-5位)。テディーの初めてのメジャーヒットといえる曲です。アルバムはテディーが全編手がけており、素晴らしい仕上がりです。キース・スウェットのこれまでいそうでいなかったDeepなVocalにも魅了された。打ち込み色は強いですが、テディーの抜群のセンスを感じます。87年の年間No1-R&Bアルバムにもなる。
 87年はMJの『BAD』が発売された年でした。シングル「BAD」はMusicシーンにも大きなインパクトを残しますが、87年の年間No1-R&Bシングルになったのは、マイケルではなくTeddyが手がけた「I Want Her」でした。(もちろんHot100ではMJの圧勝です、あくまでもR&Bチャートの話。さらに3位はこれまたTeddyが手がけたのジョニー・ケンプのJust Got Paid)
 シーンの動向も熟知しているマイケルは、サウンドを手がけた当時20歳のテディー・ライリー(マイケルと9歳違い)という若者の存在を強く意識したに違いない。
 さらにテディー自身も加わった3人組グループ『GUY』が88年7月に登場。 

Guy (Spec)

Guy (Spec)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 2007/07/17
  • メディア: CD
  
 乗りまくってるテディーの溢れんばかりの才能が凝縮されたアルバム。アルバムは3か月で仕上がったといいます。完璧を求めて音の細部までボーカルの細部まで追求したマイケルとは対照的。
 ラフなとこもありますがそれがまたいい生のグルーブを生み出していると思う。テディーのサウンドのスゴさは、打ち込みサウンドなのに、ライブ感があるというか黒いグルーブがグイグイ押し寄せる所。
 このアルバムからは、シングルとしてはR&BでもNo1ヒットは出ていませんが、5枚のどれもちがったグルーブを持っているシングルが次々きられ、アルバムは売れ続けます。そして前年のキースに続き、88年のビルボード年間R&B-No1アルバム輝きます。
 このアルバムは、マイケルもお気に入り。特にRomanticニュージャックスウィング的な「Spend The Night」がかなり気に入ったみたい。後に『Dangerous』でテディーと作り上げた「Remember The Time」につながっていった気もします。
 マイケルはこのアルバムを聞いて、次作では「テディーを起用したい」と強く心に刻んだに違いない。

 さらに88年6月に発売されたボビー・ブラウンの2nd『ドント・ビー・クルエル』です。
 
Don't Be Cruel

Don't Be Cruel

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
 
 『ドント・ビー・クルエル』は、シングルヒットを連発し、瞬く間にアルバムチャートも1位になり、最終的には89年の年間アルバムチャートにおいて、当時バカ売れのニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック、ポーラ・アブドゥル、ボン・ジョビ、ガンズ・アンド・ローゼズを等のPOP、ROCK勢を抑え、このR&B全開のアルバムが1位に輝く事となります。
 そしてこの『Don't Be Cruel』は、その後のR&B(90年代)の流れを作ったアルバムにもなりました。シーンにインパクトを与えたのはマイケル・ジャクソンの『BAD』ではなく、若干19歳のボビーのスタイルでした。中古CD屋でも200、300円のコーナーに陳列されているのを見かけたりする事もありますが、エポックメイキングなR&Bアルバムなのです。
 マイケルもボビーの『Don’t Be Cruel』のスタイルを見て、ちょっと「やられた」感はあったと思います。そしてそのサウンドを手がけたのが、LA&BABYFACEでありTeddy Rileyだったのです。
 このアルバムからは、5曲のヒットがでます。一番のヒットはTeddyが手がけたNo1シングル「My Prerogative」(クレジットは当時のテディーのボス⇒ジーン・グリフィン)で、年間チャートでもNo-2シングルとなるメガヒット曲です。この異常なまでにスネアを強調したドラムが斬新。打ち込みなのにこのライブ感。
 LA&BABYFACE作の「Don’t Be Cruel」「Roni」「Every Little Step」もヒットした。Babyfaceが中心となって書いた素晴らしいメロディーに、洗練されたLAのビートがのる。そして時折ボビーのラッピンも入る。この当時の音をみんなNJSという表現でくくる傾向がありますが、当時のLA’FACEの音はそれとはちがうと思います。
 ボビー・ブラウンというボーカリストであると同時にStreet感覚ももちあわせたアーティストだからこそできたラップの融合。ラップとボーカルの融合は、TeddyのNJSによってどんどん進行します。
 そして「My Prerogative」は19歳のボビーと21歳のテディーのヒップホップ魂が炸裂した曲。このNo1シングルはあちこちで流れ、ボビーだけでなく、テディー・ライリーという若きクリエイター、裏方的なプロデューサー/アレンジャーが注目される事となる。
 この辺からテディーへのプロデュースやリミックスの依頼が殺到。
 何よりすごいのがクインシー・ジョーンズとスティーヴィー・ワンダーからも単発のリミックスの依頼を受けている事。
 そして、この頃からテディーのサウンドはニュー・ジャック・スウィング(NJS)と呼ばれるようになる。テディーが出たての頃はまだこの名称はつけられていなかった。
 R&Bシーンは、ある意味ニュー・ジャック・スウィングに染まる。ニュー。ジャック・スウィングっていう言葉の響きもいいよね。
 当時のトッププロデューサー、ジミー・ジャム&テリー・ルイスも、ジャネットとの『Rhythm Nation 1814』(89)やジョニー・ギルの「Rub You The Right Way」(90)はモロ、アレクサンダー・オニールの『All True Man』(91)、サントラ『Mo Money』(92)でその影響が色濃く見える。
 洗練された都会的なサウンドとメロウなメロディーラインでヒットを連発していたLA&BABYFACEも、自身のLAFACEレーベルからデビューしたダミアン・デイムやTLC等ヒップホップ的な要素を一気に強めた。
 89年、90年のR&Bはテディーを中心に動いていたと思う。Neweditionから発生したベル・ビヴ・デヴォーももろNJSでヒットした。
 で、その弊害としてNJSもどきも大量に溢れていき、そのサウンドも飽きられていく。
 そんな中、90年12月、テディー率いるGUYの2ndがドロップアウト。

Guy the Future

Guy the Future

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Mca
  • 発売日: 1991/07/01
  • メディア: CD
 
 デビューアルバムでは、裏方にまわっていたテディーもこの2ndでは、自身でラッピンしたり、ジーン・グリフィンへの決別宣言、NJSフォロワーを皮肉る曲等、テディーのメッセージが全開。
 しかしこの2nd、素晴らしいアルバムですが、前作の200万枚には及ばずミリオンにとどまります。
 テディー自身も、かつての勢いがなくなっていっているのを感じたのではないでしょうか。
 
 そして、マイケルです。
 『BAD』は87年7月に発売され、2年に渡りシングルカットがされていきます。最後のシングルUKでの9枚目のシングル「リベリアンガール」は89年7月にカットされ『BAD』プロジェクトは終了します。
 そしてまた世界はマイケル・ジャクソンの次のアルバムを待ち望むわけです。
 エンジニアのブルース・スウェディンによると『BAD』プロジェクトが終了した次の日には、マイケルは次のアルバムに向けてデモテープを作成していたと。
 クインシーと制作した3つのアルバムは歴史を塗り替えるものでした。その成功はマイケルだけでなく、クインシーあってのものという見解も(グラミー寄りのプロのミュージシャンほど)あったように思います。
 成長し、進化したマイケルは、今度は、クインシーの力を借りずに自分が全てをコントロールしたアルバムを作りたいという欲求が相当あったように思います。
 そしてテクノロジーの進化がマイケルの希望を叶えた。
 クインシーは、自身で映画音楽、ジャズ、ポップ、あらゆるジャンルの譜面も書き、自身もトランペッターであり、ミュージシャンにも指示できた。
 しかし、時代は変わり、キーボード、ドラムマシーン、サンプリング機器があればそれこそ一人でも自分のイメージするサウンドを作れるようになる。
 マイケルのように楽器に長けていないアーティストにとっては都合の良い時代となっていた。
 マイケルはその財力もあり、最新機器を自宅のレコーディングスタジオに買い揃えた。そして、スタジオにこもって、機器にも通じているビル・ボットレルを右腕とし、作曲し、デモ曲を作りまくっていたようです。まだ『DANGEROUS』の輪郭は見えていません。
 マイケルは次のアルバムの目標枚数を1億枚と考えていたといいます。
 マイケル自身もたくさんの曲を書き、サウンドも完成させていく。しかし、何か決定的なものが足りないと感じていたのではないでしょうか。
 そして、それが斬新なリズムと強烈なビートだったのではないかと思います。
 こうして行き詰った状況で91年初頭、マイケルが呼び寄せたのがテディー・ライリーだったのです。  

 前述したように、マイケルがテディーに声をかけたとき、テディーのNJSムーブメントの絶頂期は過ぎ下降期に入っていた。意地悪な人間なら、「今更テディー・ライリー?」的な所もあった。しかしマイケルはテディーを呼び寄せた。
 テディーの方は、最初マイケルからお呼びが掛かるなんて夢にも思わなかったみたいですが。彼も「うれしいというよりビビった」と。
 テディーがマイケルのスタジオに入ったとき、必要なものはすべてそろっていたといいます。そして、マイケルのニューアルバムプロジェクトに集中するため、VIP待遇のホテル住まいとスタジオ(改築までする)での寝泊りの日々が1年2ヶ月続いたといいます。
 そしてテディーは、マイケルとの作業をカレッジに通っているようだったとも振り返っている。
 当初、偉大なマイケルに気後れしていたテディーも、マイケルの本気度がわかり、マイケルの要望、高い要求に応えれるサウンドを作るために必死になったといいます。
 こうしてマイケルとテディーの共同作品は7曲、アルバムに収録される事となります。
 その中で「Remember」とスネアがかぶる「Blood On the Dance Floor」は外され、「Someone Put Your Hand Out」のような素晴らしいSlowも見送られ、LL・クール・Jが参加した「Seroius Effect」(未発表)等も収録外となる。
 当初『DANGEROUS』は2枚組プランだったようですが、デジタル時代の恩恵で1枚のCDに収めることができた。でも逆に、Disk1 Teddy's Groove、Disk2 MJ World 的な感じで2枚組に分けた方が、『Dangerous』という傑作アルバムの輪郭が見えやすくなるように思った。
 
 そして、『DANGEROUS』の半年後に発表されたのが、ボビー・ブラウンの『Bobby』でした。『Bobby』の製作陣は、前作と同じLA&BABYFACEが3曲、Teddyが7曲手がけます。前作『Don’t Be Cruel』がメガヒットしたボビーの次作というだけあって、シーンが注目した。
 さらに妻のホイットニー・ヒューストンとのデュオも収録され、WhineyとNJSの出会いも注目された。ボビー自身も、マイケルがテディ・ライリーを起用したのを相当意識していて、「おれの作品は、マイケルがねらったもの以上の出来に仕上がっている」と自信を覗かせた発言をしていました。

 NJSのKeyの一つにはドラムのスネアがあると思います。それまでもドラムマシーンのようなもので人工的にドラム音は作れていましたが、割と単調かつ軽い感じでした。しかし、テディが作り出すビートは、重厚でいろいろなパターンの響きをもっていた。タメも絶妙だった。
 いろいろプロの方を含めこのNJSについてご教示頂いたのですが、(Special Thanks To Shin / Cookie)このドラム音ってシンセとかで簡単に作れるかと思っていたら、当時は、この音圧感や響きをゼロから作り出していたのですね。いろいろ理論的なことを聞いて、「My Prerogative」なんかを聞くと、サウンドの中でドラム音がめちゃ前面にでてるのを感じます。ある意味、スネアが強すぎてバランスは悪い。でもそれが新しかった。
 
 テディー・ライリーは、『Dangerous』と『Bobby』でそれぞれ7曲を手がけます。ただ両作品に関わったテディのスタンスがちがった気がします。この2作品を聞き比べると、明らかにマイケルの『Dangerous』の音のほうが、バラエティに富んでいるというか、いろいろなパターンの新しいTeddy流のスネアとGrooveを感じます。
 『Bobby』の方のスネアは、これまでの使ったものも含めて数パターンしかない感じ。テディが旧友のボビーの作品で手を抜いたわけではないでしょうが、マイケルに自分の持っているものを出し惜しみせずすべて提示したという印象を受けます。
 さらに言うと『Dangerous』はマイケルとテディーの共同作業。対等か、マイケルの方が主導権を握っていたと思います。テディーもマイケルのプレッシャーにより、新たなcreativeパワーが生み出された感がある。マイケルも若きテディーからいろいろなものを触発された面も感じる。二人の才能がスパークし相乗効果を生んだのです。
 『Bobby』の方では、基本テディーの単独プロデュース。ボビーはサウンド面の関わりはうすい。
 こうして同時期に制作されたこの2作品、ボビーの言うように後出し有利の中、楽曲の仕上がりは『Dangerous』の圧勝。『Bobby』の方は、これまで通りのNJSしか感じないのです。
 セールス、チャート的にも的にも顕著にあらわれます。
 『Bobby』からは最初のHumpin' AroundがR&B-2位、HOT100-3位となりますが、これはLA&BABYFACE作。LAFACEもNJS的な音圧のRemixをした感じ。
 2ndがWhitneyとのDuo「Somthing In Common」。曲もよく、サウンドもいいのにR&B-30位。HOT100-32位というかなり意外なチャートアクション。
 3rdもLAFACEの「Good Enogh」でR&B-5位。HOT100でも7位に入る。
 4thにやっとTeddy色全開の「Get Away」がくるもR&Bでも3位。HOT100-14位とR&Bチャートでもふるいません。
 アルバムセールスも2位まであがるも200万枚にとどまり、『Don't Be Cruel』の時のような勢いはありません。これもシーンがテディーサウンドに新しさを感じていない部分があると思います。
 個人的には、Lovin You Downがすごく好き。この感じはマイケルには出せないな。

 この前ツイッターで欲しがるマイケル的な事を書きました。
 『BAD』は、パープルレインで成功したプリンスとミネアポリス勢の影響を感じる。
 NJSを欲し、Teddy Rileyを呼び寄せた。
 『Don't Be Cruel』の成功の目の当たりにして兄ジャーメインとのレコーディング中にもかかわらずLA&BABYFACEを呼び寄せ、ジャーメインの怒りもかってしまう。
 妹ジャネットの『Rhythm Nation 1814』での成功を求めJam&Lewisと「Scream」他を作り上げた。
 『ボディーガード』のWhitneyの成功を見て、David Fosterも呼び寄せた。
 93年辺りからシーンを席巻したダウン・ローの創始者・R.ケリーも招く。

 90年代に入り、マイケルは最先端のスタイルではなく後追いになった印象は受けます。節操がないと思われる位、シーンを席巻したcreaterを呼び寄せた。(しかし、それは自己満足というものではなく、我々ファンを満足させるためのもの)。しかし、テディーに代表されるように、その才能に新たな刺激を与え再び活性化させた。
 他のCreater達もマイケルとの共同作業で大きな影響を受けている(後、異口同音に根気と忍耐力がいるとも言ってる。⇒何回もやり直すから。D・フォスターなんて超文句言ってる)。
 テディーは、94年に結成した新たなグループ、Blackstreetで復活する。

Blackstreet

Blackstreet

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Interscope Records
  • 発売日: 1994/06/21
  • メディア: CD

 テディーはマイケルから楽曲の重要性と実際にピアノやシンセ等を使って曲を作る大切さを説かれている。その辺がこの94年のブラックストリートのアルバムに活かされていると思う。
 96年には「No Diggity」というメガヒット曲もうみ、またテディーの新たなビートがシーンを席巻する。テディーの門下生的な、ティンバランドやファレル・ウィリアムスやロドニー・ジャーキンスもテディーの元から巣立ち独自のサウンドを構築し、シーンにインパクトを与えていく
 マイケルとの濃厚な時間の中でプロフェッショナリズムというものも学んだのではないかとも思う。
 この時の思いで、テディ自身がマイケルの良き理解者として行動し、マイケル逝去後のアルバム『Michael』を主導するけど、それは行き過ぎた事だったとは思う。
 とにかくマイケル・ジャクソンに出会ったことによりテディー・ライリーは蘇ったと思う。
 
 『Dangerous』、80年代のクインシー3部作とはまったくカラーの違うマイケルが作り上げた作品。New Jack Swingの帝王、テディー・ライリーと作り上げたアルバムですが、同時期の『Bobby』と聴き比べてもわかるように一連のテディー作品とは別格というか別モンのような作品です。

 また次回、『Dangerous』への道のりを記したいと思います。

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◆ KING OF POP DELUXE UK Edition(3枚組)がMJのBEST盤としても最強の件 [企画もの、アイテム]

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 前回、『BAD』からシングルカットされたExtended群を紹介しましたが、マニアックな視点だと、ジャケットのかっこ良さも含め、1曲1曲もかみしめたい的な所で、個別に12インチレコードだったり、CDSを購入できればよいわけですが、なかなか収集するのも大変。
 そんな中、シンプルに「Extended系をまとめて聞きたい!(≧∇≦)/」という所でおすすめするのが『KING OF POP UK Edition』(3枚組)です。

 以前にも紹介しましたが、この『KING OF POP』は、マイケルが亡くなる約10ヶ月前、マイケル・ジャクソン生誕50周年を記念して、各国(世界28ヵ国だそう)でファン投票によるマイケル・ジャクソンの人気曲を決めて、それをベスト盤として発売しようというものでした。
 その後、まさか1年を待たずしてマイケルが亡くなるとは夢にも思わない企画でした。
 日本では5曲を選んで投票する形となった。

キング・オブ・ポップ-ジャパン・エディション

キング・オブ・ポップ-ジャパン・エディション

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
  • 発売日: 2008/09/24
  • メディア: CD
 
 Wikiとかを見ると、各国の収録曲がまとめてあって、いろいろと興味深いです。各国の順位曲を指数でランク付けして合計出来たのでBEST10を載せてみます。

 1位 Billie Jean (83)
 2位 Smooth Criminal (88)
 3位 Black or White (91)
 4位 Beat It (83)
 5位 Man In The Mirror (87)
 6位 Thriller (84) 
 7位 BAD (87) 
 8位 Don't Stop 'Til You Get Enough(79) 
 9位 Heal The World (91) 
10位 Remember The Time (92)

 まあ特に驚くような結果でもない。
 「ビリージーン」はJapanも含め各国でほぼ1位。「スムーズ・クリミナル」の人気も高い。
 合計すると、けっこう妥当な順位のように思いますが、各国収録曲を個別に見るとなかなかおもしろい。日本版は、「We Are The World」のマイケルのデモバージョンやポール・マッカットニーとの「Say Say Say」も収録されていてかなりバランスいい。

 各国ともこのBEST10ソングがほぼ収録されていますが、ロシア版には「ビートイット」「スリラー」「BAD」他マイケルの代表曲とも言える曲の半分が収録されていない。また各国の特徴については次回まとめてみたいと思います。
 
 さて、そんな中で表題の『KING OF POP』のDELUXE UK Edition(3枚組)が最強という話なのですが、マイケルのソロアルバムやジャクソンズ名義のものはそれなりにあります。
 マイケル・ジャクソンというアーティストに興味をもった際、「どれから聞いたらいいのか?」という質問はけっこう悩ましいところです。MJを語るものとしては1枚1枚のアルバムにはそれぞれのカラーがあるのでそれを聞いてもらいたいという思いはあります。
 入門編としてのベスト盤もけっこういろいろ出ています。
 下記Ulitimate Collectionもジャクソンズファイブ時代からのNo1ソングをすべて収録。

Ultimate Collection (W/Dvd) (Spkg)

Ultimate Collection (W/Dvd) (Spkg)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 2004/11/16
  • メディア: CD
 
 さらに、アルバム選考からもれたレアな未発表曲も多数収録されていて、マイケルファンとしては必須のアイテム。ただこちらにはExtended系は収録されていない。ファンでないとアルバムに収録されなかったトラックに魅力を感じない人もいるかもしれない。
 今回のKING OF POPのDELUXE UK EDITIONは3枚組、ジャクソンファイブ時代のものは収録されていませんが、『オフ・ザ・ウォール』以降のマイケルのNo1ソング(ポール・マッカットニーとの「Say Say Say」も含めすべて収録されています。音圧も高めでいいし、『オフ・ザ・ウォール』(79)から『Invincible』(01)までのヒット曲、マイケルの代表曲がバランスよく収録されている。

 Vol1は、デラックス盤ではない英国の1枚ものの通常盤と同様のものみたいで、UKでのベスト17が収録。 

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1-1 Billie Jean (Single Version) 4:54
1-2 Bad (Album Version) 4:08
1-3 Smooth Criminal (Radio Edit / Album Version) 4:18
1-4 Thriller (Single Version) 5:13
1-5 Black Or White (Album Version) 4:16
1-6 Beat It (Single Version) 4:17
1-7 Wanna Be Startin' Somethin' (Single Version) 4:21
1-8 Don't Stop 'Til You Get Enough (Edited Single) 4:00
1-9 The Way You Make Me Feel (Album Version) 4:59
1-10 Rock With You (Single Version) 3:24
1-11 You Are Not Alone (Single Version) 4:57
1-12 Man In The Mirror (Album Version) 5:19
1-13 Remember The Time (Album Version) 4:00
1-14 Scream (Album Version) 4:40
1-15 You Rock My World (Album Version With Intro) 5:08
1-16 They Don't Care About Us (Lp Edit) 4:12
1-17 Earth Song (Album Version) 5:02

 Vol2は引き続きのランキング曲で、2枚目にポールとの「Say Say Say」と「The Girl Is Mine」が入っているという。かえって2枚目の方にUKの国民性を感じる意外さ。
 シングルではないけど「Ghosts」もマイケルを語る上では外せない名曲。
 「Who Is It」のSingle Editもかえっていい感じ。
 『オフ・ザ・ウォール』からの曲、マイケルの最後のソロアルバムとなった『Invincible』からの「You Rock My World」も収録。
 「History」のこのRemixは好きじゃない。Boys Ⅱ Menのバックコーラスと、マイケルの生ボーカルのハーモニーが素晴らしいアカペラバージョン「The Ummmah A Cappella」が好み。

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2-1 Dirty Diana (Album Version) 4:41
2-2 Say Say Say (Album Version) 3:55
2-3 Off The Wall (Album Version) 4:07
2-4 Human Nature (Album Version) 4:07
2-5 I Just Can't Stop Loving You (Album Version) 4:13
2-6 Heal The World (7" Edit) 4:33
2-7 Will You Be There (Radio Edit / Single Version) 3:40
2-8 Stranger In Moscow (Album Version) 5:22
2-9 Speechless (Album Version) 3:19
2-10 She's Out Of My Life (Single Version) 3:37
2-11 The Girl Is Mine (Album Version) 3:43
2-12 Butterflies (Album Version) 4:41
2-13 Who Is It (7" Edit) 4:00
2-14 Ghost (Album Version) 5:14
2-15 Blood On The Dance Floor (Album Version) 4:13
2-16 Workin' Day And Night (Album Version) 5:15
2-17 History (Tony Moran's 7" HIStory Lesson Edit) 4:10

 そしてこの3枚目がかなりのレアトラック群となります。

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  ★Rarities & Classic 12"s★
3-1 Can't Get Outta The Rain (Single Version) 4:07
3-2 On The Line (Full Version / Original Version) 4:54
3-3 Someone Put Your Hand Out (1992 Finished Version) 5:26
3-4 Is It Scary (Single Radio Edit) 4:14
3-5 Smile (Short Version) 4:12
3-6 Billie Jean (Original 12" Version) 6:24
3-7 Wanna Be Startin' Somethin' (Extended 12" Mix) 6:33
3-8 Bad (Dance Extended Mix Includes 'False Fade') 8:25
3-9 The Way You Make Me Feel (Dance Extended Mix) 7:54
3-10 Another Part Of Me (Extended Dance Mix) 6:20
3-11 Smooth Criminal (Extended Dance Mix) 7:49
3-12 Black Or White (The Clivilles & Cole House/Club Mix) 7:35
3-13 Thriller Megamix (Radio Edit) 4:10

 「Leave Me Alone」の超レアなExtended(公式発売なし)は収録されていませんが、その他の公式に発売されている『BAD』からのExtendedが4曲と『Thriller』からの2曲のExtendedが収録されています。
 「ビリージーン」も、クインシー提案に妥協したマイケルだけど、本来はこのExtendedのイントロがマイケルが意図したもの。「ビリージーン」はExtendedも聞いてこその「ビリージーン」。
 「Another Part Of Me」と「The Way You Make Me Feel」のExtendedがレアでしょう。
 さらにBabyfaceが書いた「マン・イン・ザ・ミラー」のオマージュのような「On The Line」が収録。この曲は、もっと表に出ていい名曲で、Babyfaceの数ある楽曲の中でもトップクラス。Babyfaceの曲は『インビンシブル』でやっとマイケルのアルバムに収録となりますが、その「You Are Me Life」は全盛期のBabyfaceのメロディーラインではなく個人的には普通な仕上がり。
 『History』期にFaceと制作した3Tの曲となった「Why」とこの「On The Line」は素晴らしい。
 さらに『Ghosts』のBOXセットのCDSの中で初めて収録した「On The Line」(4:40)とこちらの「On The Line」(4:54)は終盤のアレンジが少し違います。
 「Smile」のショートバージョンもレア。アルバム版は4:58ですが4:11と短い。違いはエンディングの部分。通常盤の方が、余韻があってすばらしくはありますが、そこがなくすぐにFade Outしています。まあバージョンとしてレアって所。
  Jam&Lewis制作の「Is It Scary」もEditバージョン。アルバムは5:36で、4:18まで縮められていますが、イントロもシンプルで、けっこう終盤これでもかとマイケルのボーカルが迫ってくる本バージョンと違いシンプルな感じで收められていて悪くはない。音のVivid感もなんかいいし。
 クインシーが映画『WIZ』でマイケルのために用意したと「Can't Get Outta The Rain」もそんなあちこちに収録される曲ではない。
 Someone Put Your Hand OutもUltimateにも収録されレア感はうすれたけどそれまでは超レア曲だった。
 そういうわけでExtended系意外にもレアトラック満載のDisk3なのです。

 これが『KING OF POP DELUXE UK Edition 』がBEST盤としても最強という理由です。
 AMAZONにありますが、最高で3万超えてる。でも下値は3,980円。現在のこの価格は買いだと思う。

King of Pop-UK Edition

King of Pop-UK Edition

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony UK
  • 発売日: 2008/09/22
  • メディア: CD
 

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