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◆ First You Laugh、Then You Cry ~微笑みと涙~ 第10回東京音楽祭 金賞受賞曲 シンガー・ソング・ライター ジャーメイン ❸ [ジャーメイン・ジャクソン]

                     オリジナル2009.12,11Upに大幅加筆firstl.jpg

 『Let’s Get Serious』のヒットで、兄弟と離れモータウンに一人残ったジャーメインも意地をみせたと思います。多くの人も、ジャクソンのもう一人のリードボーカリストの存在も強く認識したに違いない。
 ジャーメインも、このヒットである意味失いかけていた自信も取り戻したかもしれない。その勢いに乗りジャーメインは次のアルバムの制作にすぐにとりかかり、『シリアス』から1年も空かず、80年1月にニューアルバムを発表します。タイトルは、『Jermaine』(邦題・愛の瞬間)。

 「Let's Get Serious」は大ヒットしましたが、曲を書き、プロデュース、さらにバックボーカルにも参加したスティーヴィー・ワンダーの力が大きい作品でした(でも間違いなくジャーメイン色に塗り替えているけど)。メディアも、スティーヴィーの力で男になったジャーメインと評するものもあった。
 そういった声を払拭すべく、すぐに次作に取り掛かった感もあります。そしてタイトルも自身の名前を冠してる。ジャーメインの思いを感じまくります。
 このアルバム『Jermaine』は、ジャーメインのマルチな才能が注ぎ込まれています。ボーカルはもちろん、作曲、アレンジ、プロデュースもジャーメイン自身でしている。
 そしてジャーメインが楽器も演奏する。ジャクソンファイブ時代は、ティト(二男)がギターでジャーメインはボーカルとベースも担当していました。キーボードも弾ける。実はかなりマルチな才能の人なのです。
 今作の楽器のクレジットも、ベース、ピアノ&エレクピアノ、パーカッション、ギターとある。
 スティーヴィーの力を借りずとも、他のタレントの助力を得なくとも、自分ですべてを仕切れるという所をみせたいというジャーメインの熱い思いを感じます。

 アルバム収録は9曲。ジャーメインは7曲で単独、共作を含め曲を書いています。残りの2曲は義父でもあり、モータウン社長のベリー・ゴーディーがプロデュース。この後、ドンドン売れっ子になっていくポール・ジャクソンJrも参加。この後もジャーメインのブレイン(特にアレンジャーとして)として活躍します。ハービー・ハンコックもシンセで参加している。
 このアルバムからの1stシングルはジャーメインと前述のポール・ジャクソンとの共作。「Little Girl Don’t You Worry」。R&Bで17位となります。シャッフルリズムで、ジャーメインのファルセットとファンキーなボーカルが魅力的。ただちょっと曲にキャッチーさが足りないかも。つかみはうすい。でも聞いていくとドンドン味が出るという感じ。
 2ndは「You Like Me Don’t You」。ジャーメイン単独のライティング。チャート的にはR&Bで13位(Hot100-50位)。こういうソフトなミディアムはジャーメインに一番あう気がする。ファンの間でも、チャート以上に人気のある曲。ジャーメインもお気に入り曲なのか、84年のVictory ツアーでも歌われた曲。このツアーのメインは、やはりマイケルですが、その中でジャーメインは3曲任されますがその1曲。他の2曲は「Let’s Get Serious」とマイケルとのデュオ「Tell Me I’m Not Dreamin」。
 90年の来日公演でも「You Like Me Don't You」は歌われました。当時、ジャーメインのモータウン時代のアルバムも聞き込んでいたおれは、周囲の大多数のにわか(爆)と思われる人たちとは違い、「おれはあなたの曲をほとんど知ってるよ~」と目の前のジャーメインに口ずさんでいる姿を見せ必死にアピールしてたのを思い出します。
 「All Because Of You」も後の「プレシャス・モーメンツ」(86)にも通じるジャーメイン作らしい曲だと思います(なぜ邦題が「愛の瞬間」かは不明ですがっ。フリオ・イグレシアスの同じタイトルのヒットアルバムのパクリか)。

 私がこのアルバムで一番好きな曲は、「First You Laugh、Then You Cry」(邦題「微笑みと涙」)、すごくドラマッチックでひきこまれる感動的なバラードです。シンガーソングライターのノリです。
 曲を書いて(後、楽器も自演するイメージも強い)歌う人をシンガーソングライターというと思いますが、まさにジャーメインは、実はシンガーソングライターだと思います。
 そういう意味では、マイケルも自分で曲を作り歌うのでシンガーソングライターだと思いますが、おれの中では自分で楽器も弾く人をシンガーソングライターって思ってしまう。
 さらにそういう意味では次男、ティトともバリバリのシンガー・ソング・ライター。去年出たアルバム『Tito Time』は、まさに曲も書き、演奏して歌うティトの才能が凝縮されたアルバム。
 ジャネットも曲も書ける。こうしてみるとジャクソンファミリーの音楽的才能のDNAはとてつもないなとあらためて思ってしまうわけですが。
 
 脱線しましたが、この「First You Laugh、Then You Cry」は、シンガーソングライター、ジャーメインの魅力を十二分に感じる曲です。アコースティックなサウンドに美しいメロディーがのる。そして、ジャーメインのボーカルが素晴らしい。出だしは抑え気味なソウルな感じですが、中盤から徐々にエモーショナルになり、後半に感動的な盛り上がりをみせる。繊細なリリックも引き込まれる。
 この曲は、チャートデータを見るとシングルカットはされていないのですが、日本でシングル化されているようなのです。そのきっかけが東京音楽祭(TBS主催で72年から92年まで開催された音楽祭)という華やかな音楽祭の第10回大会(81年3月に開催)にジャーメインは招待され、この音楽祭用に「First You Laugh、Then You Cry」(微笑みと涙)を歌うのです。
 この東京音楽祭なるもの、92年まで開催とあるけどあまり記憶にない。当時は、日本でもレコード大賞と並ぶ権威ある音楽祭だったようです。
 あらためて調べてみると、この時もゲストとしてスティーヴィー・ワンダーが招かれているし、審査員も日本の業界関係者だけでなく、MCAレコード等、アメリカの音楽会社の社長や、イギリスやフランスの著名な業界関係者も加わっているという。この年日本から参加した、もんた&ブラザースが、スティーヴィー・ワンダー賞を受賞してるし、中途半端な実力なアーティストには声はかからない感じ。
 いろいろ調べていたら80年代の東京音楽祭見たくなった。でも参加基準や、評価基準がまったくわからない(爆)。でも国内アーティストではなく著名な海外アーティストも招いたすばらしいものにしたいというコンセプトと熱意は感じる。
 この時のジャーメインの熱唱もみてみたい。きっとマイケル・ジャクソンのお兄さんという紹介をされたのでしょうがっ。ジャーメインも参加したこの時の音楽祭は、20組のアーティストが集い、グランプリを競います。
 ジャーメインは本国ではシングル化されていない「First You Laugh、Then You Cry」(微笑みと涙)で参加し、グランプリに次ぐ金賞に輝きます。(グランプリは英国の人気姉妹グループ、日本でも人気のあったノーランズ)。この受賞にどれだけの価値があるかは不明です(爆)。
 きっとジャーメインの受賞コメントもあるんだと思いますが、映像がYOUTUBEにもないんだよな~。

 『Let's Get Serious』の後のジャーメインのアルバム『Jermaine』。
 前作のようなビックヒットにはなりませんでした。アルバムもR&B-17位(POP-27位)となります。
 アルバムには、シングル以外にも、「Let's Get Serious」を意識した「The Pieces Fit(恋はパズル)」や「You’ve Changed」、「Beautiful Morning」という透明感あるインストのような曲も魅力的。シンガーソングライターともいえるジャーメインらしさがつまったアルバムだと思います。(残念ながらアルバムはCD化されていません。いくつかの楽曲は下記BEST盤で聞けます)

 マイケルと兄弟たちは80年10月に『トライアンフ』を発表し、マイケルのソロ作『オフ・ザ・ウォール』からの曲で構成された“トライアンフ・ツアー”に全米は熱狂します。

トライアンフ

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 ジャーメインはどんな思いで兄弟たちを見ていたのでしょうか。その思いがジャーメインの次作のテーマとなります。(つづく) 


Spectrum Collection

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD
Greatest Hits & Rare Classics

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Motown
  • 発売日: 1991/02/26
  • メディア: CD



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◆ Let’s Get Serious / ジャーメイン・ジャクソン ❷ (80)   [ジャーメイン・ジャクソン]

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 ジャーメイン・ジャクソンにスポットを当てた2回目です。5人の兄弟で結成したジャクソン・ファイブでマイケルとともにリードボーカルを担当し、人気も二分してたジャーメイン。その甘いルックスとソウルなボーカルで兄弟の中でも一歩抜きでた存在でした。当初、女の娘に一番キャーキャー言われていたのはジャーメイン。マイケルはまだ幼かったですから。
 モータウンレコードからデビューしたジャクソン・ファイブ。69年11月から75年11月の約6年間で、R&BでのNo1は6曲。Hot100では4曲。その4曲もデビューシングルから連続のNo1ヒットという伝説を作ります。
 そんな順風満帆だったモータウンとの関係もセルフ・プロデュース権と(ストレートに言えば)ギャラのUp要求でもめてきます。
 何よりもジャクソン兄弟は自分たちの音楽を作りたかった。しかし、モータウンはまだジャクソン兄弟にすべてを任せるのは時期尚早という見解でした。そして、75年夏、父・ジョーの主導のもと、ついにジャクソン兄弟はモータウンを離れる決断をします。
 
 その時、非常に難しい立場にいたのが三男のジャーメインでした。
 彼は、73年12月に、モータウンの社長、ベリー・ゴーディーJrの娘ヘイゼルと盛大な結婚式を挙げます。そこにはモータウンのビックスターも出席していました。

jermaine003001.jpg

 周囲は、ジャクソン家とモータウンの絆はますます深まると思っていましたが、すでにこの頃から父親のジョーはモータウンを離れる決意を固めていたようです。
 ジャーメインは、他の兄弟全員が新たなレーベル、エピックと契約を済ませた後に、父から契約書にサインするように言われます。突然の提示にジャーメインも困惑したようです。
 ジャーメインとヘイゼルは政略的な意味合いで結婚したわけではありません。ジャーメインが15歳の時レコードセッションで出会い、お互い愛し合い4年の歳月を経て結婚したのです。ジャーメインは、自分たちを育て上げスターにしてくれたモータウンに強い恩義を感じていました。その事をジョーに言うと激怒されたみたいですが。
 ただマイケルたちも、モータウンの恩に報いるほどのヒットを産み、貸しはないという思いもありました。このまま断固としてセルフプロデュースを認めないモータウンにいても未来が切り開ける状況ではありませんでした。
 
 ジャーメインは、最終的に自分で「モータウンに残る」決断をします。モータウンへの恩義もあったと思いますが、彼の心を大きく揺るがしたのが、社長であり義父でもあるベリー・ゴーディーJrの、「ジャーメインを全力でモータウンのスターにする」という言葉ではなかったのではないかと思います。
 ジャクソン・ファイブのリードボーカルは、マイケル・ジャクソン。ジャーメインはセカンドボーカリストでした。
 2人のリードボーカリストの存在がジャクソンファイブを魅力あるグループにしたと思います。ただあくまではリードは天才マイケル。ジャーメインが、マイケルをおさえてジャクソンファイブのメインボーカリストになる事は難しかったと思います。セカンドボーカルのポジションに居続ける事も彼の中で納得いかなかったのではないでしょうか。
 
 76年、ジャクソン兄弟とジャーメインは別々の道を歩みはじめます。
 ジャクソンズから離れてはじめてのジャーメインのソロ『My Name Is Jermaine』が発売。そこからの「Let's Be Young Tonight」がカットされます。チャートとしてはHot100‐55位、R&B-19位。
 その後1月遅れて、ジャクソンズはエピックからの最初のシングル、当時のTop プロデューサーギャンブル&ハフと組んだ「Enjoy Your Self」を発表。


ザ・ジャクソンズ・ファースト~僕はゴキゲン

ザ・ジャクソンズ・ファースト~僕はゴキゲン

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  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 どちらも再スタートを祝うかのような明るいダンサブルな曲ですが、結果は、Hot100‐6位、R&B2位となったジャクソンズの圧勝となります。ジャクソンズのファーストアルバムはゴールドを獲得します。
 77年、ジャーメインは4枚目のソロアルバム「Feel The Fire」を発表。
 ジャクソンズもエピックでの2枚目の「Goin' Places」を発表(引き続きギャンブル&ハフの製作)。
 
ゴーイン・プレイシズ~青春のハイウェイ

ゴーイン・プレイシズ~青春のハイウェイ

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  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 ジャクソンズはタイトル曲がヒットしますが、全体的には両サイドともビックヒットにはめぐまれず。
 78年、ジャーメインは5枚目のアルバム『Frontiers』を発表。ここからは自身でプロデュースもしファルセットで挑戦して見事な七変化ボーカルをみせる「Castles Of Sand」がR&B‐38位。
 一方、ジャクソン兄弟は奮起、3作目にして全面製作を任された『Destiny』がミリオンセラーを記録する大ヒット。

デスティニー~今夜はブギー・ナイト

デスティニー~今夜はブギー・ナイト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/08/03
  • メディア: CD
 
 マイケルとランディーによって書かれた「Shake Your Body」(HOT100-7位/R&B-3位)はミリオンセールスを記録します。この曲のアプローチ方にマイケルは確かな手応えをもち、ソロとしての自信も深めた。ソロとしてジャーメインは、大きく兄弟にひきはなされます。
 そしてさらに79年、マイケル・ジャクソンは兄弟から離れクインシー・ジョーンズと組んだ『Off The Wall』を発表。
 
オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)

オフ・ザ・ウォール デラックス・エディション(初仕様付期間生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: CD
 
 先行シングルの「Don't Stop 'Til You Get Enough」が7月にチャートの1位に登りつめます。 
 そんな中、ジャーメインはスタジオに入りアルバムの製作を始めます。『Off The Wall』からシングルがヒットが次々生まれる中、ジャーメインはひたすらレコーディングに集中します。
 そして翌80年、ジャーメインはレーベルメイトの天才スティービー・ワンダーの力も借り『Let's Get Serious』を完成させます。このときジャーメイン26歳。
 
レッツ・ゲット・シーリアス

レッツ・ゲット・シーリアス

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  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2013/10/16
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 ここから「レッツ・ゲット・シーリアス」がカットされ、ついにビックヒットを記録します。
 マイケルの『オフ・ザ・ウォール』からの第4弾シングル「She Is Out Of My Life」がヒットしてる中、「Let's Get Serious」はR&Bで1位になり、6週Keepします。Hot-100でも7位を記録します。
 アルバムもヒット。R&Bではもちろん1位。POPチャートでも6位となります。グラミーの最優秀男性R&B歌手にもノミネートされます。
 さらに最終的に「Let's Get Serious」は80年ビルボード年間R&B-No1シングルにもなります。そして2位となったのが弟マイケルの「Rock With You」でした。
 このチャート結果はなかなかドラマティックなものを感じます。R&Bでのジャーメインの人気の高さをあらためて感じます。年間No1、R&Bシングルですからね。
 
 当時の状況を知らないので推測にしかすぎませんが、このアルバムは、まさにジャーメインにとっての背水の陣ではなかったのではないかと思います。
 ジャクソンズの『Destiny』がビックヒット。そして勢いに乗る弟・マイケル・ジャクソンが、『オフ・ザ・ウォール』から「Don't Stop 'Til You Get Enough」と「Rock With You」というメガヒットNo1シングルもだし、ジャーメインにかかるプレッシャーは生半可なもんではなかったと思います。
 そのような重圧の中、彼はスティービー・ワンダーの力も借り、ひたすらレコーディングに集中します。スティービーにもジャーメインの熱い思いが伝わったのでしょう。彼が他のアーティストにこんなにも力を貸すというのも異例な事だと思います。
 もともとこの曲は、スティーヴィー自身の曲だったみたいなのですが、ベリー・ゴーディーがジャーメインに歌わせろという事になり、彼の歌となります。ラブソングですが、このタイトルはジャーメインなりの意地とプライドが垣間見えるような気がします。「そろそろ本気(まじ)にならないとな」という。
 この曲はスティービーの独特の黒さとファンキーさとジャーメインの洗練された都会的なそしてソウルなボーカルが見事に融合してる気がします。キャッチーなメロディーと押し寄せる骨太のGrooveにもぐいぐいひきこまれます。スティービーはバックボーカルにも参加。さらに、アルバムの2曲をProduce。
 この後、クインシーと組んだマイケルに対抗して、ジャーメインはスティーヴィーと組んだ構図がよくライバル的なニュアンスで言われます。
 
 私はジャーメインのソロアルバムは、この作品から聞いています。アルバムチャートで6位まで上がったこのアルバムも素晴らしいと思います。収録曲は7曲。当時はLPですから、A面に4曲、B面が3曲。以前は数万のプレミア価格がついていましたが、再販され適正な価格で購入できると思います。
 マイケルの作品と比べてジャーメインの作品はソウル色が強い。そこがポップフィールドで苦戦する理由かもしれませんが、このアルバムは、ジャクソン抜きにしてシンプルに80年代R&Bの名盤としてソウルファンの評価が高い。マイケルやジャクソンズにないジャーメインだけの魅力を感じる歌心があり、踊れるアルバムでもあります。
 シングルヒットは、タイトル曲のみでしたが一般的にはジャーメインを語る上で一番に出てくるアルバムだと思います。ただジャーメインにも歴史があります。「レッツ・ゲット・シリアス」だけで片付けられるアーティストではないのです。(つづく)
 
Ultimate Collection

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hip-O Records
  • 発売日: 2001/06/26
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Spectrum Collection

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  • 出版社/メーカー: Universal UK
  • 発売日: 2007/06/12
  • メディア: CD

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◆ I am Love / Jackson 5 (75) 三男・ジャーメイン ❶ Sexy ジャーメイン [ジャーメイン・ジャクソン]

                                                                              オリジナル2009.10.19Upjermaine2003002.jpg

 前Blogではジャクソン兄弟の紹介を、代表曲を絡めて長女・リビーからしていましたが、今回移転後Blogでは三男のジャーメインから開始します。ジャーメインは、カテゴリーを作らなければならないほど紹介すべき楽曲や出来事がありますので。今回のハロウィン企画アルバム『スクリーム』でも「Torture」が収録され、マイケルとの抜群のDUOがそこで聞かれる。前Blogでも好評だったマイケルとの関係性を書いた記事も再整理してUpしていきます。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 ジャクソン兄弟の三男ジャーメインの紹介です。
 以前にも書きましたが、おれ、横浜での来日公演の時、前を歩くジャーメインの肩を叩いて、なんの関係もない雑誌の切れ端を差し出し、さらに日本語で「サインしてください」って言って完全無視をくらった男ですからね。(今となっては90年の来日LIVE以降のソロ公演はない)そりゃ無視するわ。
 ジャーメインに関しては、マイケルとはまたちがった思いいれがあります。最初は、大多数の人の認識と同じマイケル・ジャクソンの兄というだけの見方でしたが、彼の曲に触れ合うほどに、一人のアーティスト、ソウルシンガーとして、またコンポーザーとしてジャーメインの才能の素晴らしさを感じていくのです。
 世紀の天才マイケル・ジャクソンの兄でなければ、ジャーメインもその才能に見合ったもっと輝かしい実績を残せたと思います。
 ただ彼は過去の人ではありません。マイケルが逝ってしまい、弟の死の際、スポークスマンとなったり、最近ジャーメインの露出度はかなり高い。追悼コンサートでの「スマイル」の歌声でジャーメインがいかにすばらしいシンガーかも多くの人に印象付けたのではないかと思います。
 
 私は、以前からジャーメインの才能をみなさんにもっと知ってもらうべく、いろいろな記事を書いてていました。正直な所、7、8年前ジャーメイン・ジャクソンで検索してもあまり彼の音楽的なことを語るサイトはなかった。ぶっちゃけおれの記事がけっこうひっかっかてた。
 彼の事を"素晴らしい"と絶賛しているので、共感したのは、シャネルズのリーダー鈴木雅之氏。雑誌でジャーメインの事を語る人はほとんどいなかったので喜んだのは今でも覚えてる。
 最近ではジャーメインのアリスタレーベルでの素晴らしい作品がデジタルリマスター盤として再発され、注目が高まっています。(モータウン時代も出して欲しい)ここ1年くらいは、これまたジャーメインが企画した新たな追悼コンサートのプロジェクト(結局、頓挫)もあって自分の音楽活動を再開することはないかもしれませんが、91年から出ていないニューアルバムの動きもあるかもしれません。
 
 ジャーメインも語りだしたらとまらないオレです。ジャクソン兄弟姉妹紹介シリーズの一人として紹介しようと思いましたが、ジャーメインの音楽性を1回で語りきるのは無理です。ジャクソン・ファイヴ時代、モータウンソロ時代、ジャクソンズ復帰、アリスタ時代、LA’FACE時代、マイケル死後とそれぞれの活躍があります。
 
 まず今回は、ジャクソンファイブ時代のジャーメインを取り上げます。
 ジャクソン5は、天才ボーカリストのマイケルと、もう一人のソウルなジャーメインとのツインボーカルも魅力の一つでした。その役割分担がよくわかるのが、マライア・キャリーもカバーし追悼式でも歌われたNo1ソング「I’ll Be There」。いい曲ですよね。
 そして、アイドルグループに不可欠なセックスシンボル的な役を担ったのは、当時、兄弟の中では一番甘いルックスでハンサム(もう死語か)なジャーメインでした。ティーンエイジャーに追い掛け回されたみたい。女の娘だけでなくソウルファンの評価も高かったジャーメイン。

jermaine24003001.jpg

 マイケルとジャーメインの年齢差は4歳ですが、デビュー当時は、マイケルは11歳。(詐称で9歳とされていたそうですが)その役を担うにはまだ幼すぎました。美しい少年の声のマイケルとは違い、声変わりも終えたジャーメインのボーカルはさらに大人び、ソウルフルになります。
 ジャクソンファイブの中で、やはり最初にソロデビューしたのはマイケルでしたが、翌72年にジャーメインもソロデビューします。彼の最初のヒット曲が2枚目のシングル「Daddy’s Home」です。(R&B3位/Hot100・9位)HOT-100でベスト10に入るビックヒットです。ハートフルでソウルな曲で、多くの人がジャクソンファイブのもう一人のボーカリストを強く認識した。
 今回Pick Upするのがジャクソンファイブ時代の終盤のアルバム『Dancing Machine』からの3rdカットでジャーメインがリードをとり彼のソロのような「I Am Love」です。
 
ダンシング・マシーン/ムーヴィング・ヴァイオレーション+2(紙ジャケット仕様)

ダンシング・マシーン/ムーヴィング・ヴァイオレーション+2(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: USMジャパン
  • 発売日: 2009/09/09
  • メディア: CD

 この『ダンシング・マシーン』は、勢いの落ちてきたジャクソンファイブに、危機感をもってモータウンレコードが製作しただけあって、実は名盤。タイトル曲も大ヒットしています。それでもジャクソン兄弟は、セルフプロデュース権といわゆるギャラのUpを求めてモータウンを去るのですが。
 「I Am Love」はジャーメインの魅力を十二分に引き出したソウルだけでなく、セクシーな曲です。さらにこの曲はpart1、part2もある大作です。前半は、シンプルなエレクトリックピアノ、さらにエレキギターが加わる。この曲をマイケルが歌うのは正直合わない。ジャーメインが年齢以上の大人びたボーカルを聞かせます。中盤から、テンポが上がっていきブルース色が加わり、バックボーカルにだいぶ大人になったマイケルの声も聞けます。終盤はファンキーなグルーブに。曲としての完成度も素晴らしく、R&Bで5位、Hot100でも15位のヒットにもなります。
 『Dancing Machine』を聞くと、マイケルとジャーメインのツインボーカルの素晴らしさを感じます。このままずっと兄弟と活動を共にしていたらマイケルだけでなくジャクソン兄弟とジャーメインはもっと光を浴びたのではという気がしてなりません。
 76年、兄弟がモータウンを離れる際、ジャーメインはモータウン社長・ベリー・ゴーディーJrの娘ヘイゼルと結婚していた事も一因で(これだけがすべてではないと思いますが)一人モータウンに残ります。家族からは裏切り者と思われ、冷え切った関係の時期もあったようです。次回は、そのモータウンでのソロ活動時代に焦点をあてます。


アンソロジー

アンソロジー

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1993/11/01
  • メディア: CD




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◆ マイケル・ジャクソン ハロウィン向け最新企画アルバム『スクリーム』登場! [マイケル死後・プロジェクト]


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 マイケル・ジャクソン・エステートによる突然の新作告知に私もざわつきましたが、新作というより企画アルバムだよな。
 日本ではデジタル配信が昨日、9月29日(金)から開始され、国内盤CDが10月4日(水)にリリースとなる。
 エステートとの契約アルバムの1枚ということなのか。でも今回は未発表曲は入ってない。

 ハロウィン好きだったマイケルにちなんだ企画アルバムという事で、個人的にはビジネス臭が強くて、そこにマイケルの信念はないとは思う。最初、この企画の全容を知ったとき、正直な所、なんだかマイケルが金儲けの道具にされてるな的な思いをもちました(子供たちの資産にはなるのでしょうが)。
 でもツイートなどでみなさんの意見や思い(特に若い人たちの)を眺めていると、私にもちがった思いがわいてきました。

 それこそマイケルをリアルタイムに知らない世代の人達にとって、こうした企画アルバムとは言え、新らしい形でのマイケルのアルバムが発売する機会があると、それはそれでマイケル・ジャクソンという世紀のアーティストを体感する機会を得る事ができる。
 そしてまた新たにマイケルに魅了される人たちも出てきて、また今の世代の人たちの感性でマイケルをとらえ、それをまた旧来のファンも新たな視点でマイケルを感じる機会ももて、マイケル・ジャクソンという世紀のアーティストの偉大さをまた噛み締めれる。
 今回の“ハロウィン”というコンセプトで集められた13曲はどれも素晴らしい。

01. ハートブレイク・ホテル from 『トライアンフ』JACKSONS(80)
02. スリラー  from 『スリラー』(82)
03. ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア from 『Blood On The Dance Floor』(97)
04. サムバディズ・ウォッチング・ミー from 『Somebody's Watching Me』 Rockwell(84) 
05. ダーティ・ダイアナ  from 『BAD』(87)
06. トーチャー   from 『Victory』 Jacksons(84)
07. リーヴ・ミー・アローン from『BAD』(87)
08. スクリーム  from 『History』 (95)
09. デンジャラス from 『Dangerous』(91)
10. アンブレイカブル from 『Invincible』(01)
11. エスケイプ from 『XSCAPE』(14)
12. スレトゥンド from 『Invincible』(01)
13. ゴースト  from 『Blood On The Dance Floor』(97)
14. ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア×デンジャラス(THE WHITE PANDA MASH-UP)

 こうしてみると、ホラー的な、ドラマティックなこれらの曲にマイケルの美学を感じることができる。
 誰によってセレクトされたかは不明ですが、ありとなしの曲があるといえばある。曲順に沿って感想を。

 ❶ ハートブレイクホテル

 この企画のオープニングを飾るのにふさわしい楽曲だと思う。この曲はマイケルのソロ作『オフ・ザ・ウォール』(79)の後のジャクソンズのアルバムに収録されますが、作曲者もマイケルのこの曲は本来ならマイケルのソロ作に入っていいような、いや入るべき楽曲だったと思う。
 映像的でサスペンチックでドラマ性ある楽曲。
 「ハートブレイクホテル」(タイトルもThis Place Hotelから戻ったのか?)も収録されている、ジャクソンズの『トライアンフ』っていい楽曲がそろっているし、すごくよいアルバムだと思うのですが、録音バランスがそんなによくないんですよね。
 クインシー・ジョーンズとブルース・スウェディンが関わったら全然いい音に仕上がったと思うんだけど。今回、どうせならこのすばらしい曲を、再構築してもらいたかった。

 ❷ スリラー

 あらためて紹介するまでもなく、ある意味マイケル・ジャクソンの代名詞とも言える曲かもしれません。ロッド・テンパートン作のこの曲、元々は「スターライト」というロマンティックなタイトルがついていたけど、この妥当な路線の曲だったら歴史的なインパクトをもった楽曲にならなかったと思う。
 「スリラー」となり、さらにマイケルがゾンビを従えて踊った事で世界がぶっとんだ。今回のコンセプトにもピッタリ。
 この度制作されたという3D映像の方、具体的な映像と見たって人の感想がまだ入ってこないのだけどどんな感じなんだろう。日本での公開プランとかまだみない。
 ディズニーの3Dアトラクションで登場とかどう!?

 ❸ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア 

 テディ・ライリーによるこの楽曲。アルバム『Dangerous』(91)にはサウンドの骨格は同じ「Remember The Time」が収録される。血にまみれたダンスフロアーって所で、ホラーというよりサスペンス調という事での採用か。もろ『Dangerous』のアウトテイクで、テディーも97年時の作品として発表するには古いサウンドのままなのが不満そうだったので、これもテディーの描いたサウンドで新たに手がけて欲しかった。

 ❹ サムバディズ・ウォッチング・ミー  with Rockwell(84) 
 
 今回の収録曲の中では異色。前回の記事でも取り上げましたが、元来、マイケルのアルバム収録曲ではないもので、84年のロックウェルのデビュー曲にマイケルがボーカル参加した曲。
 実はビルボードのHOT-100でも3位(R&Bでは5週1位)というヒット曲。
 サウンド的には、80'S的なちょっとチープなDance系の曲だけど、ロックウェルのFlow的なくずしたボーカルとマイケルのきれいなボーカルがFitして、すごくキャッチーな曲。
 今回、初めて聴く人もきっと魅了されると思う。これもサスペンス調というところでの収録か。

 ❺  ダーティ・ダイアナ 
 
 『BAD』収録のNo1シングル。ハードロックな楽曲。ギターリストは、ビリー・アイドルとタッグを組んでいたスティーヴ・スティーヴンス。当時、マイケルにとって親愛なるダイアナ・ロスをディスった曲なのか!?と話題にもなりましたが、その真相は、愛するダイアナへのジェラシーソングのような気がする。(また記事Upします)
 この曲はホラーでもサスペンスでもないな~。出だしはおどろおどろしい。夜のStreet的な雰囲気にはあう。
 
 ❻ トーチャー 
 
 『スリラー』の後に登場したジャクソンズの『VICTORY』からの2ndシングル。兄、ジャーメインとのスリリングなDUOソング。
 長兄ジャッキーの書いた楽曲の曲調ともマッチして、マイケルのボーカルが絶品です。
 個人的にはビルボードの1位をとってもいいような楽曲だけど、Hot100で17位。R&Bでも12位とTop10にも入りません。思うにマイナス要因の一つはMVにあったのではないかと思います。
 「トーチャー」のMV、その出来がひどい、笑えるくらいひどい。まずリードボーカルリストの、マイケルとジャーメインが参加していないのです。この辺のいきさつはよくわかりませんが、このビデオ撮影現場に、当初マイケルも参加していたようなのですが、兄弟たちと何らかの事で衝突したようです。そして連動してジャーメインも不参加。メインボーカルの2人が参加せず、マイケルに代わって、なんちゃってマイケルのような人形もでてくる。MVは曲をヒットさせるために制作されるものですが、正直な所、このMVは作ってしまったことで曲まで陳腐な印象をもたらした気が・・・
 『VICTORY』から復帰したジャーメインとマイケルがリードをとり、ブラザーのバックボーカルとのハーモニーも素晴らしく、個人的には、ジャクソンズの最高楽曲。
 私が兄・ジャーメインのファンになるきっかけとなった曲でもあります。 
 
 ❼ リーヴ・ミー・アローン
 
 CD『BAD』のボーナストラックだったこの曲。「The Way You Make Me Feel」とともに、当時マイケルが好んだシャッフルグルーブと、多重録音的なボーカルが楽しめる楽曲。
 映画『ムーンウォーカー』の中でファンタジックだけどアイロニックなショートフィルムが制作されたけど、ホラーでもサスペンスでもない。なんでハロウィンアルバムに収録なのかは不明。

 ❽ スクリーム 
 
 今回のアルバムのタイトル曲にもなった。ジミー・ジャム&テリー・ルイスは、ジャネット・ジャクソンをアーティストへと変貌させ、『Rhythm Nation1814』でワールドワイドなスーパースターへと進化させた最強プロデューサー。ジャネット以外にも、ボーイズⅡメン、マライア・キャリー、ジョージ・マイケル、アッシャー、ビヨンセ、エルトン・ジョン、スティング、和田アキコ(爆)等、数多くのアーティストを手がけ、その曲数も莫大ですが、その彼らが手掛けた最高の楽曲の一つと断言できる。
 ジャネットの兄・マイケルも手がける事になります。
 アーティストの心情を曲や作品として表現するのに彼らの右に出るものはいない思う。当時のマイケルの置かれた状況の中、『リズム・ネイション』にも通じるハードエッジなサウンドに、マイケルのメディアへの怒りの心情をのせた。
 ジャネットとの共演も、当時マイケルに対して注がれていたネガティブなものを和らげるための方策だったと思ってる。
 この曲も、MVのイメージもあって近未来的なイメージがあってホラーとかにも縁遠い感じ。
 あと、この曲のスクリームは恐怖からの叫びではなく、精神的苦痛での叫びだからちょっと今回のコンセプトのテーマ性とは違うんだけど、まあいっか。

 ❾ デンジャラス
 
 クインシー・ジョーンズから自立し、90年代の金字塔となったアルバム『Dangerous』のタイトル曲。マイケルとビル・ボトレルで制作していたものを、テディー・ライリーが手を加えて最終形態となった曲。
 この曲は、シングル化されていないけど、95年のMTVミュージックアワードでこの曲をメインにした生のステージパフォーマンスは圧巻だった。この曲も特にハロウィンさは感じない。

 ❿  アンブレイカブル 
 
 『インヴィンシブル』のオープニングを飾るエッジの効いたファンク曲。ロドニー・ジャーキンスとの製作。当時、最新曲だけど、どこか昔のマイケルを感じさせるサウンドで、ロドニー・ジャーキンスの手腕にうなった。
 マイケルの希望通り、「You Rock My World」ではなくこの曲を1stシングルにしてほしかった。そうしたらその後の『インビンシブル』の流れも変わっていたかもって思ってしまう。
 この曲もStreet感満載だけど、ハロウィン感はない。

 ⓫ エスケイプ

 マイケル逝去後に、マイケルの意志とは関係なくセレクトされたすばらしい楽曲群で構成されたアルバム『XSCAPE』からの曲。『インヴィンシブル』製作期に、ロドニー・ジャーキンスとともにかなりの楽曲を制作したというマイケル。
 しかし、最終的に満足できないマイケルはロドニーとの一連の楽曲をリセットしたという。その辺の曲が、ロドニーも参加したホイットニー・ヒューストンの『マイ・ラヴ・イズ・ユア・ラヴ』(98)に流れた感じ。
 最終的に、仕切り直し後に、再度ロドニーが新たに制作した楽曲群が『インビンシブル』に収録された感じ。
 この「エスケイプ」も、元はマイケルの求める水準になかった曲のようです。
 まだロドニーとマイケルが制作した楽曲群、それもほぼ完成されているものはかなりあるようで、一時期、ロドニーの口からもそれらが日の目を見る日は近いという発言もあったけど、その後の続報はなし。

 ⓬ スレトゥンド

 『インヴィンシブル』のエンディング曲。これもロドニー製作。実は、私の中で『インヴィ』の中であまり聞いていなかった曲でした。西寺郷太さんがFav曲としてもあげていたこの曲、今回のアルバムにも個人的には意表をつくセレクトだったけど、それをきっかけに注目することになった。
 というわけで今回リリックもかみしめ聞いていくと味わいがましてきた。サウンド的には、あえてデジタル色全開的なこの曲の無機質グルーブにはまってきた。
 この曲の再考と再評価、今回の企画のおかげ。

 ⓭  ゴースト

 そしてこのハロウィンアルバムのエンディングがこの曲。テディー・ライリーとマイケルの製作。
 この曲の背景とこの曲がタイトルとなった作品の背景は、前のBlog記事でも語ったようにシリアスなものだったと思いますが、このコンセプトアルバムの最後を締めくくる曲としてあうし、ハロウィンという視点からみてもかなりマッチする曲。
 この曲に別バージョンにWitches MIXっていうレアなトラックがあるのですが、ちょっと気持ち悪い(魔女の?)息遣いが加わっていてダーク感が増してる。今回の目玉トラックとして収録されてもよかったのにって思う。

 前述したように、ハロウィン、ホラーやサスペンスとかとは関係ないような曲も入っているけど、「スターティン・サムシン」や「PYT」のような日中(太陽)を感じさせる曲はなく、どこかダークな感じのサウンドで構成されている所で、アルバム全体の統一感はあると思う。
 あと、こんな曲も収録されてもいいのではと思ったのが下記の楽曲。

 Mind The Magic (89) オリジナル曲
 Who is it (91)  『Dangerous』収録
 Eaten alive (85)  ダイアナ・ロスとの共演曲
 Is It Scary?  (97) 『Blood On The Dance Floor』収録
 Scared Of The Moon (84) 『Ultimate Collection』収録
 
 Mind The Magicは、前回紹介したように「20世紀で最も偉大なマジシャン」ジークフリード&ロイの為にマイケルが書いた曲。曲の雰囲気も「ハートブレイクホテル」や「ビリージーン」に通じるものがあって、神秘なものが好きなマイケルの思いがリリックにも満ち溢れていて、今回のテーマにもあいそう。

 Who is it もマイケル・ワールドが充満している曲。夜のストリート感、ファンタジー感があると思うけど、ホラー的な要素はないからあれかな~。


Eaten Alive

Eaten Alive

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Funky Town Grooves
  • 発売日: 2016/06/24
  • メディア: CD
 
 Eaten aliveは85年のダイアナ・ロスとのコラボ曲。アルバムはビージーズのギブ兄弟が手がけ、タイトル曲の「イートゥン・ア・ライブ」はギブ兄弟とマイケルの共作。このダイアナのジャケットも魔女っぽくないかい。
 マイケル本によると、マイケルのソロバージョンもあるような事が書いてあった(真偽のほどは不明)。この曲も緊張感もあってかなりドラマティックで、「生きたまま食べられるのは嫌」と、リリックもけっこうおどろおどろしいし、咀嚼される効果音がサスペンス度を高める。このエッジ感とメロディーも80年代のマイケル・ジャクソンを感じれて最高なんですが。
 
 Is It Scary?は『Blood On The Dance Floor』に収録された曲で、ジャム&ルイスとの製作。映画『ゴースト』には3曲のテーマソングが流れますが、この曲はその1曲。
 イントロから、悪霊やグールという言葉が流れ、緊張感あるサウンドが展開していく。ジャム&ルイスのサウンドプロダクションも見事。ハロウィンの雰囲気にもあうのにな~。


Ultimate Collection (W/Dvd) (Spkg)

Ultimate Collection (W/Dvd) (Spkg)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Epic
  • 発売日: 2004/11/16
  • メディア: CD
 
 Scare Of  The Moon は、84年録音とあるんで『Victory』の候補曲だったのかもしれません。すごくマイケルの内面を表現したバラードだと思う。
 月への畏れをちょっとファンタジックな曲調とメロディーでマイケルが歌う。ちょっとダークさもあり、月夜を感じさせる雰囲気がハロウィンにあう。
 まあもう曲のセレクトは終わっているので仕方ないけどさ~。これらの曲でさらにハロウィン感ますと思う。

 あと、ボーナストラック的な感じで、「ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロアX デンジャラス(The White Panda Mash-Up)」が収められている。
 この曲は「ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロア」、「デンジャラス」、「ハートブレイク・ホテル」、「リーヴ・ミー・アローン」、「イズ・イット・スケアリー」という5曲が現代風にアレンジされてよみがえっているけど、こうして新たな視点で聞くと、元の曲の良さがわかる。
 それぞれの曲も、当時のマイケルと製作陣のアイデアと演奏で仕上げられた曲だと思いますが、「ハートブレイク・ホテル」なんてちょっとサウンドとアレンジが古いので現代風に完全リメイクした形で聞いてみたい。
 
 いろいろな時代のアルバムからセレクトされた今回の企画アルバム。ちがった切り口の企画として“あり″なアルバムだと思います。
 ブラックミュージック的な視点からみても、Teddy Riley、ロドニー・ジャーキンス、ジャム&ルイス、そしてクインシー・ジョーンズというシーンのトップProducerが手掛けた曲が入っていて、斬新だけどキャッチーな曲が選ばれていて入りやすいと思う。これをきっかけにマイケルのオリジナルアルバムに興味を持つ人もいると思うし。

 さて輸入盤やデジタル配信は29日から開始されています。ただやっぱ私は日本盤を待ちます。郷太さんのライナーノーツも楽しみなので。
 「スリラー」の3D映像がどういう形で日本に入ってくるかも楽しみです。この企画アルバム『スクリーム』と連動して、またマイケル・ジャクソンの名前がメディアを賑わせてくれたらうれしいですよね。


スクリーム

スクリーム

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SMJ
  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: CD



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◆ Mind Is The Magic / マイケル・ジャクソン レアSong (89) [楽曲エピソード]

                           オリジナル2010.10.2 Up

mindmagic.jpg

 マイケル・ジャクソンのレアソングの紹介です。今でこそ、ネット社会、デジタル社会で、けっこうMJ関係のブートもん(中にはすごい高品質のものもあり)が出回っていますが、かつてはほんとMJ関係の曲の管理は厳しく、未発表曲が外に漏れることはまずなかった。
 といってもこの曲は、公式に発表されている曲です。

 89年、『BAD』時に発表されたもののようで、マイケル・ジャクソンの手がけた曲の中でも、異色の1曲。基本、マイケル・ジャクソン名義の曲は、彼のアルバムに収録されます。そしてシングルカットされ、チャートバスターぶりをみせた。
 しかし、この「Mind Is The Magic」という曲は、これまでもその存在は伝えられていましたが、MJのどのアルバムにも収録されていません。『Ultimate Collection』やいくつものベスト盤も発表されましたが、この中にも収録されていない幻の曲でした。

 かつては『ETストーリブック』に収録された「Someone In Thd Dark」(ロッド・テンパートン作)も、超レア曲であちこち探して周りましたが、入手することはできないまま月日は過ぎたのですが、『スリラー』のデジタルリマスター発表時にボーナストラックで収録されてた時は、めちゃ喜んだものです。
 そしてこの「Mind Is The Magic」は実際ラスベガスのジークフリード&ロイのイリュージョンショーで流されていたものです。彼らのショーのサウンドトラック盤にも収録されていたようなのです、欧州なのでは入手ができていたようなのですが、今年(2010年)になって公式に再発売され、現在アマゾンでも手軽に購入できるので紹介します。

Mind Is The Magic - Anthem For

Mind Is The Magic - Anthem For

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: zyx
  • 発売日: 2009/10/07
  • メディア: CD

 ジークフリード&ロイ、「20世紀で最も偉大なマジシャン」という称号が与えられた彼ら。それは手品というよりイリュージョンです。名前だけは聞いたことがありますが、彼らのエンターテイメント溢れるショーは、90年からラスヴェガスのミラージュホテルで公演を行い、年間約40万人の観客を集め、ベガスで最も成功を収めたショーの一つとなっています。
 
 そんな彼らにマイケル・ジャクソンが魅了されるのは当然のようにも思います。彼らは出会い、マイケルは自身の「BADツアー」のステージイリュージョンをジークフリード&ロイに依頼します。実際、マイケルのライブで瞬間移動をするのがありますが、これが彼らの演出だと思います。
 そしてこのお返しとして、マイケルが曲を作るのです。マイケル・ジャクソン単独の曲です。それがこの「Mind Is The Magic」、リリックもマイケルの神秘なものへの畏敬の念が満ち溢れています。

 そして彼らに捧げているだけあって「ジークフリード、ロイ」という言葉も連発しています。
 ここまで個人を題材にした曲をマイケルが書くというのはほんとめずらしい。メロディーは、『Dangerous』の「Who Is It」のメロディーすごく似てる。MJが二番煎じ的な曲を作ることもめずらしいと思うのですが、このメロディーラインがマイケルはすごくお気に入りなんだと思います。
 サウンドは、ビル・ボトレルと作り上げています。6:14のオリジナルバージョンのイントロは、けっこう長い。ショーの演出を考えて、いろいろなビートとスネアが溢れ、「This Place Hotel」のような悲鳴も聞こえる。
 そしてもうひとつ魅力なのが、マイケル・ジャクソンのボーカルです。声ののびがいいです。シャウトもいいし、出だしのソフトに歌うとこも素晴らしい。MJの七変化ボーカルを堪能できます。
 (追記:ただこれは89年当時のボーカルには思えないのですが。新録なのでしょうか。)
 今回、シングルが再発されるにいたって、これまでのオリジナルバージョンに加えて、3種類のRemixバージョンも収録されています。個人的には、3:30のRemixバージョンが、コンパクトで好き。
 
 余談ですが03年、このジークフリード&ロイのショーに悲劇がおこります。観客の目の前でホワイトタイガー「モンテコア」にロイが突然首を噛まれ、重傷を負うのです。瀕死の重傷だったようですが、奇跡的に一命を取り留めます。
 その後不屈の精神と懸命なリハビリで回復し、09年に1回だけの復活ショーも行われ、さらにその時、一緒に登場したのがモンテコアだったそうです。

*Remixバージョンも収録したCDS

Mind Is the Magic: Anthem for the Las Vegas Show

Mind Is the Magic: Anthem for the Las Vegas Show

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2010/03/09
  • メディア: CD


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